日本のアニメ界を代表する巨匠・宮崎駿監督。1979年に『ルパン三世 カリオストロの城』で初監督を務めて以降、数々の長編アニメーション映画を手掛けました。そしてその多くの作品が大ヒットを記録。宮崎駿作品は「スタジオジブリ」制作映画の中でもとくに根強いファンが多く、今なおテレビ放送のたびに大きな話題となっています。

そこで今回は、マイナビニュース会員の男女507名を対象に、宮崎駿さんが監督・脚本を務めた長編アニメーション映画についてアンケート調査を実施しました。

「宮崎駿作品」人気ランキング

マイナビニュース会員に「好きな宮崎駿作品」を聞いてみたところ、このような結果になりました。

1位『ルパン三世 カリオストロの城』【1979年】(18.5%)
2位『となりのトトロ』【1988年】(18.0%)
3位『天空の城ラピュタ』【1986年】(14.5%)
4位『千と千尋の神隠し』【2001年】(13.8%)
5位『風の谷のナウシカ』【1984年】(9.8%)
6位『魔女の宅急便』【1989年】(8.0%)
7位『紅の豚』【1992年】(4.7%)
8位『もののけ姫』【1997年】(4.0%)
9位『崖の上のポニョ』【2008年】(2.7%)
10位『風立ちぬ』【2013年】(2.4%)
11位『ハウルの動く城』【2004年】(1.3%)

1位『ルパン三世 カリオストロの城』【1979年】(18.5%)

1位に輝いたのは、1979年に公開された『ルパン三世 カリオストロの城』。モンキー・パンチさんによるコミック「ルパン三世」の劇場用映画第2弾で、宮崎駿さんの劇場映画初監督作品です。

『ルパン三世 カリオストロの城』では、ルパンと次元が偽札製造のうわさを追って小国・カリオストロ公国に潜入。そこで謎の男たちに追われていた少女・クラリスを助けたことから、国家を揺るがす騒動に巻き込まれていきます。

2021年には「ルパン3世」アニメ化50周年を記念して、4K+7.1ch仕様の『ルパン三世 カリオストロの城』が劇場で特別上映されました。

公開年/1979年
出演/山田康雄、増山江威子、小林清志、井上真樹夫、納谷悟朗、島本須美
原作/モンキー・パンチ
監督/宮崎駿
脚本/宮崎駿、山崎晴哉

・「一番宮崎駿らしい作品だから」(57歳男性)
・「ルパンのアクション、やさしさが描かれていた魅力的な作品」(45歳男性)
・「絵が作り込まれていてキレイだったので」(43歳男性)
・「テレビ版ルパンにはないアクションシーンが満載で、ハラハラドキドキする展開だった。クラリスをめぐる人間模様もほっこりする内容。ルパンとカリオストロ伯爵との闘いは圧巻で見応えがあった」(53歳男性)

2位『となりのトトロ』【1988年】(18.0%)

続いて2位にランクインしたのは、1988年に公開された『となりのトトロ』。宮崎駿さんが原作・脚本・監督を務めたスタジオジブリ制作の劇場用アニメーション作品です。

田舎町に引っ越してきた草壁家の姉妹・サツキとメイが、不思議な生き物・トトロと出会い交流する姿を描いた本作。子どもから大人まで楽しめる心温まるストーリーで、今でも毎年のようにテレビで放送されています。

ちなみに『となりのトトロ』には、「トトロは死神で、サツキとメイは物語終盤で亡くなっている」という都市伝説がありましたが、2007年にスタジオジブリがこのうわさを否定しています。

公開年/1988年
出演/日高のり子、坂本千夏、糸井重里、島本須美、北林谷栄、高木均
原作・監督・脚本/宮崎駿

・「トトロと子どもたちとの触れ合いが自然豊かな世界とが混じり合って心が癒やされる」(71歳男性)
・「今なお毎年放送され、子どもから大人までいつも夢中になる映画、すばらしく感動する」(64歳男性)
・「キャラクターがかわいい。家族愛に感動する」(36歳女性 )
・「ファンタジー性があり音楽もよかった」(69歳男性)

3位『天空の城ラピュタ』【1986年】(14.5%)

