12月17日公開の映画『仮面ライダー50周年記念映画 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』は、『仮面ライダーリバイス』と『仮面ライダーセイバー』の各キャラクターが大集合を果たし、さらには『仮面ライダー』が誕生した1971年と、100年後にあたる2071年へと時間を飛び越え、2021年の現代と合わせて「3つの時代」をかけめぐるという奇想天外かつドラマチックなストーリーが展開する。

  • 浅倉唯(あさくら・ゆい) 1996年生まれ、青森県出身。オーディションで『仮面ライダーリバイス』(2021年)デッドマンズを束ねる悪の女王・アギレラ役に選ばれ、レギュラー出演中。2021年9月13日発売「週刊プレイボーイ39・40号」に登場するとたちまち評判となり、「42号」「45号(表紙)」「47号」と短期間に連続して誌面を飾った。11月4日にデジタル写真集を発表したほか、2022年にはファースト写真集(タイトル未定)の発売が予定されている。 撮影:大門徹

自分の体の中に潜む「悪魔」と契約し、変身ベルト・リバイスドライバーに「バイスタンプ」を押して変身する仮面ライダーリバイと仮面ライダーバイスの活躍を描く『仮面ライダーリバイス』。本作で仮面ライダーリバイ、仮面ライダーバイスが立ち向かう敵、それが悪魔崇拝組織「デッドマンズ」である。デッドマンズはバイスタンプを利用して、人間の潜在的な邪念を「悪魔」として実体化させ、デッドマンを作りだす。デッドマンズの目的は、すべての悪魔の始祖とされる「ギフ」を復活させるため、生贄を集めることだという。

ここでは、デッドマンズの個性的な幹部3人のリーダー格・悪の女王と称されるアギレラを演じる浅倉唯が登場。『仮面ライダーリバイス』出演の経緯や、アギレラを魅力的なキャラクターにするため心がけている部分、そして100年の時間と空間を越えてさまざまな仮面ライダーが入り乱れる映画『仮面ライダー50周年記念映画 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ』での撮影時のエピソードを語ってもらった。

――『仮面ライダーリバイス』の撮影が始まって数ヶ月が過ぎ、劇中でのアギレラ様もいろいろ行動の幅が広がってきた印象です。浅倉さんとしては、撮影が始まったころと現在とを比べ、どんなところにご自身の成長を感じますか?

始まったばかりのころは、撮影でセットの中に入るとき、ちょっとだけ体が固まったりしてましたね(笑)。最近はそんなこともなく、自然体でいられるようになりました。だいぶ緊張が解けてきて、そういう部分は「変わったな」と自分でも思います。

――演技をこなすことにより、女優としての自覚と自信がついた、ということでしょうか。

はい、ちょびっとだけ(笑)。

――『仮面ライダーリバイス』にはオーディションを経てのご出演だとうかがいました。オーディションに受かったと聞いたときは、どのように思われましたか。

オーディションなんですけど、私はずっとヒロインのさくら役として受けに行っていたつもりだったので、まさか「悪役」で受かるとは思ってなくて、詳細を聞いたときはビックリしました。

――もともと「仮面ライダー」シリーズの存在は知っていましたか。

幼いころテレビで観ていた……くらいの印象でしたが、知っていましたよ。記憶に残っているのは『仮面ライダー電王』(2007年)です。

――先日放送されたNHK-BSプレミアムでの「仮面ライダー大投票」でも作品1位に輝いた『仮面ライダー電王』だけあって、さすがの認知度ですね。ということは、仮面ライダーのヒロイン役というのもイメージしやすかったのではないですか。

そうですね。仮面ライダーのヒロインというのはこんな感じなのかな、って漠然と頭の中にありました。

――五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ/(演:前田拳太郎)やバイス(声:木村昴)と戦うデッドマンズの幹部・アギレラ様の役柄を知ったときのお気持ちはいかがでしたか。

悪魔を崇拝するデッドマンズの詳細な設定をうかがったら、すごく面白そうで、アギレラってどんな役なんだろうってワクワクしました。

――赤い劇中衣装がとても素敵で、浅倉さんの魅力をさらに引き出してくれている印象です。

衣装、素敵なんですよね。作ってくださった方が何度も何度も微調整を重ねて、私の体にピッタリフィットするように仕上げていただきました。これは大切な衣装だと思いながら、毎日撮影を続けています。

――第1、2話の柴崎貴行監督からは、アギレラという役を作るにあたってどのような指導をされましたか。

最初、顔合わせのときから柴崎監督にはたくさんの言葉をいただき、それがすべてアギレラを演じる際の指針になっています。柴崎監督は淡々と話しつつ、的確に鋭いところを突くんです。「そんな芝居じゃ、観ている人に気持ちが伝わらないよ」みたいな。周りでは「柴崎学校」と呼ばれていました(笑)。

――浅倉さんはアギレラ様をどんな風に演じようと心がけているのでしょう。

女性の悪役というと、”女王様”みたいな感じでクールな印象がありました。でも、柴崎監督とのお話の中で、アギレラはそうではなく、すべての行動に「純粋さ」があるんだとうかがいました。ですからアギレラを演じるときは、常に純粋な気持ちでいるようにしています。自分が今まで思っていた悪役の固定概念とは違うんだと。アギレラは人類に対しては悪に位置するのですが、彼女はまったく何も悪いことをしているなんて思っていないんだ、と心に刻みながら演技をしています。

――デッドマンズスペースのセットデザインには、どんな感想をお持ちですか。

最初のころは、この場に自分がいることに慣れなくて緊張感しかなかったのですが、アギレラとしてここでずっと過ごしているうち、私自身も自分の家のように落ち着いていられる空間になっていきました。

――デッドマンズ幹部のオルテカの関隼汰さん、フリオの八条院蔵人さんとのチームワークは、もうすっかり固まったのではないですか。

初対面のころと比べたら、驚くほどお互い仲良くなりました。ふとした瞬間に、チームワークがいいなと思ったりします。私たち3人はかなり個性が強いので、それぞれの持ち味がうまく合わさることによって、いいチームになっていると思います。

――撮影の合間、時間があるときは3人でどんなお話をされていますか。

何気ない会話もありますが、どちらかというと、『仮面ライダーリバイス』の今後の展開について話していることが多いかもしれません。自分たちはこれからどうなっていくんだろう……みたいな。デッドマンズの3人はそれぞれ自由に動いていますし、これから先のことがわからないんですよね。毎回、新しい台本が来るのをドキドキしながら待っている感じです。

――アギレラ様がテレビに登場してから「あのかわいい人は誰?」という感じで、SNSが話題騒然となりましたが、そういった熱気はご本人に伝わっていたりするでしょうか。

伝わっています。とてもありがたいです! 私はいまTwitterとインスタグラムをやっていて、そこにみなさんからのコメントをいただきます。そういうとき、こんなにたくさんの方が『仮面ライダーリバイス』とアギレラに注目してくださっているんだ、と強く思います。

――週刊誌グラビアに連続出演されたのも、大きな話題となりました。『仮面ライダーリバイス』撮影の合間にグラビアのお仕事が入ったりすると、いっそうお忙しくなってしまって大変なのでは?

グラビアの仕事ですと、必ず地方へロケ撮影に行くんです。それが気分転換になったりするので、気持ちを切り替えてテレビの撮影に臨むことができました。

――ファンの方々は、アギレラ様のよさをどのように語っていらっしゃいますか。

よく言ってくださるのは「いままでの悪役っぽくない。小悪魔っぽいところがいい」といったご意見ですね。