女優の島崎遥香が、1月クールの新ドラマ『ハレ婚。』(ABCテレビ 16日スタート 毎週日曜23:55~、テレビ神奈川 18日スタート 毎週火曜23:00~※見逃し配信あり)で6年ぶりに主演を務める。「主演というタイプではないなと思っていたので、いいのだろうか」と驚きながらも、一夫多妻制度のもとで結婚生活を送る3人の妻と1人の夫のラブコメディという特異な物語の主人公に全力で挑んだ。

「引き続きファンの皆さんファーストで」――この言葉は、そんな島崎が昨年11月のデビュー12周年記念日にSNSへ投稿した言葉だ。2009年にAKB48の研究生として芸能生活をスタートして以来、変わることのなかった「ファンがいるから自分がいる」という思いを紐解きながら、YouTubeを始めて気付いた「塩対応キャラ」の受け取られ方、アイドル時代を経験したからこそ大切にしている「仕事を楽しむ」気持ち、そしてドラマの見どころまで、たっぷりと話を聞いた。

  • 女優の島崎遥香 撮影:宮田浩史

    女優の島崎遥香 撮影:宮田浩史

■ファンからの支持でその先が決まる世界

実に6年ぶりとなる主演ドラマに「まさか自分がこの先主演をやらせてもらえるとは思っていなかったので、びっくりしました。主演というタイプではないなと思っていたので、いいのだろうかと」と驚きを明かした島崎。2009年に「AKB48 第六回研究生(9期生)オーディション」に合格して芸能界入りし、現在デビュー13年目を迎える。昨年11月のデビュー記念日には、SNSで周囲への感謝を厚く述べるとともに「引き続きファンの皆さんファーストで」というメッセージを投稿していた。「ファンファースト」=ファンを大事にしたい理由はと聞くと、「えぇ?」と質問自体に意外といったリアクションを見せ「だってファンの方がいなかったら、私はここにいません」とキッパリ。「この仕事をさせていただいているうえで、本当に一番大切な存在です」と声に力を込めた。

そう思うようになったきっかけの1つは、ファン投票でシングルの参加メンバーを決定する一大イベント「AKB48選抜総選挙」。「プロデューサーがどうとかじゃない、いかにファンの方から支持されているかでその先が決まる世界で生きてきた。ファンの方の応援の熱量や数がなかったら私はいない。これからもその思いは変わりません」。この言葉を裏付けるかのように、同期の永尾まりやを自身のYouTubeチャンネル『ぱるるーむ』に迎えた際の動画(【後半】今だから言える話を暴露し過ぎてしまいました【削除するかもしれません】)でも島崎は「私たちって、ファンの人に支えられたと思わない? 私たち何もできないけど、ありがたいことにファンの人がいてくれた」と熱弁している。

■メディアで見せていたキャラクターは「本物」ではない

一方で、当時代名詞となっていたのは“塩対応”キャラ。島崎は2020年に開設したYouTubeチャンネルへ「ぱるるってこんな人だったんだ」「イメージが変わりました」といったコメントが多く寄せられたことで、メディアで見せてきたキャラクターが真実のように受け取られていたことに初めて気付いたという。「世間のイメージとギャップがあったことに驚きました。テレビでやっていたことをこんなにも『本物』として受け取られていたんだなって」。そして「だからと言ってYouTubeも皆『本物』を見せているわけではないと思うんですけど」と前置きをしつつも「YouTubeを見てファンクラブに入ってくださった方もかなりいるんです。それはうれしい」とファンの広がりに喜ぶ。ファンの広がりは“エリア”にも現れている。YouTubeには各国からコメントが届き、ファンクラブにも韓国や中国などさまざまな国のファンが入会しているという。情勢次第だが、島崎は「アジアも視野に入れた活動を」と目標を定めている。「ファンの方がそれぞれ自分の国で見られるコンテンツに出演できれば、もっと喜んでもらえるんじゃないかな」。“ファンファースト”という思いもまた、グローバルに広がっていく。

YouTubeは、すべて自分で企画しており、そのポイントは「自分がやりたいものしかやらない」こと、そして「撮れそうだなと思ったときに撮ってしまう」こと。その例となる動画が「【くら寿司】念願のひとり回転寿司が最高すぎたのよ」だ。「回転寿司に行きたいなと思ったときに、せっかく行くのであれば一緒に撮影もできたらいいなと。そうしたらくら寿司さんに許可をいただけて」。再生数は50万回以上と好調。島崎のチャンネルにはそのほかにも「夕飯食べてるだけです」など日常を切り取った動画がラインナップされている。

■アイドル出身者の「仕事を楽しむ」という言葉の重み

YouTubeの活動に代表されるように、2021年は島崎にとって「仕事を楽しむ」という感覚が深まった年になったそう。「悪いふうに捉えてほしくないのですが、お仕事を趣味という感覚で、楽しくやることを大事にしています」。「仕事を楽しく」――一見ありふれた言葉に聞こえるかもしれないが、アイドル出身者が語ると重みが違う。「AKB48時代に、アイドルとしての本業はもちろん、お芝居やコント、ファッション誌やグラビア……あらゆるお仕事をやらせていただきました。その経験があるからこそ、これからはやりたいことにちゃんと責任を持って楽しめたら最高だなと思っています」。多岐にわたるアイドル活動の中には、苦手な仕事や気が進まない仕事もあったかもしれない。それらをプロとしてやり遂げてきた実績があるからこそ、やりたいことを選択したいという言葉には説得力が宿っている。