お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が19日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。自身が尊敬している芥川賞作家・中村文則氏の言葉に感動したエピソードを明かした。

又吉直樹

「否定されたり、ベタと思われがちなことに実は大切な真理が…【#20 百の三】」と題した動画内で、「性格は直せる」と語った又吉。そう考えるきっかけとなったのは、中村の存在だったそうで、「作品がすごい繊細で。自分の内面に向かっていく、暗い感情を持ってる主人公が多くて。こういう小説を書く作家さんは、共通するところがあるんじゃないかと思ってたんですけど、会うと明るくて優しかったんですよ。もっと、怖くて暗くて冷たい人なんかなって思ってたんですけど」と、作品の主人公と中村の性格のギャップに驚いたという。

その後、お酒を飲んだ勢いで、ギャップについて本人に尋ねると、中村氏は、「自分が暗いことで、人に迷惑をかけるのをやめようと思ったんだよね」と回答。又吉は、「本当の気遣いって、これなんやって思って。嫌なことがいっぱいあって、色々なことを気にしてしまうから、周りの情報やコミュニケーションを遮断して暗くなったはずなのに、暗い状態で人に迷惑をかけてるんやったら、もう一回心を開こうって。この人、めちゃめちゃ強いなって思って」と、中村氏の生き方に感銘を受けたことを明かした。

そして、自分自身を振り返り、「暗いと言われて許されてる状態に依存してるというのは、ちょっとダメなんじゃないかなって」と、猛省したという又吉。「俺が暗いことで、みんなが代わりに頑張ってくれてることがあるよなって思ったら、自分もやってみようと思って、そういう風に考え始めた」そうだが、「意識して明るめに振舞ったつもりのテレビを、後で自分で観て愕然とする。自分が出てきたら、テレビのボリューム上げますからね。声、聞こえへん」と、自虐しながら苦笑いしていた。