「ネーミングセンス!」とネット上で話題を呼ぶお酒が、天領酒蔵から発売された「ゲロのどぶろく」。「その名前で本当にいいのかい?」とこちらが尋ねたくなるが、若い人たちの手に取ってもらうきっかけとなればと、名づけたそうだ。

  • オレンジのラベルが印象的な「ゲロのどぶ」(524円)

決して間違ってつけられた名前じゃないと分かったが、果たしてどんなお酒なのか……。そんな飲むのに少し勇気がいるお酒の紹介はもちろん、実際に試してみたので正直な感想を伝えていきたい。

「ゲロのどぶろく」はそもそもどんなお酒?

そもそも名前が強烈すぎて、イメージがしづらいこの商品は何なのかをまずは説明しよう。

「ゲロのどぶ」(524円)は、岐阜県下呂市にある創業340年を超える天領酒造から10月26日に発売された"どぶろく"という種類の日本酒だ。バテ防止にも効果があると言われる栄養満点のどぶろくは、米・米麹・水のみを発酵させて、もろみをこさず絞らずに作られるお酒。米の旨味を存分に味わえるのが特徴でもある。

  • 天領酒蔵が販売する「ゲロのどぶ」(524円)

下呂温泉に訪れる若い人に、ぜひ地酒を飲む楽しさを知ってほしいとの想いがあって誕生した。名前は下呂温泉の銘菓「下呂の香り」や「下呂牛乳」などを参考にして名付けられた。

普通であれば商品名としてこれでいいのか悩むものの、天領酒蔵いわく「ゲロのどぶ」一拓しかなかったそう。わずかな迷いとして唯一あったのが、「ゲロ」にするか「下呂」にするかだったというから笑ってしまう。

ただ、そのネーミングを覆せる旨さに自信があったからこそ造られたお酒でもあるはず。ということで早速、その自信作をいただいてみようと思う。

果たしてその味は……?

もろみの粒が粗く、綺麗な白濁色をしたお酒はふたを開けると、華やかで優しい香りが鼻をくすぐる。ドキドキしながら一口飲んでみると……。

  • 綺麗な白濁色、華やかな香りでネーミングとのギャップを感じる

口当たりはやわらかくまろやかで、そのあとに広がるどぶろくらしい米の甘みとコクがたまらない。また、ほのかに感じる酸味が飲みやすさを演出してくれる。一般的な日本酒よりも度数は低めの9%とあって、ついついお酒が進んでしまうので要注意。

プレスリリースには「絶対に発音だけで判断しないでね!!」とあるが、まさにその通り。名前からは想像できないほど、優しくコクのある味わいに驚かされた。普段日本酒をあまり飲まない人にも、おすすめだ。ちなみに、米麹由来のビタミン成分が豊富にあるのも嬉しいポイント。

さらに、下呂温泉を訪れた人には「Myゲロのどぶ」を造ることができる体験プランも用意しているそう。興味を持った人はぜひ、参加してみてほしい。(詳細はウェブでチェックを)

創業340年と長い歴史を築く天領酒造だが、若い人の心をつかむため一風変わった新しい挑戦をしていたようだ。そして、今回アラサー筆者のように「ゲロのどぶ」を手にとる人間がいるたのだから、その挑戦は成功といえるだろう。

ぜひ、これを機に「ゲロのどぶ」に"どぶ"りとつかってみてはいかがだろうか。