日本国内での新型コロナウイルスの拡大は小康状態。東京駅などターミナルでキャリーバッグを持つ旅行者らしき人も見かけます。そんな中、12月1日より開業した「FAV HOTEL ISE」から招待状が編集部宛に届いたのがきっかけでした。
メジャーな観光地から少し離れて立地し、人が密集しない「NO密」で仲間たちと「濃密」な時間を過ごせる「ノーミツステイ」がコンセプトとなる同ホテルは、仲間などいない「ぼっち」が基本の筆者とは縁のない存在。
ところが、編集長の「リア充の世界を少し体験すれば?」という一言から、伊勢市を旅することになったのです。
伊勢市駅より適度な距離に立地
関西出身の筆者、伊勢を訪れるのは小学校の修学旅行以来。情けないことに、名物の「赤福」くらいしか記憶がありません。
「久々のお伊勢参りだわ~」と緊張感のない状態でホテルを目指すと、伊勢市駅から歩いて7分程度と「ほどほどの場所」がホテルでした。分かりやすい目印として、豊受大神宮別宮「月夜見宮」の隣で、さらに須原大社も隣にありますよ。
伊勢神宮は125社の神社から成り立つため、市内にやたら神社が! さすが最高位の神「天照大御神」が鎮まる土地ならではですかねー(雑。
チェックインは端末で
ホテルの特長は立地だけではありません。例えばチェックインですが、15時以降に好きなタイミングで自動チェックイン機を通すことで「人との接触」を減らす仕組みになっています。
この時、部屋のカギを開錠する暗証番号が印字された紙が出力されるのですが、チェックアウト時はそれをフロントの返却ボックスに投入します。つまり物理的なカギが存在しないので、感染症対策の一環となるのです。
また22時~翌朝7時まではフロントスタッフが不在となり、深夜に外出する場合もこのパスワードを使って自分でホテル入り口の扉を開ける仕組みとなっています。
部屋のタイプですが、二段ベッドが特徴的な「エグゼクティブバンク」(2万円/1室)、女子会で重宝しそうな「フォーベッド」(2万円/1室)や、畳が心地よさげな「ジャパニーズモダン」(1万8,000円/1室)含め5タイプが用意されています。
※価格は時期によって変動します
また各部屋に共通するのが設置されたタブレット端末で、これを使って電話や呼び出しなどを行います。そのため電話機自体が部屋にはないのです。
また、先ほど22時以降はフロントスタッフがいないと説明しましたが、何か緊急で連絡が必要な場合は端末を通して地元のホテル運営会社の担当に連絡できます。こちらが24時間対応してくれるので、安心ですね。
FAV HOTELの特長
FAV HOTELを企画する霞ヶ関キャピタルの金子玲菜さんに、本ホテルの特長をもう少し聞いてみました。
――本ホテルの特色は何でしょうか。
金子さん: 実は「家族で宿泊できるホテル」は選択肢が多くなく、二部屋を借りて「コネクティングルーム」として使ったり、部屋は広いけれどデザイン性が劣る部屋だったり、もしくは室料が非常に高かったり、などが一般的でした。そこを解消するのがFAV HOTELです。
大人数で、リーズナブルな価格で宿泊できる、旅行がしやすいホテルを目指していると説明します。また、当初はインバウンドを想定していたので、備え付けのキッチンや電子レンジ、調理器具、洗濯機を用意して長期滞在でも問題ない仕様に整えたそうです。
なお「FAV HOTEL ISE」はスペースの問題から、洗濯機は共用のものが1階に用意されています。
――コロナ禍でインバウンド需要は減っていますが、今はどんな利用が多いのでしょう。
金子さん: 今多いのは家族旅行ですね。帰省したけれど、祖父母の家には宿泊できない方が近場のホテルとして利用されるケースです。ホテルの中で楽しんでもらうフルサービス型ではなく、拠点として活用し、さまざまな場所に出かけてもらうのがコンセプトなので、観光の中心市にない立地を生かした、その土地ならではのディープな場所を見つけて楽しんでほしいです。
ぼっち慣れのオジサンも楽しめた
筆者が今回泊まったのは、リア充向け? といえるエグゼクティブバンクです。使いそうにない二段ベッドがめちゃめちゃ存在感ありますが、ぼっち慣れする筆者は居心地のよい下段のベッドでひっそりと過ごします。
すべての部屋の照明は押さえ気味で、ゆったりできる雰囲気。無駄に広いのはアレですが、落ち着きますねー。
仕事そっちのけで、くつろぎましょう。お供は近所のコンビニで買った玉子サンドと、ホテルが1日3組限定で販売する「MY FAV ISEプラン」に含まれた伊勢ビールとつまみ等で旅を満喫です。
翌朝は近所を少し散歩して、伊勢市内の古い家々や路地、商店街を巡れて昭和のオジサンは大満足!
たしかに部屋の「リア充」スペックは持て余しましたが、観光地から少し離れた場所を拠点にできるのはよいなーと思います。
家族旅行や自分だけの旅を楽しむ時、宿泊先の一つとしてアリではないでしょうか。