映画『ミッドナイトスワン』で改めて演技力の高さを見せつけ、「第44回日本アカデミー賞」で最優秀主演男優賞を受賞した草なぎ剛。現在放送中の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)では徳川慶喜を好演し、その存在感や演技力を称賛する声がSNS上で多く寄せられている。草なぎに話を聞くと、慶喜役を心から楽しんでいる様子。主人公・渋沢栄一を演じる吉沢亮や、父・徳川斉昭役の竹中直人、側近・平岡円四郎役の堤真一らとの共演も「とても楽しい」と笑顔で語ってくれた。

  • 大河ドラマ『青天を衝け』で徳川慶喜を演じている草なぎ剛

新一万円札の顔としても注目されている“日本資本主義の父”、渋沢栄一の生涯を描く本作。慶喜は栄一の人生に大きな影響を与える人物で、栄一の物語と慶喜の物語が並行して描かれ、やがて2人の物語が交わっていく。

草なぎは慶喜を、つかみどころのない人物という意識で演じているという。「慶喜が将軍になるのはわかっていることですが、本当に自分が将軍になっていいのかという葛藤が見え隠れする中でも、つかみどころがない感じ。もしかして将軍にならないんじゃないかというくらい力の抜けた感じで演じようと思っています」と説明し、「すごく楽しいので、いい感じになっているのではないかな」と話した。

そして、「セットも出演者もすごい。スタッフの人数も多く、すべてにおいてスケールが大きい」と大河ドラマの醍醐味を感じている草なぎ。豪華キャストと現場でいい時間を過ごしているようで、「みなさんとってもよくしていただいている」と明るいトーンで語る。

慶喜の側近・円四郎を演じている堤とは、フジテレビ系ドラマ『恋におちたら ~僕の成功の秘密~』(2005)や舞台『K2』(2010)などで共演。「とても久しぶりで身が引き締まる思い。すごく緊張しましたが、とてもいい円四郎と慶喜の関係性に。今まで堤さんと培ってきた時間が反映されているのかなという感じがしました」と、しっくりきているようだ。

堤についてさらに、「昔から可愛がっていただいて。僕は堤さんのお芝居がすごく好きで、少しでも(堤さんの)近くにいられたらなという意識があります。堤さんはそういう僕のことをわかってくれているみたいで、そばにいて背中で語ってくれる感じ。背中でいつも教えてくれる人です」と語り、「堤さんは『慶喜の何を考えているかわからないところがいい』と言ってくれました」とうれしそうに堤の言葉を紹介した。

父・斉昭役との竹中とは今回が初共演だが、竹中ともしっかり関係性が築けたようで、「『草なぎくんが本当に俺の息子に思えてきた』と言ってくださってすごくうれしかったです」と明かした。