お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が先月26日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。昨今の“共感ブーム”に対して持論を語った。

又吉直樹

この日、新社会人に向けて、動画「すぐに寝たい…限界の時に1分(秘)(秘)をやると翌日に大きな差が出る【#23 百の三】」を公開した又吉。そのなかで、共感力について、「共感する力は間違いなく大事やし、共感できないと人の気持ちも分からない」「共感は発見とかと同じく一つの面白い感覚で。こんな面白いことがあるんだ、俺と違うけどそういう考え方もあるんだねっていうのが発見の面白さ。言語化してなかったけど、俺の中にもその感覚はあったっていうのが共感。この2つが共存してる作品って、結構好きなものが多くて」と熱弁。

新しい感覚の発見、および共感する力が大事だとする一方、又吉は、「最近、“共感しました=面白かったです”になってるような気がして……。“共感できなかった=面白くなかった”では、絶対にないから」とキッパリ断言。「自分が本来持っていなかった感覚を提示されて、驚いた、恐ろしかった、まったく共感できなかった。だけど、最高に面白かったっていうのはいっぱいあるから」と言い、「それがいっぱいある前提の世界に生きてるっていうことを、念頭に置いといてほしいんですよ」というメッセージを伝えた。

さらに続けて、「“共感できました信仰”に、みんな偏り過ぎてる」と語った又吉。十数年前は「共感」という言葉が、「めっちゃ良いワードだったんですよ。共感という入口で作品を楽しむとか色々あって」というが、「そこから時間が経って、だんだん強くなりすぎて……。共感できなかったら、それはそれでいいんだよなって思ったりもする。そこは気を付けたいなっていう風に思いますね」と自戒も含めて、現在の“共感ブーム”に異論を唱えていた。