冬グルメの代表格といえば、カニ。とくに山陰で獲れる成長した雄のズワイガニ「松葉ガニ」は11月上旬に漁が解禁されたばかりの旬の味覚だ。そんな松葉ガニを思う存分味わい尽くすことができる「かに⼩屋」がオープンしたと聞いて、メディアツアーに参加して島根県松江市まで行ってきた。

  • 島根県松江市の「カニ小屋」で「カニ食べ比べ(松葉と紅ズワイ)」を満喫してきた

期間限定「カニ小屋」でズワイガニを満喫!

「かに⼩屋」があるのは、JR松江駅からタクシーで3分、徒歩15分ほど。宍道湖遊覧船 の第一乗船場のすぐ近く(島根県松江市東朝日町150-7(松江港管理所1F))。2021年11⽉20⽇から2022年2⽉28⽇の間、期間限定でオープンしている。

  • 期間限定でオープンしている「カニ小屋」

豪快に「かに⼩屋」と書かれた入口を開けると、コンロが乗った手作り感満載のテーブルが並んでいて、まさに「かに⼩屋」としか言いようのない空間となっていた。

  • ビールケースの上に座布団が乗った手作り感満載なところがまたイイ

入口付近には「カニ食べ比べ(松葉+紅ズワイ)9,300円」として松葉ガニと紅ズワイガニがこれでもかと置かれていて、一気に気分が高揚する。カニの他にも、サザエ(220円)、アワビ(550円)、イカ串(440円)、のどぐろ一夜干し(550円)、カレイ一夜干し(330円)、ハタハタ(2尾440円)等が冷蔵庫に入っている。

カニはもちろん、高級食材も多いわりにどれも価格はリーズナブルなところがうれしい。オーダーの仕方は、自分で好きな具材をトレーに乗せてレジでその都度精算するセルフ式。早速、カニを中心とした魚介類をチョイスして食べてみた。

  • サザエもこのリーズナブルさで食べられるから驚き

まずは、テーブルに置かれた「カニの食べ方のすすめ」に倣いながら、松葉ガニをハサミで切り、甲羅を外して網の上で焼く。さらにアワビ、イカ、サザエも乗せてみた。なんという贅沢さ。

  • 松葉ガニ、イカ串、アワビ、サザエを一気に乗せすぎた状態

焼きたての松葉ガニの脚から身をスプーンで取り、ジュワっとエキスがにじみ出ているところを食べてみると濃厚な旨味、ほんのり上品な甘みも感じられてじつに美味しい。カニミソもまったり濃厚な味わいで最高。

  • カニの身とカニミソを口の中いっぱいに頬張る幸せは冬の山陰グルメならでは

次々と松葉ガニを食べつつも、イカ串にマヨネーズをかけ七味唐辛子をまぶして頬張るとこれまた絶品。食感の良いアワビもサザエも同時に味わえるこの贅沢さに食べ始めて15分ほどで早くも満足。

  • イカ串にマヨネーズと七味唐辛子をたっぷりとつけていただきます

  • カニミソが甲羅にたっぷりと乗った横でサザエが食べごろに

続いて、紅ズワイガニへ。松葉ガニよりもさらに甘みがあるような気がする。“カニのための日本酒”「千代むすび 純米吟醸 蟹に合う酒」と合わせてみると、キレがありカニの甘みを引き出してくれる。

  • 「蟹に合う酒」は本当にカニにピッタリとマッチしたキレのある日本酒

追加で焼いたのどぐろ一夜干し、はたはたも絶品だった。魚介の他にも、ジビエソーセージなんていう食材もあり。ゴロッと詰まった肉感が最高にジューシーで、これまた美味しかった。脚をカットして甲羅を外して、その間に違う魚介の焼き加減を見て、しょうゆをたらしたり……、もう無我夢中でひたすら食べる。

  • 後半はホタテ、のどぐろ、海老、さらにジビエソーセージも焼いてさらに贅沢に!

ツアーに参加している他の記者さんたちも皆、黙々とカニを焼き、食べ続けている。全員、無言。カニを食べるときってやっぱりそうなってしまう。まわりのお客さんもみんな和気あいあいとしながらも、一心不乱に冬の味覚を満喫している様子だった。

県内外から多くのお客さんが訪れる「カニ小屋」は、コロナ感染予防対策もあり完全予約制となっている。今年は多くのお客様の要望に応え、年末年始の営業を実施するというので、足を運んでみてはいかがだろうか。期間は2021年11月20日(土)~2022年2月28日(月)まで。営業時間は11:00~21:00(LO 20:30)。

グルメ以外も魅力満載! 島根の観光スポット巡り

島根県松江市には、グルメ以外にも温泉やパワースポットなど、さまざまな体験ができるおすすめの観光スポットがたくさん。風情があって心が落ち着く街並みや自然の中を、のんびりと探索してみた。

⼋重垣神社

  • 「鏡の池の縁占い」に多くの人が訪れるパワースポット八重垣神社

八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した素盞嗚尊(すさのおのみこと)が稲田姫と結ばれ夫婦となったという由来にちなみ縁結びの神社として知られている。神社境内の奥にある「鏡の池の縁占い」も有名で、池に占い用紙を浮かべ硬貨を乗せると、沈むのにどれだけ時間を要するかで縁占いをすることができる。この日は平日の日中にも関わらず、次々と若い女性を中心とした参拝に来た人々で賑わっていた。

玉造温泉

  • 玉造温泉の「湯薬師広場」では小さなボトルに入れて温泉をテイクアウトできる

玉造温泉は⽇本最古の温泉の⼀つ。「出雲国⾵⼟記」に「⼀度⼊ると美しくなり、再び⼊ると万病が治る」と記されている美肌の湯は、“天然の化粧水”とも称されるほどの泉質を誇る。温泉街の中心を流れる⽟湯川には、鯉の餌をまいて恋(鯉)を引き寄せる「恋来井⼾」や「恋叶い橋」といった縁結びスポットや足湯もあり。また、「湯薬師広場」では源泉が湧き出ており小さなボトルに入れて温泉をテイクアウトできる。

  • 玉作湯神社の境内に奉られている不思議な力を宿す「願い石」

近くにある玉作湯神社の境内には遥か昔から奉られている不思議な力を宿す「願い石」があり、社務所で授かる「叶い石」を願い石に重ね合わせて祈ると、願いごとが叶うと言われているため、全国から参拝する人が多く訪れている。その叶い石を願い札と共にお守り袋に入れ、複写になっているもう1枚を拝殿の願い札入れに投函してきた。願いが叶いますように。

  • 玉作湯神社の叶い石と願い札とお守り袋の3点セットは社務所にて600円で受け取ることができる

他にも、城下町松江のシンボル松江城や小泉八雲記念館、国内最⼤規模の展⽰温室と園内で約90種類、400⽻のめずらしい⿃たちを鑑賞したり触れ合うこともできる花と鳥の全天候型テーマパーク「松江フォーゲルパーク」や、「海上安全、大漁満足、商売繁昌」の神様として信仰されているえびす様の総本宮で音楽にもゆかりがある美保神社など、歴史の深さと自然の豊かさを存分に感じることができる観光スポットが多数点在している。

  • 音楽にゆかりが深く境内で奉納コンサートも開催される美保神社

  • 国内最大級の規模の花の展示温室で花に囲まれる

  • 「フォーゲルパーク」ではこんなかわいらしい動物たちのイベントも

そしてなにより、移動中の車中からの眺める宍道湖の存在感の大きさは、一番のパワースポットだった。

  • 宍道湖のスケールの大きさに感動