1997年、『ラヂオの時間』での監督デビュー以来、数多くのコメディ映画を手がける三谷幸喜。意表を突く設定と練りに練られたストーリー、魅力的なキャラクターやセンスあふれる台詞回しなどで、その作品の虜になっている人は多いことでしょう。とくに昨今の閉塞感あふれる社会状況にあっては、「笑いと感動を同時に味わえる三谷作品に救われた」という人も少なくないかもしれません。

そこで今回はマイナビニュース男女会員505人にアンケートを実施。「面白いと思った三谷幸喜監督の映画作品」とその理由を聞いてみました。果たして、1位に輝いたのはどの作品でしょうか。

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Q.三谷幸喜監督の映画は好きですか?

「はい」(64.2%)
「いいえ」(35.8%)

調査の結果、マイナビニュース会員のうち三谷幸喜監督の映画が好きな人は64.2%と、3分の2近くの人が三谷作品が好きと回答した。映画名を具体的に教えてもらったところ、ランキングは以下のようになった。

  • 三谷幸喜監督の映画作品、どれが一番面白い?

    三谷幸喜監督の映画作品、どれが一番面白い?

「面白い」と思った三谷映画ランキング

1位『記憶にございません!』(2019年公開/22.2%)
2位『THE 有頂天ホテル』(2006年公開/21.6%)
3位『清須会議』(2013年公開/16.7%)
4位『ステキな金縛り』(2011年公開/12.7%)
5位『ラヂオの時間』(1997年公開/12.0%)

続いて、その作品を面白いと思った理由を作品ごとに紹介していこう。

1位『記憶にございません!』

史上最低の支持率を叩き出した総理大臣が演説中、一般市民の投げた石が頭にあたり一切の記憶をなくしてしまう。悪徳政治家から善人へと変わってしまった総理を主人公にした政界コメディ。

出演/中井貴一、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、小池栄子、斉藤由貴
監督/三谷幸喜
公開年/2019年

・「総理と市民のコミカルなコミュニケーションが面白かったです」(52歳男性/設計/営業関連)
・「総理大臣が記憶をなくして様々な騒動を起こすストーリーが面白かった」(63歳男性/その他/クリエイティブ関連)
・「よくありそうな話題を取り上げる目の付け所がよく、うまく表現した内容だった」(71歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「ユーモアがありテンポも良く、捻りもあってまとまりのある作品だと思います」(50歳女性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「普通ではありえないが、その普通でないことでいい社会と笑いを生み出しているところ」(42歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「悪態をついて支持率最低の悪人とも言える総理が、記憶喪失になって善人になってしまう点がおもしろかった」(66歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「やけくそ気味に『記憶にございません』と言う総理大臣のセリフが、現在の政治家の実態をひねくって伝えている。大胆な表現が見事で、見ていて気持ちよく大変面白かった」(63歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「コミカルな演技とはかけ離れた存在だと思っていた中井貴一が、見事に総理大臣役を面白く演技していた」(69歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「中井貴一の正気なのか本当に記憶喪失なのか分からない演技と小池栄子のからみが非常に面白く、結構楽しんでみることができた」(78歳男性/その他/その他・専業主婦等)

2位『THE 有頂天ホテル』

「グランド・ホテル形式」そのままに展開する群像劇。高級ホテルの副支配人・新堂の使命はあと2時間に迫った新年のカウントダウン・イベントを無事に済ますことだが、次々と困った事態が起こる。

