現在放送中のTBS系連続ドラマ『最愛』(毎週金曜22:00~)で、吉高由里子扮する主人公・真田梨央に思いを寄せながらも、殺人事件の重要参考人として、捜査をする刑事・宮崎大輝を演じている松下洸平。NHKの連続テレビ小説『スカーレット』で俳優として注目を集めた松下が、新井順子プロデューサーから「これまで見たことないような松下さんを見たい」とオファーを受けて臨んだ本作。新井プロデューサーの言葉通り、新たな一面を見せた松下の芝居の魅力に迫る。

  • 『最愛』で宮崎大輝を演じている松下洸平(奥)と真田梨央役の吉高由里子

舞台やアーティストとして活動していた松下が、俳優として大きな注目を集めたのが、2019年9月から放送された連続テレビ小説『スカーレット』。戸田恵梨香扮する女性陶芸家・川原喜美子の夫となる陶芸家・八郎を演じ、真面目で実直なキャラクターを好演し、ハマる人が続出。SNS上では“八郎沼”なる言葉も出てきて大いに盛り上がった。さらに2020年放送の日本テレビ系連続ドラマ『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』でも、気弱ながらも優しさに満ち溢れた青年・青林風一を演じ、癒しを与えた。またバラエティ番組でも、素朴な人柄を披露し、松下と言えば「柔らかくて穏やか」というパブリックイメージがあった。

そんななか、『最愛』では前述したように“これまで見たことがない松下洸平”というプロデューサーからのオーダーに「こんなチャンスはない」と強い気持ちで臨んだ松下。劇中では、純粋な心を持つというこれまでのイメージを持ちつつも、武骨で男っぽい部分を覗かせる大輝というキャラクターを好演。特に心の声とは裏腹な態度をとりつつも、その声が漏れ出てしまう人間臭さは秀逸で、俳優・松下洸平の“底知れぬ凄さ”をまざまざと見せつけている。

松下が演じる大輝と梨央の関係は、2021年からさかのぼること15年前。高校3年生だった梨央の父親・達雄(光石研)が寮夫として働く白山大学陸上部の男子寮に暮らす陸上部のエースだった大輝は、互いに相手を思い合う関係だった。しかし、寮内で起きたある事件によって、2人は別々の道に進むことになる。

そんな2人は、2021年に都内で起きた殺人事件をきっかけに、事件の重要参考人と警視庁・捜査一課刑事という関係性で再会する。惹かれ合っている2人が、疑惑を持たれる側と追求する側として対峙するという設定の時点で、すでにドラマチックではあるが、松下の心の声を出し入れする絶妙なさじ加減で、2人の関係はより深みを増していく。

東京で出会った当初、ある思惑から梨央は大輝と他人のふりをしたため、大輝も過去の梨央への思いに大きなブレーキをかける。しかし少しずつ距離を縮めていくうちに、昔と変わらぬ梨央の姿に安堵する大輝。一方で、刑事として梨央を全面的に信じてはいけないという思いも強い。