ピーマンとパプリカは見た目が酷似している野菜です。直感的に「緑色のほうがピーマンで、赤や黄色などのカラフルなほうがパプリカ」というイメージがあるかもしれませんが、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。

本記事では、さまざまな観点からピーマンとパプリカの違いを解説していきます。

  • 赤ピーマンと黄ビーマンを上斜めから見た写真

    ピーマンとパプリカの違いを知ろう

ピーマンとパプリカの違い

ピーマンとパプリカはどちらもナス科トウガラシ属の野菜ですが、両者は「原産地」「収穫時期」「栄養価」などの点において異なります。具体的にみていきましょう。

■原産地

ピーマンの原産地は中南米の熱帯地方で、明治時代にアメリカから日本に伝わりました。この際に輸入されたのは「大型種」と呼ばれるもので、国内の一般家庭でよくみられるようになったのは、一回り小さい「中型種」が作られるようになった終戦後です。

パプリカの原産地はハンガリーです。日本には1990年代にオランダから輸入が開始されました。今では輸入品だけではなく国内で栽培されたものも流通しています。

■収穫時期

ピーマンは品種にもよりますが、花が開花してから20~30日ほど経った段階で収穫します。この時期のピーマンは青くてまだ十分肥大していない未熟なものです。独特の苦みや青くささはこの収穫時期に由来しているものです。

パプリカは完熟してから収穫するため、開花から40日~50日ほど経った段階で収穫します。熟していく過程で色が黄色やオレンジ、赤色に変化していきます。

■栄養価

ピーマンには、ビタミンCとカロテンが豊富に含まれています。100gあたりにビタミンCが76mg、βカロテンが400マイクロg含有されています。ピーマンは組織がしっかりしているため、加熱してもビタミンCの損失がほとんどないという特徴を持ちます。

パプリカもピーマンと同じくビタミンCとカロテンを含んでいます。ただし、完熟状態で収穫するため栄養はピーマン以上に豊富。ビタミンCはピーマンの2倍以上で、βカロテンは100gあたり1,100マイクロgとなっています。

■味

未熟な状態で収穫するピーマンは、苦みと青くささが特徴です。ただし、完熟すると中に含まれるカプサンチンという赤い色素が増え、赤ピーマンになります。完熟したピーマンは独特の青くささが減るため、ピーマンが苦手なお子さんも食べやすくなるかもしれません。

パプリカは果物のような甘みがあり、完熟に近づくほどその甘さが増します。そのため、生でも食べられます。

  • 店頭に赤パプリカと黄パプリカが並んでいる光景

    味や栄養価も異なります

ピーマンとパプリカの語源

「ピーマン」はフランス語、「パプリカ」はハンガリー語が語源となっています。

ピーマン

ピーマンはフランス語でトウガラシを意味する「ピマン(piment)」が名前の由来となっています。中南米原産ですが、ヨーロッパに伝わったトウガラシが改良され、辛くないないピーマンとなりました。

パプリカ

パプリカの語源は、ハンガリー語の「パプリカ(paprika)」と言われています。ハンガリーでトウガラシを品種改良して作られました。ピーマンと比べて肉厚でサイズも大きくなっています。

  • ピーマンが2本置かれている写真

    語源は「ピーマン」がフランス語、「パプリカ」はハンガリー語です

ピーマンとパプリカの見分け方

同じナス科の野菜ですが、ピーマンは未熟なうちに収穫し、パプリカは完熟してから収穫します。そのため大きさや色に違いがあり、外見で簡単に見分けられます。

■色 ・大きさ

ピーマンは小さめで、細長い形をしています。未成熟の果実を収穫しているため、色は緑です。ピーマンも熟してくると赤くなりますが、パプリカにはなりません。完熟したピーマンは「赤ピーマン」もしくは「完熟ピーマン」として売られています。

パプリカはふっくらとして丸みがあります。肉厚で実が大きいのが特徴です。完熟状態で収穫されるため、赤や黄色などのカラフルな色をしています。

■ヘタの形

収穫時期が違うため、ヘタの大きさや太さが異なります。ピーマンは比較的早く収穫してしまうため小さく細いヘタをしています。パプリカのヘタは、大きくしっかりと太いものが多いです。

ピーマンもパプリカも、ヘタを見れば鮮度がわかります。ヘタの部分から鮮度が落ちてくるため、みずみずしくきれいな緑色のものを選びましょう。

  • パプリカやフルーツ

    ピーマンとパプリカを、色や大きさで見分けます

ピーマンとパプリカの調理法

ピーマンとパプリカは、加熱しても含有されるビタミンCの損失がほとんどないため、加熱調理に向いています。きんぴらなどにしてお弁当の隙間に足すと、ビタミンC補給になり、彩りも豊かになります。

ここではピーマンとパプリカのそれぞれの特徴を活かした調理法をご紹介します。

ピーマンの調理法

ピーマンは特に加熱調理に向いています。組織がしっかりしているため、ビタミンCの損失がほとんどないうえ、油料理などの高熱調理によって苦みが和らぐという特徴があります。苦みを楽しみたい場合は、煮物などにするといいでしょう。

和食、洋食、中華などどんな料理にも使えます。油との相性も良く、青椒肉絲や野菜炒めなどの炒め物や天ぷらにもあいます。味噌と砂糖で炒めるのも、苦みが抑えられておすすめです。

パプリカの調理法

パプリカもピーマンと同じように加熱調理に向いています。カラフルで食卓やお弁当の彩りにもぴったり。生のままでもおいしく食べられます。

そのまま細く切ってナムルやマリネにして作り置きしておくのもいいでしょう。ビタミンCやカロテンを多く含んでいるため、おいしく栄養をとることができますね。

  • 食卓のモザイクボードの上に食材が並んでいる

    ピーマンとパプリカで彩りをプラスしましょう

ピーマンとパプリカの英語表現

ピーマンとパプリカは英語で何と言うのかを知っておきましょう。

ピーマンはbell pepper

ナス科トウガラシ属のピーマン。英語でいくつか呼び方がありますが、いずれの呼び方にも「pepper」という単語が使われており、一般には「bell pepper」と呼ばれます。細長くベルの形に似ていることからこの名がついたようです。

パプリカはpaprika

パプリカは語源であるハンガリー語そのままで、英語でも「paprika」と呼ばれます。ヨーロッパでもそのまま「paprika」と呼ばれる地域もあるため、日本語の呼び方のままで通じる地域も多いようです。

  • カッティングボードに赤パプリカがのっている

    英語でもそれぞれ違う名前で呼ばれています

ピーマンとパプリカの違いを理解しよう

一年を通して流通しており、手に入りやすいピーマンとパプリカ。ビタミンCも豊富で、ぜひとも毎日の食事に取り入れたい食材です。副菜に添えたりお弁当に足したりと、さまざまな用途に使えます。ピーマンとパプリカ、それぞれの特徴を理解して、上手に食卓に取り入れましょう。