ダイバーシティという言葉を聞いたことがあるでしょうか。近年ビジネスシーンにおいては、環境や思考・属性などさまざまな人が働くなかで、企業の経営の観点としても注目されている言葉でもあります。この記事では、そのように近年注目されているダイバーシティについて正しい意味や必要性、種類などを解説していきます。

  • パソコンをみながらメモをとる人

    近年よく耳にするダイバーシティについて学んでいきましょう

ダイバーシティの意味

ダイバーシティとは、日本語で「多様性」を指します。「年齢や性別、国籍、学歴、人種、民族といった個人あるいは集団間に存在しているさまざまな違い」というふうに解釈するとわかりやすいでしょう。

ダイバーシティは、ビジネスの場ではその多様さを生かした経営上の取り組みを行う際に使われており、採用面において人種や性別などによって不利になることがなく、公平な扱いを受けることを目指した取り組みを意味します。

ダイバーシティの歴史

ダイバーシティとは、1960年頃にアメリカで生まれた人種や宗教、性別によって差別されることなく、平等な扱いを受けることを目指して広まった取り組みを指します。

現代におけるダイバーシティとは、人種や性別などの多様性を認め合い、違いに尊重しあうことを意味する言葉となりました。

  • 混雑する商店街

    ダイバーシティとは、アメリカで発祥した「多様性」を意味する言葉です

ダイバーシティの種類

一口にダイバーシティといっても、実際にはいろいろなパターンに分けられます。ダイバーシティには、「デモグラフィー型」「タスク型」「オピニオン型」の3つが主となっており、それぞれ定義や意味が少しずつ違います。

ここからは、それぞれのダイバーシティについて、ひとつひとつ説明していきます。

■デモグラフィー型

デモグラフィー型ダイバーシティとは、性別や年齢、国籍や属性などの多様性を意味する言葉です。

現在の日本で勧められているダイバーシティは、デモグラフィー型であることが多いと言われています。これは外国籍の社員やLGBTなど、多様な価値観、特性、属性を認め合う企業や採用を目指すものが多いためです。

■タスク型

タスク型ダイバーシティとは、知識や実力、能力や経験の多様性を意味する言葉です。

性別や年齢、国籍など、見た目でわかる外観的な多様性であるデモグラフィー型に対し、タスク型ダイバーシティは、能力や実力など、内観的な多様性を指します。

また、もうひとつの考え方としてデモグラフィー型ダイバーシティを土台としてタスク型ダイバーシティが生まれるという捉え方もあります。これは、たくさんの人種や性別の人たちが集まれば、おのずと持っている能力や知識などもそれぞれ異なってくるという意味です。

■オピニオン型

オピニオン型ダイバーシティとは、組織に属している人たちが自分の意見を自由に発信可能な環境を指す言葉です。

オピニオン型ダイバーシティが整っていれば、自然にデモグラフィー型ダイバーシティやタスク型ダイバーシティも機能すると考えられています。なぜなら、見た目でわかる多様性や、能力などの内面の多様性を取り入れても、意見を述べられなければ多様性を認めているとは言えないためです。

  • パソコン作業をしている人

    ダイバーシティには3つのパターンがあります

ビジネスシーンにおけるダイバーシティの必要性とは

現在、日本の企業は労働人口の減少やグローバル化など、数々の課題に直面しています。その課題を解決するためのヒントも、ダイバーシティに隠されています。

ここからは多くの日本企業が抱える課題をダイバーシティの観点から紹介していきます。

労働人口の減少

現在の日本は少子高齢化により労働人口が減少し続けており、従来の採用方法では人材が確保できずに求職者と企業とのマッチングもより難しくなっていくと言われています。

働き手が確保できなければ、会社が衰退していくのは自明の理です。そのような課題を解決すべく、外国人や定年退職した人の再雇用など、今まで採用を検討していなかった層にもアプローチしていくことで人材を確保している企業も増えています。

グローバル化への対応

世界市場は国内に比べて何十倍もの市場規模となるため、今後いかにグローバルに企業を展開させていくかがこれからの経営に大きく関わってきます。

先述したように、現在の日本では外国人労働者の受け入れが増えてきており、今後意思疎通が可能な語学力を持った人材や、海外に進出する機会を多く設けることなどが求められています。

労働者の意識や価値観の変化

従来の日本の企業は、終身雇用や年功序列などといった働き方が主流とされてきました。しかし、時代が移りゆくなかで、そういった働き方を取り入れている企業は少なくなりつつあります。

今、労働者たちはプライベートとの両立や働きがいといった観点に重きを置くようになりました。そのような社員一人ひとりの意識や価値観を認める企業に優秀な人材が集まることで、これからも成長を遂げていくことが期待できます。

  • ネオンが光る夜の交差点

    ダイバーシティという考え方は、これからの企業経営にとって必要不可欠であるといえます

ダイバーシティとインクルージョンの違い

ダイバーシティとインクルージョンは、よく似た言葉ですが少しずつ意味が違います。

ダイバーシティは「多様性」を意味し、多様な個性や背景を持つ人材を積極的に採用し、組織にさまざまな人材が存在している状態を指します。

一方のインクルージョンとは「受容」や「包括」を意味し、企業でのインクルージョンとは労働者同士がお互いの違いを認めながら組織がひとつになることを指します。

すなわち、多様な人材を受け入れるダイバーシティが実現されたのち、個性豊かな人材たちがその能力を高めあいながら組織が一つにまとまりインクルージョンに発展していくということになります。

多くの業界がダイバーシティへの対応を進めている

海外に比べ、これまで日本の企業では、ダイバーシティの考え方があまり推進されてきませんでしたが、現在の企業は女性の活躍の場やグローバル化など企業のあり方や、働き方が多様化してきています。

めまぐるしく変化するビジネスシーンで勝ち残っていくには、多様性を認め合うことで組織の発展や成果につなげることが大切と言えるでしょう。