これは、ものすごい弁当を作ったものだ……。そう感嘆せずにはいられないテイクアウトメニューを、ハンバーグ&ステーキレストランチェーン「ビッグボーイ」が新たに用意した。

今回、筆者が食べたのは新メニューである「4種のガーリックハンバーグ弁当」と「おろしポン酢ハンバーグ弁当」だが、これはぜひ、すべてのハンバーグ好き、そしてすべてのニンニク好きのみんなに食べてみてほしい。特に前者は飛ぶぞ。

「4種のガーリックハンバーグ弁当」のパンチ力で“飛ぶ”

ビッグボーイの「手ごねハンバーグ弁当」と「直火焼きグリルチキン弁当」は、もともとボリューム満点なのにワンコインで楽しめることで評判だった。本場のアメリカンハンバーグが500円で味わえるなんて、なんとも凄まじいサービス精神である。

そしてこの9月から新たに、「おろしポン酢」と「ガーリック」の2種類がトッピングできるようになったらしい。ポン酢はプラス100円で、ガーリックのほうはプラス150円で追加可能。高くても650円だと考えれば、やはり財布に嬉しいプライスだ。これは試すしかない!

ということで、まずはガーリックのほうを購入。正式名称は「4種のガーリックハンバーグ弁当」(650円)というらしい。

ではさっそく、オープン!!

おお~、これは……!

大きなハンバーグを覆い隠すよう、何重にも積み上げられたニンニクの山……その量たるや、完全にガチやんけ! でも、野菜も結構しっかりと入っているし、炭水化物もライス、パスタの二刀流ときた。ファンを喜ばせる術をしっかりとわきまえているようだ。

もはや写真からも漂っていると思うが、ニンニクの香りがとにかく凄い。持ち帰りの際の車内も完全にガーリック・スメルで充満したし、その香りが前代未聞といえるほど食欲を刺激してきたのである。

さぁ、今こそピークに達した食欲を解放するとき。いざ、食さん!

……う、う、う……うっっっっっっまーーーーーい!!!! ニンニクのパワーが想像以上に凄い!! 肉そのものも肉肉しくて濃厚な味わいなのだが、そこに4種類のニンニクが多重奏となって覆いかぶさり、もはや凶器ともいえるほどのパンチ力を放っている。美味い!! ニンニク好きなら興奮せずにはいられない。ヤバい、これは飛ぶぞ。

そもそもニンニクの量が半端ではない。そのハンバーグとガーリックのバランス比は、寿司で言うところのシャリとネタのそれである。

仮にラーメン屋で「ニンニク増し増し」とオーダーしても、ラーメン全体でみれば、ニンニクが占める割合は、多くても丼の20分の1とかではなかろうか? 「4種のガーリックハンバーグ弁当」はハンバーグとニンニクの割合が……2:1である(※個人の感想です)。そりゃあ“効く”わけだ。

さて、ここで「4種のガーリック」を構成するメンバーを紹介しよう。

まずはベーシックな粒タイプのガーリック。いずれも2~3等分にカットされているようだが、ひとつひとつが大きく、食感は新鮮で焼き立ての芋のようにホクホクで美味。

こちらはチップ状のフライドガーリック。揚げられているのでひときわ香ばしさを放っており、パリパリ食感がいいアクセントとなっている。まるでコーンフレークかのようにドサッとかけられており、量的には一番多いと思われる。

そしてニンニクの芽。別名・茎ニンニクとも呼ばれる野菜で、ニンニクが花を付けるために伸ばす花茎の部分である。ほどよい水気と甘味が感じられ、当然ニンニク並の強い香りも兼ね備えている。う~ん、心地いいシャキシャキ食感が癖になる。

最後のひとつが……

ガーリックバターだ。このニンニクの芽に付いている緑色っぽいのがそれである。これがもう、ハッキリ言って美味しすぎる。やはりバターなので、その味わいは濃厚でまろやか。塩味もほどよく効いている。同時に、ニンニクの風味も強烈。このガーリックバターが溶けて、全体に行き渡ったとき、ガーリック四重奏はフィナーレを迎えるのだ。

おかげさまでライスがすごい勢いでなくなっていくが、ここでひとまずパスタを挟んで落ち着こう。ズズズッ。

お前もガーリックなんかーーーーい!!!!

っていうかウマッ!! あっ、これ、今気付いたけど、夏のサラダバーで期間限定で出ている「ズッキーニのペペロンパスタ」だ!! 以前、あまりの美味さにビックリしたのを思い出した。ガーリックが強烈に効いていて、同時に、かなり攻めた唐辛子の辛味も味わえる、グランドメニュー化を全力で希望する逸品である。これが弁当に入っているなんて、幸運としかいいようがない。

付け合せにはオクラやパプリカ、トマトなどの緑黄色野菜も豊富で、栄養面も考慮されていることがわかる。

「おろしポン酢ハンバーグ弁当」は付け合せの野菜まで美味くなる!

ニンニク好きにとって、「4種のガーリックハンバーグ弁当」は確実にツボに入る名作である。逆に言えば、ニンニクが苦手な人には少しパンチが効きすぎているかもしれない。もちろん、会議や面会前に食べるのも控えたほうがいいだろう(だからこそ、その振り切った構成に強く好感を持てるのだが)。

ということで、もう一方の「おろしポン酢ハンバーグ弁当」(600円)もご案内しよう。

見てほしい、この惜しげなくこんもりと乗せられた大根おろしを。

「4種のガーリックハンバーグ弁当」でも感じたことだが、「トッピング料金を取るからには、しっかりと値段相応のトッピングをします」という心意気が伝わってくるようではないか。

こちらは「4種のガーリック」と比べ、ハンバーグの旨みがもっとシンプルに、ダイレクトに感じることができる。あー、やっぱりビッグボーイのハンバーグって美味いんだなぁ。瑞々しい大根おろしは濃厚なハンバーグと見事にマッチ。爽やかに、サッパリと食べることができる。

ちなみに、付け合せのポテトやキャベツにまでポン酢の味が染みていて、これがまたとっても美味である。

ハンバーグ弁当をワンコインで楽しめるのは実に魅力的だが、「4種のガーリックハンバーグ弁当」と「おろしポン酢ハンバーグ弁当」には、もう100~150円出す価値が確かにあった。特にガーリックのほうは、ニンニク界に激震を起すでろう大型ルーキーである。今後の展開も注視したい。