JR西日本と西日本電気システムは7日、国内鉄道業界で初めてロボットアームを搭載した鉄道電気工事用車両「ブラケットハンドリング車」を開発したと発表した。人力に頼って実施している可動ブラケット(電柱付属部品)の取替作業をロボットアームにより機械化・自動化することで、生産性向上と安全性向上を図るという。

  • 「ブラケットハンドリング車」

  • ロボットアームが3Dカメラで作業空間を自動認識する

  • ロボットアームが自動で旧可動ブラケットを回収する

  • ロボットアームが自動で新可動ブラケット設置位置近傍まで運搬する

  • 作業員の操作で位置を調整して新可動ブラケットを設置位置に取り付ける

「ブラケットハンドリング車」では、ロボットアームにより可動ブラケットを直接掴んで自動運搬することが可能となるため、人による重量物の運搬作業が不要となる。また、3Dカメラで作業空間を認識し、障害物を回避できるため、人による煩雑な操作も不要。架線支持アームによって容易に電線の仮支持も可能となり、人による高所での準備作業も必要なくなる。

「ブラケットハンドリング車」の導入により、人力作業の一部機械化や自動化による生産性向上(作業員約4割減)と、重量物運搬や高所作業の削減による安全性向上が見込まれている。今後の計画としては、2021年度中に1台導入し、京阪神・岡山・広島エリア(在来線)で運用する予定となっている。