鉄道友の会は26日、今年のブルーリボン賞・ローレル賞を発表した。ブルーリボン賞(最優秀車両)に近畿日本鉄道80000系「ひのとり」、ローレル賞(優秀車両)にJR東日本E261系「サフィール踊り子」とJR東海の新型新幹線車両N700Sを選定している。

  • JR東日本E261系「サフィール踊り子」

ローレル賞の選定車両のうち、JR東日本E261系「サフィール踊り子」は、都市と観光地である伊豆との移動用に「大人のIZU 本物のIZU」をコンセプトに導入された新型特急車両。グリーン車、プレミアムグリーン車、食堂車(カフェテリア)による8両編成で構成され、JR東日本の特急車両で初めて、車両情報管理システムにINTEROSを採用した。

外部のデザインは車両の先頭から後方につながるラインが特徴的で、「伊豆アズール」と命名された紺碧色をベースに、前面から屋根に連続する白いライン「白浜ホワイト」、車体側面の黒いライン「城ケ崎グレー」で列車全体をつなげている。

  • 「サフィール踊り子」(E261系)のグリーン個室

  • 「サフィール踊り子」(E261系)のカフェテリア

車体はアルミニウム合金の中空押出形材を用いたダブルスキン構体を採用。全室に天窓を配置して開放感のある車内空間を演出している。両先頭車は運転室と客室の仕切りにガラスを使用し、客室から前方視界を楽しめるようにした。

制御装置はSiC素子による2レベル式インバータ制御により、4台の主電動機を制御する1C4M方式で、主電動機は全閉式外扇形誘導電動機を採用。ブレーキ装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキで、INTEROSにもとづく編成ブレーキ力制御を行う。台車はボルスタレス台車で、すべての台車にフルアクティブ動揺防止制御装置とヨーダンパを搭載し、乗り心地の向上を図った。

3月14日から「サフィール踊り子」として営業運転を開始しており、最新技術を取り入れ、付加価値の高い移動空間と輸送ネットワークを提供するきわめて完成度の高い車両として、ローレル賞に選定された。