近畿日本鉄道は6日、名阪特急「ひのとり」(80000系)の2021年ブルーリボン賞受賞式を大阪上本町駅で開催した。記念ロゴマークを掲出した「ひのとり」もお披露目され、この日は鉄道友の会による貸切列車として運行された。

  • 「ひのとり」の車体にブルーリボン賞受賞の記念ロゴマークが掲出された

「ひのとり」は2020年3月にデビュー。「くつろぎのアップグレード」をコンセプトに、日本で初めて全席にバックシェルを設置するなど、利用者の快適性を追求した車両となっている。2021年11月現在、大阪難波駅・近鉄名古屋駅を毎時0分に発車する名阪特急を中心に活躍するほか、大阪難波~近鉄奈良間の一部特急列車にも使用されている。

今回、「ひのとり」が受賞したブルーリボン賞は、1958(昭和33)年に鉄道友の会によって制定された。ブルーリボン賞・ローレル賞選考委員会が選んだ候補車両に対する会員の投票結果にもとづき、選考委員会が最優秀と認めた車両をブルーリボン賞に選定する。近鉄特急のブルーリボン賞受賞は、2014(平成26)年の観光特急「しまかぜ」以来となる。

受賞式では、鉄道友の会会長である須田寛氏が祝辞を述べた。「近鉄沿線で『ひのとり』を遠くから写真を撮っている人が大勢いました。つまり、『ひのとり』は沿線の景色・景観に新しい魅力を添え、景観の保全・改善に大きな効果を持っている車両だと感じます」と須田会長。「ひのとり」を高く評価した。

  • ブルーリボン賞受賞式は大阪上本町駅のコンコースで開催。鉄道友の会会長の須田寛氏らの挨拶に続き、記念盾ならびに表彰状の授与、記念のくす玉開披が行われた

続いて選考委員長である加藤幸弘氏が登壇し、会員による投票結果を紹介。「ひのとり」が支持率59.3%だったことを明らかにし、「かなり高い支持率」と評した。記念盾ならびに表彰状授与の後、近畿日本鉄道代表取締役社長の都司尚氏が謝辞を述べ、「ひのとり」について「全席にバックシェルを設けるといったところが評価されたのではないか」とコメントした。

11時52分、大阪上本町駅地上9番ホームに、ブルーリボン賞の記念ロゴマークを掲出した「ひのとり」が入線。外観においては、車体前面・側面にそれぞれ水色で「BLUE RIBBON PRIZE 2021」と記されている。車内にはブルーリボン賞のプレートが、2020年度グッドデザイン賞のプレートとともに誇らしげに飾られてあった。

  • 「ひのとり」の車体前面・側面に記念ロゴマークが掲出された

  • 車内には2020年度グッドデザイン賞のプレートとともにブルーリボン賞のプレートが飾られた

  • 記念ロゴマークなどの装飾を施した「ひのとり」1編成が鉄道友の会の貸切列車に使用され、車体側面の表示器や車内の案内表示器にもブルーリボン賞のロゴマークなどが見られた。鉄道友の会会員を乗せた貸切列車は12時25分、大阪上本町駅を出発した

ブルーリボン賞の装飾を施した「ひのとり」は2編成とのこと。大阪上本町駅でお披露目された編成はこの日、鉄道友の会による貸切列車となり、同駅を12時25分に出発。都司社長をはじめとする近鉄社員に見守られつつ、大阪上本町駅を後にした。

近鉄では、「ひのとり」のブルーリボン賞受賞を受け、記念乗車券と記念グッズの販売を行う。記念乗車券は発駅から1,000円区間の片道乗車券2枚がセットとなり、2022年3月31日まで販売される。記念グッズはスポーツタオル、ピンバッジセット、メタルキーホルダーとクリアファイルを用意。どちらも売り切れ次第、終了するとのことだった。