クッキーとビスケットは、スーパーやコンビニでも買える身近なお菓子として、子供から大人まで親しまれている定番の焼き菓子です。大手のコンビニなどでも独自商品として、さまざまな路線のクッキーも開発しています。

材料や作り方、見た目もとてもよく似ているふたつのお菓子ですが、厳密にはどのような違いがあるのか知っていますか。

柔らかくて甘みのあるものがクッキーで、硬くて塩気のあるものがビスケット、といった曖昧な使い分けをしている方も多いのではないでしょうか。それぞれの違いを使い分けられるよう、比較しながら紹介します。

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クッキーとビスケットの言葉の違い

日本では、クッキーとビスケットの違いは、糖分と脂肪分の割合によって使い分けています。これは「全国ビスケット協会」がビスケット類の表示に関する公正競争規約を作り、定義づけているからです。クッキーは糖分と脂肪分が全体の40%以上のものを指し、ビスケットは糖分と脂肪分が40%未満のものを指します。

しかし、本来ビスケットはクッキーも含む焼き菓子全般を指しているため、クッキーをビスケットと呼んでも間違えではありません。クラッカーや乾パン、パイもビスケットの一種と定められています。

クッキーとビスケットはそれぞれが日本語として定着していますが、もとは外国から来た言葉です。由来や日本での歴史とともに言葉の意味を見てみましょう。

クッキーの意味

クッキーは、小麦粉にバターと砂糖、卵、牛乳、香料などを加えて焼いた菓子という意味のアメリカ英語です。

日本でクッキーという名称を最初に使ったのは泉屋という菓子店です。創業者夫妻がアメリカ人宣教師の妻にクッキーの作り方を教わり、そのレシピをもとにして作ったクッキーを、1927年に京都で販売したのが始まりとされています。

ビスケットの意味

ビスケットとは、小麦粉にバターと牛乳、卵、砂糖、香料などをまぜて、一定の形に焼いた菓子を意味する英語です。脂肪を多くしたクッキーなども含みます。

言葉の意味はクッキーもビスケットも同じですが、主にアメリカ以外の英語圏で使われていた英単語から日本語英語になりました。

日本には1543年、種子島に漂着したポルトガル人から鉄砲やカステラとともにビスケットやボーロなどの南蛮菓子が伝わってきました。病気の子供が喜んで食べたことから発想を得て、風月堂が「乾蒸餅」という名前で日本初のビスケットを開発しました。

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    クッキーとビスケットの違いを知っていますか?

クッキーとビスケットの相違点

具体的なクッキーとビスケットの違いはあるのでしょうか。それぞれの発祥地や食感、成分を実際に比較してみました。

発祥地

クッキーの発祥地はアメリカです。小麦粉を使用した焼き菓子全般を総称してクッキーと呼びます。元々はオランダ語の「小さな焼き菓子」を意味する「koekje(クーキェ)」がクッキーの語源の由来です。

アメリカに渡ったオランダ人が「koekje(クーキェ)」を作り売ったところ人気を博しました。すぐにアメリカ全土へと広まり、英語の「cookie(クッキー)」という言葉が誕生しました。

一方でビスケットは、イギリスが発祥地であり、航海や遠征のための保存食として2度焼かれたパンを持っていっていたことが起源となっています。「2度焼かれたもの」を意味するラテン語の「bis coctus(ビス・コウトゥス)」がビスケットの語源です。

保存食で親しまれていたビスケットですが、現代のビスケットに近いものが作られるようになったのは16世紀に貴族が食べるようになってからです。かの有名なフランス王妃マリーアントワネットもビスケットを愛し、宮廷内でビスケットを作らせていたといわれています。

食感

クッキーは軽やかな口どけでさっくりとした食感が特徴です。グルテンの少ない薄力小麦粉を使い、砂糖や脂肪を多くし水分を少なめに配合します。そして、短時間で練って焼き上げると、柔らかくサクサクした歯ざわりになります。

ビスケットはクッキーに比べると少々硬いのが特徴です。比較的グルテンの多い中力小麦粉を使用して、砂糖や脂肪を控えめに、水分は多めに配合して、時間をかけて練って薄く焼き上げます。それによって、食べた時パキッとした硬めの歯ざわりになっています。火膨れしないようにガス抜きの穴を開けるのも特徴のひとつです。

