BSフジのドキュメンタリー枠『サンデードキュメンタリー』では、ヤミ米を販売して国に自らを告発するよう求めた農業人を追った『国に抗った男~ヤミ米屋 川崎磯信~』(富山テレビ、2020年8月放送)を24日(13:00~)に放送する。

  • 川崎磯信さん=富山テレビ提供

今から約30年前、コメの販売で公然と法律を違反し、「オラを告発しろ!」と自らを告発するよう国に求めた富山市の農業人・川崎磯信さん。番組では彼の足跡を振り返り、なぜ国に抗うことになったのか、その思いをまとめた。

1990年代、コメの流通は全て国が管理するという制度が戦時中から続いていた。しかし、川崎さんは農協などを通した国が認める正規ルートではなく、自分で作ったコメや農家から買ったコメを直接消費者に届けた。当時、国の流通ルートを通さないコメは法律違反の販売方法で、「ヤミ米」と呼ばれていた。ところが、公然と「ヤミ米」を売っていた川崎さんのところには、国が認めた正規業者からもコメが流れてくるようになる。

川崎さんは、制度が形骸化しているとして、自らの告発を求め、裁判という公の場で、ずさんなコメ行政の実態を明らかにするという行動に出た。その後、川崎さんの裁判が行われている最中に、制度の廃止が決まった。

戦後の食糧難の時代から全身全霊でコメ作りをしていた1人の農業者が国に不信感を抱き、ついには抗うことになった背景を追う…。