埼玉県を中心に展開するうどんチェーン「久兵衛屋」。ワシワシと噛みごたえのあるうどんと、具材たっぷりのつけ汁が絶品の郷土料理「武蔵野うどん」を提供とする久兵衛屋だが、実はここ、テイクアウトメニューも充実しているらしい。

これまで何度も久兵衛屋に通っては、王道メニューの「武蔵野うどん」を食してみたり、夏場には季節限定メニューにチャレンジしたり、気になるメニューを食べ尽くしてきた筆者だが、不覚ながらテイクアウトは試していなかった。だって、うどん伸びちゃいそうだし……と思っていたら、うどん以外のメニューもえらくバラエティに富んでいるではないか!

先日、ついにテイクアウトを試す機会が訪れたのだが、結論を言うと、これは外でお酒が飲めない今こそ利用を強く推奨したい。それではさっそく、家を居酒屋にしてくれる魅惑のラインナップをご紹介しよう。

魅惑的なテイクアウトメニューの数々

現在、コロナ禍に伴う緊急事態宣言の影響で、全国の都市部ではお酒の提供を自粛している飲食店が多い。もう自粛生活も随分長いこと続いているし、そろそろ居酒屋で味の濃いおつまみとビールでパーッとやりたいところだが……今は我慢のしどころ。

「せめて自宅で居酒屋気分を楽しむ方法がもっと増えればいいのに」と思っていた矢先に見つけたのが、久兵衛屋のテイクアウトメニューだ。

久兵衛屋はうどんも美味いが、天ぷらも美味い。それくらいの知識はあったので、この日は思い切って、夕食のおかずを久兵衛屋で買って帰ろうと思って寄ってみたのだが、あるわあるわ、魅力的なメニューが。

今回オーダーしたのは、「天ぷら6種盛り(1人前)」「やみつき! 揚げうどん」「牛すじ煮込み」「炭火焼き鳥(4本)」の計4品。出来たてホヤホヤの商品を受け取ってダッシュで帰宅。買ったものを並べてみると……

うーん、容器のままだとイマイチ全容がわかりづらいか。テンションも上がりきらないので、お皿に移すとしよう。やっぱり、こういうのは気分が大事なので。

よいしょっと。

……すごっ。え、こんなに買ったっけ? 天ぷらと牛肉、鶏肉が一度に並ぶなんて、なんて贅沢なんだろう。もはや完全に居酒屋のテーブルである。

自宅が居酒屋に早変わり。さっそく実食!

どれも美味しそうで目移りしてしまうが、まずはそうだな……天ぷらからいただくことにしようか。

持ち帰っている間に少し冷めてしまったので、天ぷらはグリルでサクッと再加熱することに。レンジでチンだとふにゃっとしてしまうが、グリルで加熱すれば表面はパリッと、中はジューシーで、まるで揚げたてのように仕上がるそうだ。

ちなみに、「天ぷら6種盛り」は海老、イカ、オクラ、レンコン、ナス、カボチャの6種で、なんと一人前で421円。驚きの低価格である。

では、ボス格の海老さんから……いただきます!

う~ん、最高! サクッとした歯ごたえにプリッとした身の弾力。しっかりと身が詰まっていて、海老の旨みもちゃんと堪能できる本格派だ。改めてその価格に驚かされる。

そして近所のスーパーで一番美味そうだった、本場チェコのビール「ピルスナーウルケル」をプシュッ。

あー、美味い! 天ぷらの油をビールがすっきりと洗い流してくれる。最高かよ。相変わらず揚げ物とビールの相性は最高だ。久しく外食していないので、忘れかけていたかもしれない。

イカもふっくら肉厚で美味しい。ぶ厚めに切られたナスはトロトロ食感で超ジューシー。序盤からビールが進んで仕方がない。よし、この勢いのまま焼き鳥もいっておこう。

しかし、このボリュームよ。一本一本がちゃんと大きく、値段も594円と、「天ぷら6種盛り」より値段は上。しかし、この量なら妥当だろう。ひとりならせいぜい2本で十分そうだ。

焼き鳥は柔らかくて、こちらもとても脂が乗っていて美味! 噛むほどにジューシーで、ひと粒あたりが大きいからかなり食べごたえもある。付け合せの柚子胡椒がまた肉によく合うし、これがまたビールによく合う。いや、合いすぎる。

ああ、早くもビールがなくなってしまいそうだ……。ここらで「揚げうどん」でも食べて箸休めしよう。ちなみにこちらは205円とこの日最安。今さらだが、そもそも揚げうどんって何だろう? うどんの素揚げ? まぁいいか、いただきます!

なんだこれ、美味い! 初めて食べたけど、えっ、なんだこれ? めちゃくちゃ美味いぞ? 居酒屋などで見かける「パスタスティック」のうどん版と考えればいいのかもしれない。食感はパリパリというか、小気味よくポキッと折れる感じというか、意外と初めて体験する食感かもしれない。

しかも、やみつきになるような味付けになっていて、小休止つもりだったが、むしろこれが一番ビールに合うんじゃないかと思えるほど。いつまでも食べていられるし、これはハマりそうだ。

さぁ、いよいよラストは「牛すじ煮込み」。値段は313円と、これまたボリュームに対して信じがたい低価格。小鉢のようなサイズではなく、ちゃんと夕食でメインを張ってあまりあるほどの量である。居酒屋なら3~4人でつまんで丁度いいのではないか。

それでは、いただきます。

うっま。ちょっとこれは……ビールがケースごと消えてしまうぞ。肉は中までしっかりと味がしみていて、噛めば噛むほど旨みが溢れてくるようだ。面白いことに、いろんな部位が入っているようで、角煮のような噛めば勝手にほぐれていくホロホロ&トロトロのものから、コリコリ食感が楽しい筋張ったものまで、バラエティに富んだ食感が楽しめる。

ああ、これぞ居酒屋メニューって感じだなぁ。思い起こせば、煮込みって店でも真っ先に頼みたいメニューのひとつだったわ。家ではなかなか作る機会もないし、完全に気分は居酒屋である。こういう日本ならではの居酒屋文化って、つくづくいいなぁと改めて思わされる。

コンビニのご飯やスーパーのお惣菜も美味しいが、やっぱり作りたてのテイクアウトメニューは満足度が違う。しかも久兵衛屋のそれはどれもボリューム満点で価格も良心的。

久兵衛屋=うどんを食べる場所というイメージが強いかもしれないが、ぜひ一度、テイクアウトメニューも味わってみてはどうだろう? もちろん、ビールはケース買いしておくことをおすすめする。