ランキング3位は、1986年に公開された『天空の城ラピュタ』。スタジオジブリ設立後初めて制作された作品で、宮崎駿さんが原作・脚本・監督を務めました。

『天空の城ラピュタ』で描かれたのは、見習い機械工の少年・パズーと、空から降ってきた不思議な少女・シータによる、空に浮かぶ伝説の城、ラピュタをめぐる大冒険。幻想的な城砦や空を舞台に繰り広げられるバトルシーンなど、冒険心をくすぐる描写がたっぷりです。

そんな『天空の城ラピュタ』がテレビで放送される度に盛り上がるのが「バルス祭り」。パズーとシータが滅びの呪文「バルス」を唱えるタイミングで、視聴者が一斉にTwitterで「バルス」とつぶやくのが毎回の恒例になっています。

公開年/1986年
出演:/田中真弓、横沢啓子、初井言榮、寺田農、常田富士男、永井一郎
原作・監督・脚本/宮崎駿

・「定番中の定番!『これ見ずして何を見る!』というくらい」(38歳男性)
・「愛と冒険という永遠のテーマを、すばらしいタッチで描いている」(52歳男性)
・「小さい頃から何度も見ている作品。冒険の要素や子どもが2人で大人に立ち向かっていくところに感動した」(44歳女性)
・「王道の冒険映画だから」(53歳男性)

4位『千と千尋の神隠し』【2001年】(13.8%)

続いて4位は、2001年に公開された宮崎駿さん原作・監督・脚本作品『千と千尋の神隠し』。公開から19年にわたって日本の歴代興行収入1位の記録を保持していた大ヒット作で、2020年6~8月には全国の劇場で再上映も行われました。

異世界に迷い込んだ少女・千尋が人間の世界に戻るために奮闘する『千と千尋の神隠し』。神様たちが住む国の不思議な世界と、湯婆婆や坊、カオナシ、釜爺など次々と登場する個性豊かなキャラクターは何度見ても飽きません。

とくに千尋にとって頼れる存在となる少年・ハクは、「好きなジブリキャラ」「ジブリの男性キャラ」といったランキングでたびたび上位に名前があがる人気キャラクターです。

公開年/2001年
出演/柊瑠美、入野自由、夏木マリ、内藤剛志、沢口靖子、上條恒彦、小野武彦、菅原文太
原作・監督・脚本/宮崎駿

・「ストーリー自体がとてもおもしろく、映像の美しさも印象的」(59歳男性)
・「不思議な世界観の中にどこか懐かしさも感じさせる描写があり、それでいてドキドキする場面もあり、最後まで飽きずに見ることができる」(43歳男性)
・「とっても幻想的ですてきな作品です」(69歳男性)
・「個性あるキャラクターがたくさん登場しておもしろかったので」(61歳男性)

5位『風の谷のナウシカ』【1984年】(9.8%)

5位に輝いたのは、1984年に公開された宮崎駿さん原作・監督・脚本作『風の谷のナウシカ』。スタジオジブリの前身にあたるトップクラフトで制作された作品で、本作の成功をきっかけにスタジオジブリが設立されました。

『風の谷のナウシカ』は宮崎さんによる同名漫画を原作としており、劇場版では単行本7巻のうちの2巻途中までの物語が描かれています。毒の森に侵食された世界で生きる少女・ナウシカを主人公に、人間同士の争いや人と自然の共生といったテーマが描かれました。

2019年には漫画全7巻のストーリーが歌舞伎化され、新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」として新橋演舞場で上演されて話題に。また、2022年7月には歌舞伎座でも上演されました。

公開年/1984年
出演/島本須美、納谷悟朗、松田洋治、永井一郎、榊原良子、家弓家正
原作・監督・脚本/宮崎駿

・「初めて宮崎駿作品に触れたのがナウシカで、ストーリーが環境問題と世界的な課題に当時から警鐘を鳴らしていたことにも衝撃を受けたから」(51歳女性)
・「戦争や環境破壊の愚かさを表現したエンターテインメントの名作です」(59歳男性)
・「何回見ても、初めて見たような新鮮さや発見があって見飽きないので好きです」(47歳女性)
・「最近の作品と比べても色あせない世界観が好き」(51歳男性)