糖分と脂肪分の割合

日本では、クッキーとビスケットの違いは、糖分と脂肪分の割合によって使い分けています。これは「全国ビスケット協会」がビスケット類の表示に関する公正競争規約を作り、定義づけています。クッキーは糖分と脂肪分が全体の40%以上のものを指し、ビスケットは糖分と脂肪分が40%未満のものを指します。

  • 並べられたクッキー

    クッキーとビスケットの相違点を知って、使い分けられるようになりましょう

クッキーとビスケットに似たお菓子

クッキーとビスケットは似ていますが、その他にも似た焼き菓子はたくさんあります。その代表として、今回はサブレとスコーンを例に挙げて紹介します。それぞれの違いを知って、さらに知識の幅を広げましょう。

サブレ

サブレはフランスが発祥の焼き菓子で、バターの風味が強く、サクサクとした軽い食感を持つことが特徴です。

一般的には、クッキーやビスケットよりも小麦粉の量が少なく、ベーキングパウダーではなくショートニングやバターが使われています。そのため、より軽くサクサクした食感になっています。その食感が砂に似ていることから、フランス語で砂を意味する「sable(サブル)」が語源になっているという説があります。

フランスにはラングドシャとガレットといわれる焼き菓子もあります。どちらもサブレに近い食感ですが、サブレに比べると生地が薄く、表面にざらざら感があります。ガレットはラングドシャよりもさらに薄くクレープのように生地を広げて焼き上げたものです。

スコーン

スコーンはスコットランドが発祥で、イギリスのティータイムに欠かせないパンの一種です。元々はフライパンなどで平たく成形させたパンを焼き、その後に切り分けて食べたビスケットのような食べ物が原型だといわれています。

生地はしっとりしているが粘り気がなく、外側に程よい硬さがあるため、食べた時にザックリとしたいい食感があるのが特徴です。

具を入れないプレーンのものから中にたっぷりとドライフルーツやナッツ、チョコレートなどを入れたものまでバリエーションがあります。世界中のさまざまな国で食べられています。

  • スコーンとクッキー

    クッキーとビスケットに似たお菓子の違いは?

海外でのクッキーとビスケットの呼び方

日本では、クッキーとビスケットは独自のルールで呼び分けられていますが、海外ではどのように呼んでいるか知っていますか? それぞれの発祥の地であるアメリカとイギリスでの呼び方を学んでいきましょう。

アメリカの場合

アメリカでは、クッキーとビスケットのことを、焼き菓子全般を指すクッキー(cookie)と呼びます。ビスケットという単語もありますが、そちらはパンのような焼き菓子のことを指すため意味が異なります。

イギリスの場合

イギリスでは、クッキーとビスケットのことは総じてビスケットと呼んでいます。アメリカとは逆に、ビスケットが焼き菓子全般を指す単語となっているからです。

イギリスではクッキーという単語は使われていません。また、イギリスと同じくフランスでもクッキーという単語は使われていません。フランスではビスケットのことをビスキュイと呼んでいます。

  • カップの中に入っているクッキー

    クッキーとビスケットの見分け方は?

クッキーとビスケットの見分け方

菓子業界では糖分や油分が多めの手作り風のものをクッキーと呼んでもよいという決まりがあります。そのため、シンプルに見た目が手作り風かどうかで見分けられます。

ビスケットは元々携帯食として日本に伝わってきたこともあり、機械生産の安価なもので、クッキーは手作りの高級品、というイメージがありました。今では一般家庭であっても簡単に手に入るクッキーですが、日本に広まった当時のイメージがそのまま見分ける基準となりました。

  • 並べられた色とりどりのクッキー

    クッキーとビスケットの見分け方を覚えて生活に役立てましょう

クッキーとビスケットの違いを理解して使い分けよう

クッキーやビスケットについて、それぞれの言葉や発祥、実際の食感や成分の違いなどを学んできました。元々クッキーとビスケットは別々のルーツがありましたが、どちらも同じく焼き菓子全般を指す言葉でした。

日本ではクッキーやビスケットと使い分けていますが、イギリスではビスケット、アメリカではクッキー、フランスではビスキュイと国によって呼び方はさまざまなようです。

本記事を参考に、クッキーとビスケットの違いを正しく理解し、知識の幅を広げましょう。