東京国立博物館 平成館で10月16日から、挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展「はにわ」が開催されます。「埴輪 挂甲の武人(けいこうのぶじん)」が国宝に指定されて50周年を迎える記念の年に、東北から九州にいたる全国各地から、約120件の選りすぐりの至宝が空前の規模で集結。特に「挂甲の武人」5体が勢揃いするのは史上初となります。

  • 埴輪の造形美の極致、国宝「埴輪 挂甲の武人」と兄弟計5体が史上初集結、国宝オンリーで構成する展示…空前規模の「はにわ展」が開催される

特別展「はにわ」のみどころは?

埴輪の造形美の極致とされ、郵便切手のモチーフにもなった国宝「埴輪 挂甲の武人」。実はこの埴輪には、同一工房で製作されたと考えられる、兄弟のようによく似た埴輪が4体います。同展では、アメリカ・シアトル美術館から約60年ぶりの里帰りとなる1体をはじめ、ふだんは国内外の別々の博物館や美術館に所蔵されている「挂甲の武人」たち5体が、史上初めて勢揃い。

ちなみに「埴輪 挂甲の武人」には、表面に色が塗られていた痕跡が各所に残っており、解体修理をした際の詳細な観察と分析によって、白・赤・灰の3色が全体に塗り分けられていたことが判明。同展では実物大で彩色復元を行った、製作当時の鮮やかな姿の「挂甲の武人」(復元)も登場します。

  • 【写真】古代男性の髪型「みづら」を再現したカチューシャをつけて登場した同館 学芸研究部 考古室主任研究員の河野さん

    古代男性の髪型「みづら」を再現したカチューシャをつけて記者発表会に登場した、同館 学芸研究部 考古室主任研究員の河野正訓さん(中央)

また、古墳から出土した“国宝オンリー”で古墳時代の移り変わりを解説する贅沢な展示をはじめ、表現が簡略化された“ゆるさ”が特徴的な「埴輪 踊る人々」は、3月末に修理が完了してから初のお披露目となります。大きさや量、技術で他を圧倒する、ヤマト王権を統治していた大王のスケールの大きな埴輪も登場。さらに粘土ではなく石で作られた埴輪や、棺桶のために特別に作られた埴輪、複数の人物や動物などを組み合わせて“埴輪劇場”とも呼ぶべき物語を表現する埴輪群像など、これでもか! というほどの圧倒的な規模で“埴輪の魅力”を紹介。

東博で約半世紀ぶりとなる埴輪展、特別展「はにわ」は、10月16日から12月8日まで、東京国立博物館 平成館で開催されます。