FPが家計のさまざまなお悩みに答えていく本連載。今回は「週末、スーパーに出掛けて好きなモノを買うのが家族のレジャー」と話すママリンさん(42歳・夫、子ども2人の4人家族)の家計相談に対し、1級FP技能士の資格を持つ早乙女美幸さんがアドバイスしました。

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◆相談者さんのプロフィール

相談者

相談者 ママリンさん(仮名)
女性/パート/42歳
愛知県/戸建て・持ち家

家族構成

夫(会社員/48歳)、子ども(小4、年中)

◆お悩み

週末は家族4人でスーパーに行き、それぞれが好きなモノを買うことが毎週の恒例になっています。食費は月に14万円くらいです。多いとは思うのですが、私も家族も楽しみなので、中々やめられません。一般的に、食費はいくらくらいかけてもいいものなのでしょうか?

教育費も今後どのくらいかかるのか気になっています。家を買ってからは、住宅ローン以外の支出が思いのほか多く、思ったようには貯金できていません。どこを見直せばいいか知りたいです。

◆家計収支

収入

支出

現在の貯蓄額

住宅:5年前に購入(住宅ローン 月9万円)

すべて込みの月間平均収入が49.5万円、支出が45万円、毎月の貯蓄可能額が4.5万円、現在の貯蓄額が410万円となっています。

◆FPからのアドバイス

アドバイス1: まずは、実際に貯蓄できた金額を確かめましょう!

ご自分でも気づいていらっしゃいますが、食費、そして住居費が高めの家計ですね。それでもそのほかの支出は抑えているので、毎月は黒字でがんばっていらっしゃいます。年間にすると54万円の貯蓄が可能となっていますね。

家計収支が合っていれば、この5年で270万円ほど貯蓄が増えている計算になります。けれども住宅購入時に貯蓄が300万円だったとのことですから、実際に貯蓄できた金額は110万円ほどで、使途不明金があります。

今後はぜひ実際にいくら貯蓄できたかを確認なさってください。細かく家計簿をつけなくても、1年間に貯蓄額がどれだけ増えたかを、通帳から計算してみればOKです。例えば貯蓄額が1年で40万円だったとしたら、把握しているより14万円支出が多いことになります。支出をなるべく正しくつかんでから次の対策を考えましょう。

アドバイス2: 3つの準備が同時にできる貯蓄額を目指そう!

仮に表の通りの収支だったとしても、このままでは今後に不安があります。住宅購入はご主人43歳、住宅ローンが37年返済ですから、65歳以降も15年の支払いが残ります。65歳で退職されるとすると、それまでに住宅ローン15年分を繰り上げ返済する資金を準備する必要があります。

一方で、下のお子さんが大学を卒業する予定はご主人64歳ですので、教育費負担が終わってからでは1年しか準備期間がありません。

つまり、ママリンさんのご家庭では「教育費準備」と「繰り上げ返済資金」と「老後準備」3つを同時に進めていく必要があります。

まずは月に6万円の貯蓄アップを目指しましょう。6万円の内訳は、ママリンさんのパート収入アップと支出の削減を組み合わせて考えるといいと思います。

アドバイス3: 目標を家族で共有して協力を!

月14万円の食費はやはり多いですね。ご参考までに、総務省の調査では、2人以上の世帯の食費の平均は8万円ほどです。

食費の削減のために、ぜひお金をかけないレジャーも考えましょう。貯蓄の目標をみんなで共有して、ママだけがつらい思いをするのではなく、家族で協力してもらいましょう。お子さんの年齢からみても、みんなでたこ焼きを作るなど、意外に買い物よりも喜ばれるかもしれません。

貯蓄は未来の自分たち家族への仕送りです。協力して、時にはゲーム感覚でがんばってみてください。

相談者さんの感想

早く貯金額をふやした方がいいということと、今が貯めどきだということを知れてよかったです。貯金について家族で共有するという話は意外でしたが、家族で協力して食費を下げていきたいと思います。ありがとうございました!