老後2,000万円の資産が必要という提言は大きなニュースになりました。「そこまでの規模の資産を用意できるだろうか……」と不安な人も多いでしょう。

現在30歳の人が60歳を迎えるとき、それだけの規模の資産を用意するには、いくら積立をしていけば良いのでしょうか?今回は30年後に2,000万円の資産を作るのに必要な積立額について調べてみました。

30年間銀行に預ける場合は?

低金利が続いており、銀行預金の金利はネット銀行を除いて原則0.001%です。運用期間30年で2,000万円に到達するには、毎月55,547円の積立が必要です。

収入や家庭の事情にもよりますが、毎月5万5,000円の積立は、かなり厳しいと感じる人も多いのではないでしょうか。

民間給与実態統計調査(令和元年分)によると、30代前半の男女の平均年収は410万円、30代後半では445万円です。80%が手取り額と推測されるため、手取り年収は328万円~356万円程度となります。

手取りの10%を貯金すると毎年貯金できるのは32万円~35万円で、毎月25,000円~30,000円ほどです。毎月5万5,000円とのギャップは大きいと言わざるをえません。

投資信託の場合は?

投資信託のリターンは、年率3%が目安です。この場合、運用期間30年で2,000万円を手にするには、月に34,321円の積立が必要となります。

さきほどの銀行預金の場合と比較すると、毎月の積立額は2万円以上低くできます。節約を頑張れば積立できると思えるのではないでしょうか。

またもう少しリスクを積極的にとって年率5%のリターンとすると、月に24,031円の積立で達成できます。

ファンド選びなど投資信託についての勉強が必要になりますが、少ない元手で資産形成をしたい人はチャレンジする価値はあるでしょう。

つみたてNISAかiDeCoの活用がおすすめ

積立投資でも利益が発生したら課税されます。よって非課税メリットのある制度を利用するのがおすすめです。

つみたてNISAやiDeCoは、運用で発生した利益が非課税となります。利益は再投資に回され、さらに利益を生み出すことが期待できます。

またiDeCoは掛金が所得控除の対象になり、将来受け取る際にも税金が低くなるメリットがあります。60歳まで引き出せないのがデメリットですが、本格的に老後の資産形成をしたい方におすすめです。