6位『魔女の宅急便』【1989年】(8.0%)

6位にランクインしたのは、1989年に公開された『魔女の宅急便』。角野栄子さんによる同名児童文学シリーズが原作で、劇場版は宮崎駿さんが監督・脚本を担当しました。

『魔女の宅急便』で描かれたのは、一人前の魔女になるために親元を離れて修行をする少女・キキの奮闘。見知らぬ土地でのさまざまな出会いによって少しずつ成長していくキキの姿にほっこり癒やされる作品です。

作品を彩る主題歌は、荒井由実さんが歌う「ルージュの伝言」と「やさしさに包まれたなら」。作中の雰囲気にぴったりの主題歌2作は、映画とともにリバイバルヒットを記録しました。

公開年/1989年
出演/高山みなみ、佐久間レイ、山口勝平、加藤治子、戸田恵子
原作/角野栄子
監督・脚本/宮崎駿

・「この映画をきっかけにジブリが好きになったから」(39歳女性)
・「キキの素直さや真面目さ、一生懸命さが心をなごませてくれるから」(62歳男性)
・「心が安らぐ感じがしました」(75歳女性)
・「宮崎駿作品はどれもほっこりしてかわいらしい映画なので好きなのですが、やはり『魔女の宅急便』は何度も見たくなるくらい明るくて楽しい映画で大好きです」(50歳男性)

7位『紅の豚』【1992年】(4.7%)

続いて7位にランクインしたのは、1992年公開の『紅の豚』。模型雑誌に掲載された宮崎駿さんによる漫画「飛行艇時代」が原作で、劇場版の監督・脚本も宮崎さんが務めました。

『紅の豚』の舞台は、第1次大戦後のイタリア、アドリア海。空賊相手に賞金稼ぎをして暮らす豚の姿をした男、ポルコ・ロッソの生きざまが描かれました。

『紅の豚』の魅力は、なんといっても主人公のポルコのかっこよさ。豚の姿で飛行艇をかっこよく乗りこなし、立ち振る舞いは紳士的。大人の色気たっぷりのキャラクターです。「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ」という名セリフも有名ですね。

公開年/1992年
出演/森山周一郎、加藤登紀子、桂三枝、上條恒彦、岡村明美、大塚明夫
原作・監督・脚本/宮崎駿

・「キャラクター、ストーリー、動きのなめらかさ、どれをとっても最高の出来である。男のロマンも感じさせる」(59歳男性)
・「ポルコの味のあるキャラクターがよい」(70歳男性)
・「大人向けのアニメ。センスがいい」(62歳女性)
・「パイロットが豚という設定も普通ではないと思いますが、それがカッコいいというのもまたおもしろいと思います」(59歳男性)

8位『もののけ姫』【1997年】(4.0%)

8位にランクインしたのは、1997年に公開された宮崎駿さん原作・監督・脚本作の『もののけ姫』。当時の日本歴代興行収入第1位を記録した大ヒット作です。

『もののけ姫』は、村を襲ったタタリ神にかけられた呪いを解くため旅にでた青年・アシタカと、山犬に育てられた少女・サンの物語。“自然と人間の共存”という、『風の谷のナウシカ』に通じるテーマが描かれました。

本作はアニメーション作品として初めて日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。そのほかにも国内外の賞を多数受賞し、高く評価されました。

公開年/1997年
出演/松田洋治、石田ゆり子、田中裕子、小林薫、西村雅彦、上條恒彦、美輪明宏、森光子、森繁久彌
原作・監督・脚本/宮崎駿

・「これまでの作品とはひと味違う印象。一番好きです」(52歳男性)
・「とてもおもしろく何度も見た」(44歳男性)
・「題材はもちろん、絵や声優さんなども好きなので。たたら製鉄の舞台になった場所まで足を運んだほど」(42歳女性)
・「神秘的で楽しさがあふれている」(72歳男性)

9位『崖の上のポニョ』【2008年】(2.7%)

