本作のオファーを受けたとき、松下のなかでは俳優人生にとっての大きなターニングポイントになるだろうという予感があった。「僕は『MIU404』というドラマで塚原あゆ子監督×新井順子プロデューサーの現場を経験させていただき、この組の素晴らしさを知りました。今回3カ月もこのチームでご一緒できるのならば、俳優として絶対に新たな一歩を踏み出せると思ったし、自分自身にも『絶対結果を出すんだ』というプレッシャーをかけました」。

決死の覚悟で臨んだ現場。自身が“結果”として課したのが「ドラマのなかの人物ですが、大輝という人間が現実社会にいるようなリアリティを視聴者に届けること」だと語る。大輝と梨央の行く末が、視聴者にとって自分たちのことのようにドキドキしてもらえる存在にすること。そういう気持ちになってもらえたならば、松下にとって一つの大きな“結果”を出せたことになるという。そのためには「大輝のコートの匂いや、汗臭さまでもが画面を通して伝わったらいいなと思って演じています」と自身に高いハードルを設ける。

松下の熱い思いで作り上げられた大輝というキャラクター。第8話以降、捜査一課を外された大輝が、この先どのように自分と、そして梨央と向き合っていくのか……。そんなところが大きな見どころになっていく。「これまで見たことがないような松下洸平を見たい」という製作陣の思いを受けた松下。「自分が今まで表現していなかった部分を演出で引き出してもらっています。それを観た方の心に届いたなら、それはとてもうれしいし、最後まで期待に応えていきたいです」としっかり完走することを誓っていた。

■松下洸平(まつした・こうへい)
1987年3月6日、東京都生まれ。俳優・シンガーソングライター。2008年に『STAND UP!』(洸平名義) でCDデビュー。09年にミュージカル『GLORY DAYS』で初舞台を踏んで以降、俳優として舞台や映像で活躍。NHKの連続ドラマ小説『スカーレット』(19)でヒロインの夫・八郎を演じ人気を博す。近年の主な出演作に、舞台『母と暮せば』(18、21)、『カメレオンズ・リップ』(21)、映画『燃えよ剣』(21)、ドラマ『#リモラブ~普通の恋は邪道~』(20)、『知ってるワイフ』(21)など。また、『ぐるぐるナインティナイン』の「ゴチになります!」にレギュラー出演中。

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