• うなぎとあなごの違いとは?

    うなぎとあなごを区別できるようになりましょう

今回はうなぎとあなごの違いについて解説します。うなぎとあなごは混同されやすいですが、異なる魚です。

うなぎとあなごの見た目・味・値段などの違いを紹介していますので、参考にしてみてください。

うなぎとあなごの違い

  • うなぎとあなごの違いとは?

    うなぎのイラスト

うなぎもあなごも生物学上は同じ「ウナギ目」に分類される魚ですが、うなぎは「ウナギ科」、あなごは「アナゴ科」に属しているので、違う魚です。

ここでは、うなぎとあなごの違いを紹介します。

うなぎとあなごの違い【生態】

うなぎの主な生息域は河川や湖などの淡水域ですが、産卵の際に海に出る種類もいます。

産卵場所はうなぎの種類によって異なり、ニホンウナギは日本の川から出て、フィリピン近海まで移動して産卵します。また、熱帯に分布するビカーラウナギは、生息地である川の河口近くの海で産卵するそうです。

うなぎはふ化して「しらすうなぎ」になると、潮の流れを利用して川を遡上します。

あなごのほとんどは、内湾の岩陰や砂・泥の中に隠れたり潜ったりして生息しています。夜になると物陰から出てきてエサを求めて活動し、海底付近を這うように泳ぎ、ゴカイやエビなどを餌としています。

あなごは昔から身近な魚でしたが、その一生についてはまだ解明されていない種類も多く、日本でよく食べられているマアナゴも産卵場が明らかになっていません。

うなぎとあなごの違い【味・食べ方】

うなぎの味は「脂質が多くこってりしている」のが特徴的で、あなごは「脂質が少なくあっさりしている」のが持ち味です。そのため食べ方も異なります。

うなぎの代表的な食べ方はかば焼きで、アレンジしたひつまぶしやうな重・うな丼なども好まれています。一方、あなごの代表的な食べ方は煮穴子で、てんぷらなども人気です。

両者の特徴は異なるものの、かば焼きや白焼きなど、同じ調理方法で別の味わいを楽しむこともできます。ぜひ食べ比べてみてください。

うなぎとあなごの違い【旬の時期】

うなぎの旬は秋から冬にかけて、あなごの旬は6月から8月だとされています。日本では7月の土用丑の日にうなぎを食べる習慣があるため、夏が旬だと勘違いしている方が多いです。しかし、もっともうなぎが美味しいとされるのは秋・冬なので覚えておきましょう。

一般的に、6月から8月が旬とされるあなごですが、夏のあなごは脂分が少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。一方、冬は脂分が多いので、濃厚な味わいを好む方は、冬をあなごの旬だという方もいます。

うなぎとあなごの違い【値段】

うなぎとあなごの価格を比較すると、うなぎの方が高級魚といえます。養殖や輸入のうなぎは多少価格も下がりますが、それでもあなごよりは高額です。

うなぎもあなごも、生態についてまだ解明されていない部分が多く、養殖が難しい点では同じですが、うなぎは絶滅危惧種として指定されていることもあり、手に入りにくく、どうしても高額になってしまうようです。

うなぎとあなごの見分け方(見た目の違い)

  • うなぎとあなごの違いとは?

    あなごのイラスト

うなぎとあなごは、生態や見た目の色だけでなく、形状で見分けることも可能です。うなぎとあなごを見分けられれば、水族館や魚料理屋の生け簀で知識を披露でき話題を広げられるでしょう。

顔の形で見分ける

うなぎとあなごは、とても似ているという印象がありますが、よく見ると顔に違いがあります。あなごは種類によって多少顔つきが異なるので、ここでは日本でよく食べられるマアナゴとうなぎを比較してみましょう。

うなぎとあなごの違いが顕著なのは口の形状です。うなぎは下あごの方が出ていて、あなごは上あごの方が出ています。また、うなぎの方があなごより目が小さいですが、ここで見極めるのは、両者を並べて比較しないと難しいでしょう。

尾びれの形で見分ける

うなぎとあなごを見分けるうえで、尾びれの形も特徴的なポイントです。うなぎの尾びれは丸い形状をしていますが、あなごの尾びれはとがっています。

尾びれのほかにも、胸びれと背びれの位置で見分けることが可能です。胸びれ後端と背びれ前端の位置がかなり開いているのがうなぎで、ほぼ同じ位置なのがあなごになります。

色の違いで見分ける

うなぎは黒い体表ですが、あなごは薄茶色です。同じように細長い形状の魚でも、黒かったら「うなぎ」と判断できるでしょう。

とはいえ、うなぎでもシラスウナギのときは、ほかのシラス同様に透明です。うなぎは川への遡上が始まると黒っぽく変色し、淡水域に住み着くと背がオリーブ色、腹が黄色がかった白色の「黄ウナギ」になります。

そして産卵期になり海へ出るころになると、最終成長段階である「銀ウナギ」になるのです。

模様の違いで見分ける

あなご(マアナゴ)は体表に斑点があるのも特徴です。あなごの模様は、種類によって異なります。水族館で人気のチンアナゴは、斑点だけでなく縞模様もあります。

うなぎとあなごの英語表現の違い

  • うなぎとあなごの違いとは?

    うなぎとあなごの英語表現を紹介します

海外のお客様を、うなぎやあなごを使った料理でもてなすことがあります。その際、この食材は何かと聞かれてきちんと答えられるようにしておきましょう。ここでは、うなぎとあなごの英語表現を紹介します。

うなぎは「eel」

うなぎは英語で「eel」と表現します。しかし、海外ではうなぎを食べる文化のない国が多いので、単語だけ知っていても、うまくおもてなしはできません。

うなぎを使ったメニューや、食材としてのうなぎの特徴なども英語で表現できるようにしておきましょう。

あなごは「conger」

あなごは英語で「conger」と表現できますが、うなぎの英単語「eel」を使って「conger eel」や「sea eel」と表現することもあります。

あなごも海外ではあまり食材として使われていませんが、あなご好きの外国人も多いので、きちんと英語で説明できるようにしておきましょう。

うなぎとあなごの違いについて理解しよう

うなぎとあなごは、良く知ると見た目も味もかなり異なっているということを理解できたでしょうか。

仕事に直接関係ないと思われる知識でも、接待や打ち合わせ時の雑談など、うなぎとあなごの話で盛り上がれるビジネスシーンがあるかもしれません。この機会に両者の違いを理解し、知識として蓄積しておきましょう。