続いて9位にランクインしたのは、『崖の上のポニョ』。2008年に公開された、宮崎駿さん原作・監督・脚本作です。

海辺の町で暮らす5歳の少年・宗介と、人間になりたいさかなの子・ポニョの交流が描かれた『崖の上のポニョ』。無邪気で愛くるしいポニョと、5歳児ながら勇敢で頼もしい宗介の姿に癒やされる作品です。

藤岡藤巻と大橋のぞみさんが歌う主題歌「崖の上のポニョ」も大ヒット。3人は本作で2018年の「第59回NHK紅白歌合戦」に出場しました。

公開年/2008年
出演/山口智子、長嶋一茂、天海祐希、所ジョージ、奈良柚莉愛、土井洋輝、柊瑠美、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子
原作・監督・脚本/宮崎駿

・「キャラクターがかわいい」(42歳男性)
・「ポニョの歌がかわいくて好き」(32歳男性)
・「世界観がおもしろかった」(69歳男性)
・「見ていて安らげる作品」(64歳男性)

10位『風立ちぬ』【2013年】(2.4%)

10位にランクインしたのは、2013年に公開された『風立ちぬ』。『崖の上のポニョ』以来、5年ぶりに宮崎駿さんが監督を務めた長編アニメーションです。

『風立ちぬ』は零戦の設計者である実在の人物・堀越二郎さんをモデルにしたストーリー。宮崎駿監督作としては珍しく、現実世界が舞台で、あまりファンタジー要素がない異例の作品でした。

「新世紀エヴァンゲリオン」監督の庵野秀明さんが主人公の声優を務めたことや、松任谷由実(荒井由実)さんが『魔女の宅急便』以来24年ぶりにジブリ作品に主題歌「ひこうき雲」を提供したことも話題になりました。

公開年/2013年
出演/庵野秀明、瀧本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子、志田未来、國村隼、大竹しのぶ、野村萬斎
原作・監督・脚本/宮崎駿

・「ファンタジーでなく、大人向きの作品だから」(52歳男性)
・「比較的実話をベースにしていて親しみが持てる」(43歳女性)
・「幼いころからの夢を実現するために飛行機づくりに没頭する主人公の姿に胸打たれた」(73歳男性)
・「これまでとは違うジブリ映画だと思うから」(35歳男性)

11位『ハウルの動く城』【2004年】(1.3%)

11位にランクインしたのは、2004年公開の宮崎駿さん監督・脚本作品『ハウルの動く城』。原作はイギリスのファンタジー作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんによる「魔法使いハウルと火の悪魔」です。

荒地の魔女の呪いで老婆の姿になってしまったソフィーと、4本足で歩行する城で暮らす魔法使い・ハウルの共同生活を描いた『ハウルの動く城』。

木村拓哉さんが声優を務めたハウルはハンサムながら見栄っ張りで気が弱いというギャップのあるキャラクターで、ジブリ作品の中でもとくに人気の高いキャラクターです。

公開年/2004年
出演/倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、我修院達也、神木隆之介、大泉洋、原田大二郎、加藤治子
原作/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
監督・脚本/宮崎駿

・「感動するし、笑えもするから」(45歳男性)
・「物語の内容がとてもよかった。声優としての木村拓哉も魅力があった」(56歳男性)
・「城の中での暮らしが人間らしく癒やされるから」(34歳男性)
・「最高におもしろく、家族で楽しめる作品だからです」(42歳男性)

あなたが好きな宮崎駿作品は?

宮崎駿さんが監督・脚本を務めた長編アニメーション映画を、人気順のランキング形式でご紹介しました。

ランクインした作品はすべて観たことがあるという人も多かったのではないでしょうか。何度観ても楽しめる魅力がたっぷりつまった、不朽の名作ばかりです。

宮崎駿さんは2013年に引退を発表しましたが、2017年には引退発言を撤回。現在は吉野源三郎さんによる小説「君たちはどう生きるか」をモチーフにした長編アニメーションを制作中と発表されています。どのような作品ができあがるのか、今後も宮崎駿作品から目が離せません。

※記事で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイナビに還元されることがあります

調査時期:2022年8月19日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:男女合計507人(男性:398人、女性:109人)
調査方法:インターネットログイン式アンケート