総合演出の高井健司氏

歴代の総合司会の面々を見ると、福澤朗、羽鳥慎一、藤井貴彦と、その後大きく羽ばたいて活躍するアナウンサーがそろっている。

その理由は「ニュースコーナーだけだったらニュースだけやってればいいんですけど、北朝鮮からミサイルが飛んできたり、大雨や大地震があったらきちんと対応しなければならないし、スポーツコーナーも担当しなきゃいけないし、エンタメでも出演者を回さなきゃいけないし、もちろんオープニングは軽やかに朗らかにトークをしなきゃいけないというように、あらゆる番組のMCの要素が詰まってるんです。だから、相当しんどいと思いますが、すごく勉強になる。それが次のステップへの糧になってるんじゃないですかね」と、鍛えられる場になっているようだ。

■最古参・望月理恵の一番の魅力

そんな男性キャスターたちとタッグを組んできた望月理恵は、ズムサタ最古参として16年半にわたり番組を支え続けている。彼女の一番の魅力は「おしゃべり」だという。

「モッチーさんはラジオをずっとやっていたのですが、ラジオの人って臨機応変にしゃべるのがめちゃくちゃうまいんです。サッシャさんを起用しているのもそういう理由なんですけど、原稿を読んでいるようで、おしゃべりをしてるようなシームレスなところで、ちゃんとものを伝えられる“正確なおしゃべり”ができるのが大きいですね」

この特性が表れるのが、ゲストを迎えてトークを繰り広げる「スナックモッチー」のコーナー。「相手の話を楽しく引き出すのが、めちゃくちゃうまいですよね。4月3日の放送は所ジョージさんに出ていただくのですが、所さんが収録終わってから『こんなに楽しくしゃべったの、久しぶりだよ』とおっしゃっていたそうです」と、頼れる存在になっている。

■SDGsにコロナ禍ならではの企画…リニューアルで新施策

25年にわたり支持を受け続けてきた秘けつは、前述の“イズム”を継承する一方、時代に合わせた変化も取り入れることだという。

「半年に一度は、どこかを必ず変えるようにしています。僕の演出のモットーは“変わることが変わらないこと”。“ズムサタイズム”というはっきりしたものは変えませんが、他はどんどん変えていく。演出方法も、取り上げるネタも、スタッフの働き方もいろいろ変えているんです。常に変化し続けているので、あまり気づかれないんですけど、1年前と比べると全然違う番組になっていると思います」

  • 4月のお天気キャスターを担当する斉藤朱夏 (C)NTV

その言葉通り、梅澤アナの加入に合わせて、4月から新たな試みを次々に実施する。お天気キャスターを月替り制にし、4月は声優の斉藤朱夏が担当。「映画界やYouTube、SNSなど、テレビ以外の場所で話題になっている人気者に加わってもらい、『ズムサタ』の魅力を広げてもらいたいと思います」と狙いを語る。

ほかにも、梅澤アナが環境関連で活動している人を取材する月1回のコーナーや、日本語ができる海外の人たちに日本のエンタメや文化についてコメントしてもらうコーナーなどを計画。SDGsへの意識や、コロナ禍の状況を生かした企画を展開していく。