一般社団法人大学スポーツ協会は、「UNIVAS AWARDS 2021-22」の13部門の優秀賞および入賞者、また最優秀賞を発表した。3月28日には表彰式を開催、その様子をレポートする。

  • 「UNIVAS AWARDS 2021-22」表彰式の登壇者

大学スポーツの活性化を目的とした「UNIVAS AWARDS 2021-22」

「UNIVAS AWARDS」は、大学スポーツ全体の活性化を目的に、競技成績だけでなく、学業充実や安全安心、大学スポーツの盛り上げ等に著しい成果をあげた学生アスリートやスポーツに関わる学生、OB・OG、指導者、団体を選出する表彰制度だ。今年は全国の加盟大学・競技団体より合計144件の応募が寄せられ、一次審査・二次審査および最終審査を経て、優秀賞、入賞者および団体を選出、表彰式当日は優秀賞のなかから最優秀賞が発表された。

  • スポーツ庁 長官の室伏広治氏

表彰式に登壇したスポーツ庁 室伏広治長官からは、受賞者に向け「表彰を受けられました皆様、誠におめでとうございます。昨年度に続き新型コロナウイルスの影響を受け、新入生の勧誘や活動の制限、大会規模の縮小と、今年度も大学スポーツが受けた影響は測り知れないものがありました。このようななか、感染対策を行い、仲間とのコミュニケーションを絶やさずスポーツへの思いを熱く強く持ち、行動し続けてきた大学生の皆様、また尽力された大学関係者の方に敬意を表します」と祝辞が述べられた。なおスポーツ庁が策定した来年度からのスポーツ基本計画において、大学スポーツに関してはUNIVASと連携協力していくという。

  • 写真左:東京2020パラリンピック ユニバ―サルリレー 銅メダリストの名古屋学院大・大島健吾選手、写真右;東京オリンピック 競泳男子200mバタフライ銀メダリストの日本大学・本多灯選手

また東京と北京の両オリンピック・パラリンピックに出場した112名の選手には特別賞が贈呈された。表彰式では、東京2020パラリンピックのユニバ―サルリレーで銅メダルを獲得した名古屋学院大の大島健吾選手、東京オリンピック 競泳男子200mバタフライ 銀メダリストである日本大学の本多灯選手が出席、東京オリンピック ボクシング女子フェザー級で金メダルを獲得した日本体育大学の入江聖奈選手からはメッセージが寄せられた。

  • UNIVAS副会長 有森裕子氏

UNIVAS副会長の有森裕子氏からは、「2020年のオリンピック・パラリンピックでは、これまで以上にスポーツの意義を感じたアスリートは多かったと思います。学生時代に関わったことを力に変えて、大学スポーツやそれ以降の生き方となる競技を全力で頑張ってください」とエールが寄せられた。

競技横断大学対抗戦「UNIVAS CUP」のランキング発表も

競技横断の大学対抗戦「UNIVAS CUP」の発表も行われた。「UNIVAS CUP」総合ランキングは、総合獲得ポイント数は第1位が早稲田大学、第2位は日本体育大学、第3位は東海大学が受賞。第1位の早稲田大学は3年連続の受賞、またスポーツ庁 長官の室伏広治氏よりトロフィーが贈呈された。

「UNIVAS CUP」男女別競技優勝回数は、男子競技部門は1位が日本体育大学、第2位は早稲田大学と立命館大学、女子競技部門は1位が武庫川女子大学、2位が早稲田大学と日本体育大学が同率でランクインした。男女別ポイント獲得数は、男子競技部門が1位が早稲田大学、2位日本体育大学、3位東海大学、女子競技部門は1位が日本体育大学、2位早稲田大学、3位東海大学となった。

UNIVAS専務理事の池田敦司氏からは「元々大学スポーツは、競技別の試合はあっても総合型の大会はありませんでした。『UNIVAS CUP』では、競技を超えてみんなで応援したり、大学の一体感を作ることに活用してもらってもいます。まだ設立して3年の大会ですが、多くの大学をクローズアップするにはどうすれば良いか、競技ルールの見直しや、もう少し違った観点のコースを作る必要もありそうです。来年はそれを踏まえて5月中には発表する予定なので、どうぞご期待ください」と総評が述べられた。

また大学スポーツ振興に関する先進的取り組み事例を表彰する「スポーツ統括部局/SA賞」は、競技寄りだった評価項目に学業成績や社会貢献活動を評価項目に加えた、中京大学の「目指すべき体育会活動の可視化による意識改革」と、学業の基準とガイドラインの策定を行い、学生がスポーツも学業も頑張っていることを教職員や関係者にアピールする取り組みを行った名城大学の「大学スポーツ・学生アスリートの活性化及び価値向上に向けた取り組み」の2団体が表彰された。

文武両道を実践する大学生選手を表彰

文武両道を実践し、他の模範となる運動部学生を表彰する「マン・オブ・ザ・イヤー」の最優秀賞は早稲田大学・漕艇部の船木豪太選手が受賞、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」は日本体育大学・レスリング部の森川美和選手が受賞、パラスポーツにおいて活躍した学生を表彰する「パラアスリート・オブ・ザ・イヤー」は順天堂大学・障がい者スポーツ同好会の佐野優人選手が受賞。

また学生アスリートや運動部を支える活動をした学生を表彰する「サポーティングスタッフ・オブ・ザ・イヤー」の最優秀賞は九州産業大学 硬式野球部の松浦勢太さん、早稲田大学 相撲部 吉村千華さんが受賞。スポーツマンシップ溢れるプレーや振る舞いを行った学生を表彰する「スポーツマンシップ・オブ・ザ・イヤー」最優秀賞は福岡大学 野球部の永江大樹さん、運動部新入生として他の規範となる活動を行った学生を表彰する「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」最優秀賞は、福岡大学 陸上競技部のアツオビンジェイソンさん、武庫川女子大学 カヌー部の大島沙耶佳さんの2名が受賞した。

人材育成や競技力向上に尽力した指導者を表彰する「コーチ・オブ・ザ・イヤー」の最優秀賞は、競技以外での好影響や、他の学生や指導者の模範となる姿勢を評価され、帝京大学 ラグビー部監督の岩出雅之さんが表彰された。

卒業後、社会に貢献し、活動を通じて現役学生の模範となったOB・OGを表彰する「アルムナイ・オブ・ザ・イヤー」には、最優秀賞として成蹊大学アーチェリー部体育会本部に所属していた全日本学生アーチェリー連盟会長の安倍晋三氏が選ばれた。

運動部活生のキャリア支援における先進的な取組みを表彰する、マイナビ賞「キャリア支援に関する優秀取組賞」の最優秀賞は、福岡大学「ステップアップセミナー」が受賞。運動部学生に対する学修支援における先進的な取組み事例を表彰するKEIアドバンス賞「学修支援に関する優秀取組賞」では、大阪体育大学の「運動クラブ所属学生に対する学習支援」が最優秀賞を受賞、運動部活動における安全対策に関する先進的取り組み事例を表彰するMS&AD賞「安全確保に関する優秀取組賞」では中京大学の「体育会活動における重大事故の予防および再発防止に向けた取り組み」が最優秀賞となった。また大会・競技の普及や活性化、集客・応援促進のための大会プロモーションに関する優良な取り組み事例を表彰するKDDI賞「大会・プロモーションに関する優秀取組賞」の最優秀賞は福井工業大学のTikTokを活用した「SNSを利用した各種活動の積極的周知」が受賞した。