脚本家・橋田壽賀子さんが、急性リンパ腫のため4日、熱海市内の自宅で亡くなったことが5日、わかった。95歳だった。橋田さんが脚本を手掛けたドラマ『渡る世間は鬼ばかり』『おしん』に出演した女優・泉ピン子が追悼コメントを寄せた。

泉ピン子

■泉ピン子コメント全文

昨日意識がなくなったとき、「ママ」って呼ぶ私の声が聞こえたのか、最後に目を見開いたんです。それが最後でした。クルーズ旅行に行くとき、お正月に着ていたお気に入りのドレスと、橋田文化財団を設立したときに作った松竹梅の思い出のドレスを着せて、私がお化粧をしてあげて、旅立ちました。

橋田さんは「悲しまなくていい。千の風になっているんだから。あなたの周りにいるから」といつも言っていました。「でも、私が先に逝くとは限らないけど」と茶目っ気たっぷりで付け加えたりして。ですから最後は「千の風になって」をかけて送りました。

今の私があるのは橋田先生のおかげです。舞台もドラマもやらせてもらいました。ずいぶん喧嘩もしたし、泣いたこともあったけれど、橋田さんとご主人には本当の娘のようにかわいがっていただきました。私も熱海で暮らすようになって、最後はずっとそばにいられたから熱海に越してきた意味があったと思います。