回を追うごとに衝撃的な事実が明らかになっていくTBS系金曜ドラマ『最愛』(毎週金曜22:00~)。第7話では、松下洸平扮する刑事の宮崎大輝が、捜査一課から外されてしまうという新たな展開になり、吉高由里子演じる真田梨央との関係性にも変化が生まれた。犯人捜しというサスペンス要素はもちろん、大輝と梨央の「最愛」の行方にも多くの注目が集まる本作。SNS上では“大ちゃん沼”なる言葉も生まれ、松下の切ない芝居に多くの称賛が寄せられている。そんな状況に「ありがたいですね」と語った松下が、本作への熱い思いを語った。

  • 『最愛』で刑事・宮崎大輝を演じている松下洸平

松下演じる大輝と吉高扮する梨央。2人は学生時代から思い合っていた仲だったが、運命のいたずらによって離れ離れになってしまう。それから15年後、ある殺人事件によって梨央は重要参考人に、大輝はその事件を追う刑事という立場で再会する。刑事としての立場か、思い人としての思いか……そんな切ない大輝の言動に、多くの視聴者は共感。松下の芝居にも大きな賛辞が寄せられ“大ちゃん沼”にハマる人も続出だ。

こうした現象に松下は「ありがたいですね。視聴者のみなさんが、僕らが演じる役に没頭して、夢中で物語に入り込んでいただけるというのは、俳優としてとてもうれしいです」と笑顔を見せるが「でも役柄というのは、自分だけで考えて作り上げるものではなく、人との関わりによって広がっていくんだなと実感しています」と現場では多くの気づきがあるという。

実際、松下は台本を読んだ際、大輝というキャラクターについて「不器用な男」という印象があったというが、吉高と芝居を重ねていくうちに「自分で思っていた以上だった」と“不器用さ”がさらに強調されたという。続けて松下は「特に恋愛に関してはね」と笑うと「刑事になった大輝はいい大人ですし、もうちょっと梨央に対しても行くところは行くのかなと思っていたのですが、いつも『ここでは行くだろう』というところでは、モジモジしてしまうんですよね」と苦笑いを浮かべる。

この言葉通り、第7話で梨央の家で大輝と梨央が食事をするシーンでも、顔と顔が近づき良い雰囲気になるが、結局はなにも起こらない……という展開にSNS上では「大輝!」という声も上がるほど。松下自身も「自分がイメージしていた以上に、大輝は可愛らしい人になっていますね」と語っていた。

また第6話までで印象に残ったシーンとして松下は、生田誠と優(高橋文哉)が同一人物であるということを山尾(津田健次郎)に報告した場面をあげる。「大輝的にはすごくきつかった。優と梨央のためには隠しておきたいけれど、刑事としてはもう黙っているわけにはいかない……というギリギリな状態。そのとき白川郷で過ごしていた9歳の優の笑った顔がフラッシュバックして、本当に苦渋の決断をしなければいけない苦しい場面。あんな苦しいシーンを演じる機会をいただけたのは、俳優冥利に尽きます」。

さらに大輝と言えば、走るシーンも印象的だ。「第1話の駅伝のシーンは、メチャクチャ走りました」と撮影を振り返ると「坂道を下って、次の仲間にタスキを渡すシーンは15回以上やりました。現場でも走っていないと落ち着かない感じになってしまい、いつの間にか走るという行為が染みついてきた感じがありました」としみじみ語る。

そんな撮影はかなり苦しかったという松下。しかし、大輝というキャラクターを考えたとき、採用試験に合格してから約10年で捜査一課にまで上り詰めたというキャリアの裏には、相当の苦労があったはず……と思った松下は、自身の撮影の苦労も大輝という役柄に活かせるのではという発想で撮影に臨んでいたという。

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