出演/役所広司、松たか子、佐藤浩市、香取慎吾、篠原涼子
監督/三谷幸喜
公開年/2006年

・「発想がユニークなのに、わかりやすくて笑えるのが素晴らしい」(歳44男性/その他/その他・専業主婦等)
・「見ていて単純に面白いと思った。映画を楽しむのに理屈はいらない」(71歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「つぎからつぎへとくる仕掛けや伏線に興味をひかれる」(41歳男性/通信関連/営業関連)
・「ホテルで繰り広げられる、ホテルマンと訳アリのお客さんをコミカルに描いて笑える。キャストが豪華で見ごたえがある」(59歳女性/その他/事務・企画・経営関連)
・「夢をあきらめたもの、マスコミに追われるもの、カウントダウンを楽しみにしているもの……。大晦日のホテルで人それぞれのこれからの生き方や人間模様が複雑に絡み合い、いい作品に仕上がっていると思います」(54歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「エンドロールで『出演してたの? いつ??』と思うキャストが複数いたり、細かいツッコミどこがありクスっとできるところが多く、数回見ても発見がある」(56歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「個人的には、三谷映画の真骨頂で集大成だと思っている」(48歳男性/ホテル・旅館/販売・サービス関連)

3位『清須会議』

2012年に出版された、1582年に実際にあった織田家の継嗣問題及び領地再分配に関する会議「清洲会議(清須会議)」を題材にした三谷幸喜の小説を原作に、自ら脚色しメガホンをとった作品。

出演/役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市、妻夫木聡
監督/三谷幸喜
公開年/2013年

・「有名な歴史的出来事を面白おかしく、わかりやすく伝えてくれるので」(44歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「ユーモアを交えながら信長の後継者を決める演出が素晴らしい!」(73歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「名役者たちがそれぞれいい味を出している。この話を映画化しようとした三谷監督の発想もなかなか」(48歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「監督の個性や得意分野など、色々な良い面が凝縮された作品だと思う」(52歳男性/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「歴史オタクも満足する知識と演者の力量、脚本の面白さが最高潮だった」(40歳女性/食品/営業関連)
・「三谷監督の作品はどれも好きなのですが、この『清州会議』の着眼点は面白く感じて、作品自体も面白かったです。日本統一の頂点は誰に決めるのかを会議で決めるという着眼点です。唸りました。世界史レベルでは分かりませんが、歴史上でも稀な会議での決着。その後に仕上げの戦いがありますが、雪崩を打って秀吉側につくことになる会議のやり取りをコメディタッチで描いていく。面白いです」(58歳男性/その他/その他・専業主婦等)

4位『ステキな金縛り』

殺人事件を担当する三流弁護士が弁護のため、被告人のアリバイをただ1人証明できる落武者の幽霊に、法廷で証言させようと奮闘する法廷サスペンスコメディ。

出演/深津絵里、西田敏行、竹内結子、草なぎ剛、浅野忠信
監督/三谷幸喜
公開年/2011年

・「昔の武者と金縛りを結び付ける発想が面白いと思った」(61歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「設定がユニークで、とにかく面白い。文字通り抱腹絶倒した」(63歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「ダメ弁護士や落ち武者の幽霊ほか、登場人物とのやりとりが面白かったです」(46歳女性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「西田敏行さんが好きだからです。ほのぼのとしたユーモアセンスたっぷりの作品で傑作でした」(51歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「西田敏行さんと深津絵里さんが出演されていましたね。お二人とも演技が上手でした。三谷作品はどれもコミカルで楽しいです」(56歳女性/その他/その他・専業主婦等)

5位『ラヂオの時間』

コンクールに応募した脚本がラジオドラマに採用された主婦。作品は生放送となり、彼女が見守る中リハーサルも終わるが、主演女優のワガママを発端に脚本に次々と変更が加わり、やがて……。

出演/唐沢寿明、鈴木京香、西村雅彦、戸田恵子
監督/三谷幸喜
公開年/1997年

・「昔の深夜ラジオの雰囲気がよく出ていた」(56歳男性/その他/専門サービス関連)
・「個性的な人々の物語が重なり合っていて、最後まで飽きない」(44歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「制作現場での理想と現実のギャップを埋めるスタッフの姿が描き出されており、他の作品にはない視点からの取り上げ方が素晴らしかった」(49歳男性/証券・投資銀行/事務・企画・経営関連)
・「特に、初期のころの作品にはあふれるパワーや才能が感じられる(最近作がダメというわけではない)」(66歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「劇中ラジオドラマの話が二転三転してしまい、めちゃくちゃのなか、最後にうまいこと収まって、そのごたごたを知らず聞いていたトラックの運転手が涙流して大感動する様がおかしかった」(39歳女性/その他/その他・専業主婦等)

