大人も子どもも一度は読んだことがあるであろう絵本『はらぺこあおむし』。その作者、エリック・カールの世界観をテーマにした日本初のインドアプレイグラウンド施設「PLAY! PARK ERIC CARLE」が12日オープンした。

"ただの子どもの遊び場でしょ?"とあなどることなかれ、国内屈指のアーティストが、装飾やさまざまな仕掛けを手掛け、本格的なアートにも触れられる場となっている。施設内では、小川珈琲やLUPICIAの紅茶などがフリーで楽しめるなど、子どもが遊ぶ様子を見ながら、親も癒やしの時間を過ごせること間違いなしの注目スポットなのだ。

エリック・カールが愛した動物や虫たちに出会える

  • エリック・カールの絵本の世界にようこそ!

エリック・カールのアートや言葉があしらわれた9つのブースを行き来して、遊びの中から学びを得ることができる同施設。ここでは、靴を脱いだ瞬間から"ワクワク"を想起する仕掛けが用意されている。

  • 館内にある9つのブース

受付を終えた後、下駄箱の隣には3つの扉があり、好きな扉を開けると目の前には緑の壁が……なんと施設に入って最初のブースが"迷路"になっていた。

  • 扉を開くと……

  • 目の前には迷路が

「この施設には、どこにも注意書きがないんです。ここで遊ぶことで、自ら考えて自ら遊ぶ力が総合的に身についていきます」(担当者)

との言葉を体現したような仕掛けだろう。迷路にも、エリック・カールの絵本の世界に登場する動物や虫たちがあしらわれており、子どもと一緒に探しながら迷路を進むのも楽しそうだ。

  • 早速かわいらしい動物や虫たちに出会える

迷路を抜けると見えてくるのが「ディスカバリーゾーン」。自然や生き物に触れ、作品作りを行っていたエリック・カールの理念に基づき、子どもたちが大好きな虫や動物に出会い、発見する場所となっている。

  • 触れる動物のオブジェや標本が展示されている

絵本に出てくる動物や虫のオブジェの中には、服飾レーベル「keisuke kanda」を主宰している神田恵介さんが制作した「あおむし」も。刺繍を立体物にしたという珍しい作品だ。ここでは本物の虫の標本も展示されており、隣接されているアトリエでの創作にインスピレーションを与えてくれる。

  • 神田恵介さんが制作した「あおむし」

ディスカバリーゾーンで創作のヒントをもらったら、早速アトリエでワークショップを体験しよう。オープン時は、エリック・カールの絵本作りにならって世界で1枚しかない色紙を作りる「Let's! PLAY! PAPER!」、用意してある破材を使ってオリジナルの生き物を作りり標本箱に入れて飾る「標本箱のたからもの」の2つのワークショップをいつでも楽しむことができる。

  • 専門知識を持ったスタッフがレクチャーしてくれる

  • 世界で1枚しかない色紙をさまざまな道具で色を塗り作る「Let's! PLAY! PAPER!」

絵本の世界で思いっきり体を動かす体験も

思う存分創作を楽しんだら、次は体を動かそう。「アスレチック」ブースの特徴は、"自然の中で遊んでいるときの子どもたちのあらゆる動き"を再現し、自然と同じような遊びが可能となっていること。屋内施設ながら、「よじ登る」「飛び降りる」「ぶら下がる」「滑る」などの遊び要素を持つスウェーデンのメーカーHAGS社の遊具が10種類も設置されている。

  • 白木を基調とした遊具で、まるで外にいるかのように体を動かせる

筆者も実際によじ登ったり滑ったりして遊んでみたが、大人でもけっこう負荷がかかる本格的なアスレチックだ。子どもであれば、遊び終わったころにはくったくたになるのではないだろうか。ちなみに遊具内では、絵本『たんじょうびのふしぎなてがみ』の物語をたどるような仕掛けも施されているので探してみては?

  • "てがみ"をヒントにアスレチックを楽しむのも◎

さらに「アスレチック」の隣には、絵本『パパ、お月さまとって!』に登場するまん丸お月さまの展示も。はしごを使ってお月さまの中に入ると夜空の風景が広がっており、ほっと心が落ちつく空間となっている。

  • はしごを登ってまん丸お月さまの中に入ってみよう

おもちゃでじっくり遊んだ後は、ひとやすみも

そして最後は、ボールを入れて遊ぶ巨大な装置「ループ・ゴールドバーグ・マシーン」や、オートマタ制作の第一人者・原田和明氏が手掛けた触って遊べるからくり人形・ゲームが設置されている「オートマタ&ザ・ループ」ブースでじっくりおもちゃを楽しむことも。

  • 「オートマタ&ザ・ループ」ブース

  • あおむしがいろんなものを食べていくと、さなぎから蝶になる楽しい仕掛けも

遊具や授乳室・おむつ代・ウォーターサーバーが完備されている2歳未満児限定の「ベビーエリア」、丸いソファに座って好きなドリンクを楽しめる「ドリンクバー」「ひとやすみスペース」で休憩を取りながら施設を回ってみてほしい。

  • ベビーエリア

  • ドリンクバー

  • ひとやすみスペース

現在、同施設が入っている「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」のガレリアには、『はらぺこあおむし』の装飾が施されたクリスマスツリーも登場しているほか、センター内全域に絵本の中に出てくるキャラクターのオブジェが設置されている。関連するワークショップや体験イベントも開催予定だ。

  • 「はらぺこあおむしとクリスマスツリー」

同施設の入場は2時間制だが、オリジナル商品のほか、生き物や知育玩具をセレクトしたショップ「Hungry Market」は入場料金不要で楽しめる。

  • 「Hungry Market」

今年のクリスマスシーズンは、ぜひショッピングエリアも回りながら、1日を通してエリック・カールの世界観を味わってみてはいかがだろうか。

PLAY! PARK ERIC CARLE
場所: 二子玉川ライズ・ショッピングセンター タウンフロント 8階
営業時間: 10時~20時
第一部: 10時30分~12時30分
第一部: 13時30分~15時30分
第一部: 16時30分~20時
各回2時間の入替制、第3部は営業終了時間まで楽しめる。
料金: 初回2,500円(大人・子ども共通料金、オリジナルタンブラー付き)、2回目以降2,000円
※入場は事前予約制、生後1歳未満は無料