大胆不敵な行動力を持ったリリーは、明るく溌剌とした木村のイメージにもぴったりだ。木村は「そう思っていただけたらとてもうれしいです」と微笑みながら、「リリーは、絶対に諦めない女性。ものすごい根性とガッツを持っています。本作の舞台は1916年ですが、当時はまだ女性がズボンをはくのが珍しかったそうです。でもリリーは、人の目を気にせずに『私はズボンが好きだから、ズボンをはくわ』と自分を貫くことができる女性。時代の先を行っている女性ですよね。とてもステキだと思います」と演じた役柄に愛情を傾ける。

さらに「リリーのように、考える前に走り出してしまうところは、私もあるかもしれません」とにっこり。次々と幅広い役柄にチャレンジし、バラエティ番組では体を張った企画にも立ち向かうなど、木村の前進力には驚かされるが、そのパワーの源を聞いてみると「好奇心で生きています」と打ち明ける。

「小さな頃から好奇心が強い方で、年齢を重ねても、好奇心を持つことはいつも大事にしています。探究心があって、“知りたい”と思うことがあるってとてもいいことですよね。バラエティ番組も“出たいな”という気持ちで、そのまま飛び込んでみました。深く考えず、進んでしまうんですよね(笑)。同じ後悔ならば、やらなくて後悔するよりも、やって後悔する方がいいかなとも思っています。やらないで後悔すると、ずっとそれを引きずってしまうはず。人生は一度しかないし、チャンスが巡ってきたのならばやってみる。そういう姿勢を心がけています」と清々しく語る。

夏にぴったりの映画となっている本作について、「大冒険を味わって、その世界に没頭して『楽しい!』という気分になれる映画。私自身、日本版声優という役割をいただいて、そういう映画に携われてすごく幸せです」としみじみ。

コロナ禍において考えをめぐらせることも多かったそうで、「大変な時代に突入し、今は我慢の時期だと思いますが、そんな中、エンタテインメントを通して何ができるんだろうとずっと考えています。私自身、映画や舞台を観たり、音楽を聴いたりすることが大好き。誰かをリラックスさせたり、笑わせたりと、エンタテインメントが何かの力になれることがきっとあるはず。これからもいろいろな作品に全力で取り組んで、誰かの力になれたらとてもうれしいです」と心を込めていた。

映画『ジャングル・クルーズ』は、7月29日より映画館で公開。7月30日にディズニープラス プレミア アクセス公開(プレミア アクセスは追加支払が必要)。

■木村佳乃
1976年4月10日、イギリス・ロンドン生まれ。東京都出身。1996年に『元気をあげる~救命救急医物語』(NHK)でドラマデビュー。映画デビュー作である『失楽園』(1997)で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し、『蝉しぐれ』(2005)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞。近年の主な出演作は、ドラマ『後妻業』(2019)、『アライブ がん専門医のカルテ』、『恋する母たち』(2020)、映画『記憶にございません!』(2020)、『ファーストラヴ』、『騙し絵の牙』(2021)など。『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)などバラエティ番組での活躍も注目されている。