NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』(総合 毎週月~土曜8:00~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で、清原果耶演じるヒロイン・モネこと永浦百音の同級生役を演じている前田航基と高田彪我。8月30日から始まる第15週では、久しぶりに百音たち幼なじみ6人が東京で再会し、東日本大震災の日から抱えてきた思いを吐露し合うという重要なシーンが描かれる。前田と高田が、思い出深い気仙沼でのロケを振り返った。

  • 『おかえりモネ』後藤三生役の前田航基(左)と早坂悠人役の高田彪我

同じ屋根の下で東京生活を送っている百音と明日美(恒松祐里)。そこに妹の未知(蒔田彩珠)が上京したあと、突然、同級生の亮(永瀬廉)もやってくる。三生(前田航基)と悠人(高田彪我)もそれを聞き、仙台から東京に駆けつけることで、気仙沼の幼なじみチームが久々に集結する。

1000年も続くお寺の跡取り息子の三生は、朗らかな性格で、6人の中ではムードメーカー的な存在だ。また、公務員の家庭で育った悠人は優しくておっとりした性格で、自身も地元で地域のために働きたいと思っている。

百音たち6人は、中学時代に全員吹奏楽部で、青春を共にした仲間だが、前田は「みんながそれぞれに楽器を練習して、東京で初めて合わせた時は、まだおどおどしていたんですが、その後で気仙沼に行って、地元で吹奏楽をされている方たちと一緒に練習を始めてから、少しずつ仲良くなれたのかなと」と撮影初期を振り返る。

さらに「僕たちは、出演が飛び飛びなので、撮影自体は何か月に1回なんです。でも、久しぶりに三生として、果耶ちゃんをはじめ、永浦家の人々やスタッフさんたちにお会いすると、『おお!三生は今、こんな髪型か!』と話しかけてくださったりして、僕たちを温かく迎え入れてくださる。だからこそ、いつ気仙沼チームとして撮影に行っても、仲良い関係が演じられるという感じでした」と感謝した。

高田は、田中雅功とのフォークデュオ・さくらしめじとしてアーティスト活動もしているからか「僕自身もそうですが、やはり音楽で思いがつながることって、けっこう大きいんじゃないかと思っています。ライブ感というか、吹奏楽部で楽器や楽曲を通して絆が深まったし、役柄だけではなく、前田航基くんと高田彪我という個人としての思いも通じ合った部分があったのではないかと」と音楽の力を大いに感じたようだ。

気仙沼でのロケの印象について、前田は「どこを見渡しても360度原色というか、海の青、空の青、山の緑みたいな感じで、本当に美しいし、心が洗われます。夕方に仕事が終わって、ちょっと外を歩きながら夕日を見ているだけで、今日もいい1日だったと思えて、なんだか励まされるような感覚になれます」としみじみ言う。

「普段、都会のビルに囲まれていると、そんなことはなかなか感じられないですし、そこが自然の素晴らしさかなと。『おかえりモネ』の本編にも出てきますが、気仙沼で『海と生きる』といったキャッチフレーズを目にしたことがありますが、そこをすごく理解できます。もちろん震災でつらい思いをされた方も、いまだに癒えない傷がある方もいらっしゃると思いますが、そこから逃げるのではなく、一緒に歩んでいこうとする強さを持っている。きっと自然の寛大さや厳しさが生活の一部にあって、そういうものに折り合いをつけているし、人も温かいですし、心の余裕みたいなものを感じました」

高田も「気仙沼では、人の温かさをすごく感じられました。僕はけっこう1人でふらりと歩いて、近場でマグロ丼などを食べに行ったりしましたが、そこでもすごく優しく接客してくれたし、お土産屋さんの方も優しい方ばかりです。一度、僕と三生くんとすーちゃん(恒松祐里)の3人でサイクリングに行った時も、『おかえりモネ』という垂れ幕のある建物を見ました。こんな粋なことをしてくれるんだ!さすが気仙沼さんと思いました」と地元の方々の心意気がうれしかったと言う。