俳優の船越英一郎が主演を務めるテレビ朝日系スペシャルドラマ『家栽の人』第2弾が、29日(20:00~)に放送されることが決定した。

  • 左から船越英一郎、観月ありさ=テレビ朝日提供

原作は、1987年から1996年まで約9年間小学館『ビッグコミックオリジナル』で連載された同名漫画(作・毛利甚八/画・魚戸おさむ)。スペシャルドラマ第1弾は2020年5月に放送された。主人公・桑田義雄は、人間を愛し、植物を慈しむ変わり者の家庭裁判所判事。“家事審判”では関係のこじれてしまった家族や夫婦に「かつての自分たちを思い出すことの大切さ」を語り、“少年審判”では「どうすれば少年が立ち直るのか」を真摯に考え、彼らを見守り、育てようとする。桑田判事が言葉を発しない草花たちに家族の姿を重ね合わせ「枯れたように見える植物も、根がしっかりとしていれば生き返る」という信念で傷ついた人々にやさしく手を差し伸べていく物語だ。

今回は、離婚調停に臨む妻・宇田川杏奈役で観月ありさが特別出演。観月は脚本を手がけた両沢和幸氏と『ナースのお仕事』シリーズなどでタッグを組んだ間柄。そのほか『ドラゴン桜』(TBS)で好演を見せた早霧せいな、『相棒season19』(テレビ朝日)にも出演した新鋭・水沢林太郎、大ベテラン・丘みつ子らがゲストとして出演し、前作で家庭裁判所のメンバーを演じた足立梨花、堀井新太、山中崇、佐藤仁美、森下能幸、角野卓造らも引き続き登板する。

船越、観月のコメントは以下の通り。

■船越英一郎

――第2弾のオファーを受けたときのお気持ちを教えてください。

素直にうれしかったですね。前作のオンエアは緊急事態宣言の真っ最中でしたが、困難な時期だからこそ原作が持つ普遍性がもう一度見つめ直された気がしています。図らずもコロナ禍が長引く中、もう一度この作品をお届けできることになりましたが、今を生きる人たちに何が必要なのか、ともに実感していただけるような作品です。“眺める”ドラマではなく、みなさんが“参加”していただけるようなドラマになればという思いです。

――船越さんが思う、桑田判事の魅力とは?

『家栽の人』の“栽”は、栽培の“栽”です。人間を栽培する……なんておかしな話ですが、やっぱり人間の心の中には“善”の部分がたくさんあるはず。その“善”のタネを植えて育てていくことを、桑田判事は生きがいにしていると思うんです。

彼がすごいのは“寄り添う”ことを、自らに課しているところ。第2作で桑田判事が向き合うのは、娘の親権を争う夫婦であったり、傷害事件を起こした少年であったり、不安を抱える高齢女性であったりしますが、桑田判事はその人たちに対して幸せになるための“お手伝い”をします。ヒントは出すけど、答えは言わない……。その寄り添い方は一貫していて、家庭裁判所の仲間たちにも同じ接し方をするんです。僕はそんな桑田判事が、ものすごく素敵だなと思うんですよね。

今、みんながみんな、辛さを抱えて生きている時代……。そんなとき、いちばん必要なのは、寄り添って、それぞれが育てなければいけないタネをポンッと心に植えてくれる人ではないでしょうか。その理想像である桑田判事をきちんと体現していくのが、僕の責務だと思っています。

――観月ありささんと初共演を果たした感想は?

観月さんは、本当に素晴らしい女優さんです。今回は毎日、観月さんにお会いするのが楽しみで、それをモチベーションに撮影を頑張りました(笑)。観月さんはもちろん、スタッフさんたちも僕自身も、準備を重ねて一生懸命撮影したので、このドラマが植えた“やさしいタネ”が、みなさんの心から小さな芽を出したらうれしいですね。

――視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。

原作の連載が終わって25年が経ちますが、『家栽の人』はいまだに色褪せることなくみなさんの記憶にしっかり残っている名作。僕は連載中から大ファンで、この原作と出会っていなければ、自分の人生もまた違っていたのではないかと思うほど大好きなんです。桑田判事を演じさせていただくことは、役者としての念願でした。このドラマをきっかけにもう一度、みなさんが原作に興味を持ってくださったらうれしいです。

また、桑田判事はまるで樹木が酸素を作り出すかのように、「見失ったものを思い出しませんか」と包み込むように問いかけていきます。みなさんが少しでも“忘れてしまった何か”に気づくような作品になったら幸せです。

■観月ありさ

――脚本を読んだ感想を教えてください。

脚本家の両沢和幸先生とはお付き合いも長いのですが、両沢さんが書かれたドラマにはあたたかいものが多いんです。そういった両沢さんならではの“ほっこり感”があると同時に、今の時代にそっと問いかけるようなストーリー。働く女性にもやさしい眼差しを注ぐドラマだと思います。私の心にもスッと入ってきました。

――脚本を手がけた両沢和幸さんと本作についてお話されたことは?

両沢先生からは、杏奈のモデルがアメリカ版『ヴォーグ』誌の編集長、アナ・ウィンターであるとうかがいました。先生は「ありちゃん(=観月ありさ)には、アナみたいにシャキシャキした感じの女性像を演じてほしい」とおっしゃられ、彼女のドキュメンタリー映像も見せていただきました。歩きながら1問1答で言葉を発していくような彼女のイメージを参考にさせてもらいました。

――同じ女性として杏奈のことはどのように感じていますか?

キャリア志向で強い女性ですが、彼女が出世して収入も増え、家庭のバランスが崩れてしまったんですよね。でも、バリバリ仕事に取り組みながら、母親として子育てもこなすのは、なかなか難しいことだと思います。また、彼女は子どもに対して愛情は持っているのですが、離れて暮らした期間が長いので、子どものことがわかっているつもりでわかっていないんです。そんな、強いけど切なさも抱える杏奈をうまく表現できればと思いながら演じました。

彼女のように、“自分は良かれと思ってやっているけど子どもにとってはありがたくない”という現象は、どんな家庭でも起きると思うんですよね。子育て中のみなさんが杏奈を見て、子どもとの関係をちょっと見直せるような物語になっているのではないかと思います。

――船越英一郎さん初共演を果たした感想は?

杏奈は会った早々「邪魔よ!」と桑田判事を押しのけるなど何かとキツイセリフが多い上に、態度にもふてぶてしいところがあって、船越さんとは初共演なのになんだか申し訳なかったです(笑)。

船越さんは役柄どおり“癒し系”で、やさしさがにじみ出ている方。常に現場のムードを明るくしてくださるので、日々、温かさに包まれるような感覚で現場に臨むことができました。私はすっかり、桑田判事と船越さんを重ね合わせていました。

――視聴者のみなさまにメッセージをお願いいたします。

みなさん、大なり小なり、家族間での悩みごとを持っていると思います。この作品をご覧になって、また小さなところからコツコツ関係性を育てていこうかなと、少しでも思っていただけたら役者冥利に尽きるなと思っています。