2020年8月に公開された映画『糸』。人気・実力とも注目されている菅田将暉さんと小松菜奈さんのW主演ということだけでなく、中島みゆきさんの名曲を原案にした作品ということで、公開前から評判を呼びました。成績は興行収入22.7億円と2020年の邦画部門で第6位でした。

  • 映画『糸』榮倉奈々と菅田将暉

原案となった「糸」は中島みゆきさんが知人の結婚を祝って作った楽曲で、糸を人に見立て男女の出会いと奇跡、絆の大切さを歌った心に染みる歌です。およそ120組のアーティストがカバーしていることからも、この曲の魅力が伺い知れます。

本稿では今作品のあらすじや見どころを、実際に作品を鑑賞したユーザーの意見を踏まえながら紹介します。あらすじを含むため、まだ本作品をご覧になっていない方はご注意ください。

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映画『糸』とは

名曲「糸」を原案に平野隆氏が企画プロデュースを担当、『永遠の0』『空飛ぶタイヤ』の林民生氏が脚本を書き、監督は『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『64-ロクヨン-』を手がけた瀬々敬久監督がメガホンをとりました。

平成元年に北海道に生まれた男女2人が別れと出会いを繰り返しながらも力強く行きていく姿が、日本各地やアジアを舞台に描かれています。2人が平成の終わりに再会するまでの18年間の軌跡をたどった壮大な愛の物語に仕上がっています。主人公の蓮と葵という名前は、平成に人気のあった名前というのも面白いですね。

映画『糸』の作品概要(あらすじ)

平成元年に高橋蓮と園田葵は誕生します。2人が初めて出会うのは13年後のことで、自転車で転んだ蓮に葵が絆創膏を差し出します。けがをしたのは蓮でしたが、蓮は葵の腕に巻かれた包帯が気になり「大丈夫?」と声をかけるのでした。そんな出会いから初恋を経験する2人でしたが、葵は家庭内暴力という問題を抱えていました。

若すぎる2人には解決する術もなく、逃避行を選びますが、すぐに連れ戻され、引き裂かれてしまいます。このとき、葵を守れなかったという思いを蓮はずっと引きずることになります。

平成20年、蓮は地元のチーズ工房で働き、葵は東京で大学に通っていました。友人の結婚式に出席するために東京へやってきた蓮は、そこで葵と再会することになります。水島というパートナーがいる葵に、埋められない距離を感じた蓮。北海道へ戻ると落ち込む蓮を励ましてくれる先輩の香と付き合うことになります。

2年後に母親を探しに北海道にやってきた葵と蓮は再会しますが、それぞれのパートナーと新しい生活を営んでいました。

平成23年、東日本大震災の年。葵はシンガポールで成功していました。蓮は香と結婚して結という女子を授かりますが、香は病に倒れ亡くなってしまいました。平成31年、平成という時代も終わろうしているとき、葵は友人の裏切りですべてを失って東京で働いていました。

蓮は自分の作ったチーズが東京の三つ星レストランに採用されることになり、東京に来たのですが、運命のいたずらかこのときはすれ違うだけでした。しかし、運命の糸は繋がっていたようで、再び2人は北海道で出会うことになります。出会ってから18年が経ち、お互いにさまざまな経験を積んできた2人の未来はどうなるのでしょう。

  • キャスト紹介:菅田将暉、小松菜奈、山本美月、高杉真宙、倍賞美津子、二階堂ふみ、成田凌、斎藤工、榮倉奈々ほか
  • 監督/瀬々敬久
  • 公開年/2020年

映画『糸』の感想と評価

実際に『糸」を観た人はどのような感想を抱いたのでしょうか。『糸』を観たことがあるマイナビニュース会員にアンケートを実施したので、そのコメントをご紹介します。

  • 「中島みゆきさんの名曲・糸に馳せて繰り広げられる人間劇は非常に泣ける話だった」(男性:49歳)
  • 「モチーフになっている中島みゆきさんの曲が好きなので興味のある作品です。年月を経て大人になっても、お互いへの想いは変わることはないのか。結末が気になります」(男性:49歳)
  • 「別々の人生を歩んでいる二人が出会ってしまったシーンにせつなさを感じました」(男性:53歳)
  • 「泣きました。とても主題歌と合っていると思いました」(女性:47歳)
  • 「とても良いラブストーリーで切ない感じが良かったですね」(男性:49歳)
  • 「温かい人間関係や、景色や、人情、恋愛、いろいろな物語に涙が出ました」(女性:54歳)
  • 「思ってたより面白くてよかった。久しぶりに映画館に行ったが、意味はあったなと思う」(男性:40歳)
  • 「とても感動して涙が止まらなかった。キャストが素晴らしかった。人生を考えさせられた」(女性:45歳)
  • 「この映画の題名と同じ、中島みゆきの糸が流れたとき、感動です」(男性:52歳)
  • 「公開前から興味があり、期待以上の内容だったので感動した」(男性:47歳)
  • 「中島みゆきの歌が良かったです。DVDが出たら購入したいです」(女性:53歳)
  • 「とても切なくて泣けましたね。感動しましたし、良かったです」(女性:37歳)
  • 「今までの中でも非常に感銘を受けた映画の一つでした」(男性:56歳)

調査時期: 2020年6月14日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 510人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

評価まとめ

大半の人のコメントに「泣けた」という感想が見受けられる映画でした。2人が多くの人と出会い、別れ、また出会って生きていくという感動を言葉で表現するのが難しいと感じた人もいたかもしれません。「泣けた」という言葉にまとめた気持ちもわかります。

中島みゆきさんの歌の最後の歌詞に「逢うべき糸に 出逢えることを 人は仕合せと呼びます」とありますが、人に会いたくても会うことができない昨今の状況を考えると、好きなときに人と会えるということが「幸せ」だったというべきかもしれませんね。