面白いと思った三谷幸喜監督の映画作品ランキングまとめ

マイナビニュース会員に、最も面白いと思った三谷幸喜監督の映画を聞いたところ、1位に輝いたのは『記憶にございません!』(22.2%)だった。以下、2位『THE 有頂天ホテル』(21.6%)、3位『清須会議』(16.7%)、4位『ステキな金縛り』(12.7%)、5位『ラヂオの時間』(12.0%)と続く。

1位『記憶にございません!』は、演説中に受けた投石が原因で記憶を無くした内閣総理大臣・黒田啓介を中井貴一が演じた。傲慢不遜な態度や度重なる暴言・失言で、憲政史上最悪の内閣支持率2.3%を記録していた黒田が記憶喪失以降、周囲のサポートを受けながら奮闘する姿が描かれている。

アンケートでは、記憶を無くした総理大臣という設定の面白さや、政治家の生態をコミカルかつシニカルに描写したストーリーなどを評価する声が多かった。また、記憶喪失状態を絶妙に表現した中井貴一の演技も賞賛されている。中井貴一は本作で、第43回日本アカデミー賞 優秀主演男優賞を受賞している。

2位『THE 有頂天ホテル』は、1932年のアメリカ映画『グランド・ホテル(Grand Hotel)』が原型となった「グランド・ホテル形式」を採用した群像劇。ホテルの副支配人・新堂平吉を演じた役所広司を主軸に、ホテルに集う人々の人生模様を大晦日の22時から年明けまでの2時間という、限定された空間・時間で描いている。アンケートでは、複雑に絡み合う人間関係やストーリーを巧みに描く演出のほか、オールスターキャストの出演陣の豪華さに触れる声もあった。

3位『清須会議』は、実際にあった史実である清洲会議(清須会議)に基づく三谷幸喜の小説を、自身が映画化したもの。本能寺の変で織田信長(篠井英介)が討たれたのちに、後見人に名乗りを上げた柴田勝家(役所広司)と羽柴(豊臣)秀吉(大泉洋)の、それぞれが推す後継者をめぐって行われた会議が舞台となる。寄せられたコメントでは、史実をもとにしながらもエンターテインメントに仕上げられた脚本や、俳優陣の心理戦を好感するものが目立った。

4位『ステキな金縛り』は、妻殺しの容疑がかけられた被告人の弁護を担当するダメ弁護士・宝生エミ(深津絵里)と、被告のアリバイを証明できる唯一の証人である落武者の幽霊、更科六兵衛(西田敏行)が主人公。エミが、落武者の存在を周囲に理解させようと奔走するさまを描く。アンケートでは幽霊と法廷ものという設定のユニークさや、登場人物の掛け合いの面白さを楽しんでいる人が多かった。

5位『ラヂオの時間』は、三谷幸喜の映画監督デビュー作品。ごくごく普通の主婦である鈴木みやこ(鈴木京香)がコンクールに応募した脚本がラジオドラマに採用される。熱海を舞台にした平凡な主婦と漁師のラブストーリーだったはずが、生放送を前にして様々な変更が重なり、次第にアメリカが舞台の壮大なアクション作品へと変貌していく。寄せられた声では「制作現場でのスタッフの奮闘が伝わってくる」など、その臨場感を評価するものが印象的だ。

コメディをベースにおきながら、様々なアイディアで作品ごとに新鮮な驚きを与えてくれる三谷幸喜作品。今回のアンケートでも、それぞれの作品での斬新な設定や、伏線に富んだトリッキーなストーリー、魅力あふれる人物描写を好感する意見が多い。また、中井貴一や役所広司、佐藤浩市など、それまでは喜劇色がそれほど強くなかった俳優を起用するなどの"キャスティングの妙"も評価されている。

現時点では、2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本担当も決定している三谷幸喜。今後も、舞台・TV・映画など様々な作品で私たちを楽しませてくれるに違いない。

調査時期: 2021年3月26日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計505人(男性: 381人、女性: 124人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート