「汎用」という言葉を、社会人になって初めて目にしたという人もいるのではないでしょうか。かつては「汎用機」と呼ばれるコンピューターが主流だった時代もあり、企業活動において汎用という言葉はよく使われています。

間違った意味や読み方のまま過ごすことのないよう、本記事で紹介する意味や読み方、文章中での使い方を覚え、ビジネス活動に活かしていきましょう。

  • 汎用はビジネス活動の中でもよく使われている言葉です

    汎用はビジネス活動の中でもよく使われている言葉です

汎用の意味

汎用とは「はんよう」と読み、「一つだけでなく複数の用途や分野に用いられる」ことを意味する言葉です。特定の分野に特化してつくられているものや、使われているものなどは汎用とは呼べません。

何にでも適用可能なものを指して「汎用性がある」「汎用性が高い」「汎用的」などと表現できます。

ビジネスにおける汎用の使い方と例文

汎用は、ビジネス活動の中ではどのような場面で使われているのでしょうか。ここでは、ビジネス会話や文書の中で汎用がどのように使われているのか、例文と一緒に紹介します。例文から使用場面を思い浮かべて、使い方を覚えましょう。

■汎用する

「汎用する」は汎用の意味を動詞として使いたいときに用いる言葉です。「汎用する」のほか「汎用できる」という言い方もできるでしょう。また、「汎用する」は、「応用する」に近い意味にもなります。

【ビジネスにおける例文】

「A社のシステムを汎用する」

これは、A社専用のシステムをほかでも使えるようにすることを意味します。

■汎用性のある

汎用をものの性質として述べるときに「汎用性のある」という表現を使います。「あの機械は業界に特化しておらず、汎用性のある機械だ」のような使い方ができます。

【ビジネスにおける例文】

「汎用性のあるシステムを導入することで、コストを抑えられます」

■汎用品

「汎用品」は「一つの目的だけでなく、幅広い目的や用途で使える製品」の意味で使われます。例えば、「ホームセンターで販売されているネジは、組み立て家具や機械の補助部品としても使える汎用品だ」という使い方ができます。

「汎用品」は「汎用的」という言葉を使った言い換えも可能で、「ネジは補助部品として汎用的に使える」としても同義になります。

汎用の類語・言い換え表現

汎用の意味と使い方を覚えたら、同じような意味を表現できる類語に知識を広げ、語彙力を増やしていきましょう。類語を知っていれば、汎用では相手に伝わりにくいときに言い換えて伝えられます。

ここでは、汎用の類語や言い換え表現として使える言葉を例文と一緒に紹介します。利用場面を想定しながら、例文をもとに使い方を覚えましょう。

■万能

「万能」は、「すべてに効力があること」や「あらゆることに優れていること」の意味で使えます。前者の意味が、汎用と近しいと言えます。

「あの商品は汎用的に使える」と「あの商品は万能だ」は、表現したい意味は似ていますが、「万能」を使った方が包括的なニュアンスになるでしょう。

汎用で表されるのは、「適合して使えるものもあれば、適合しないものもある」というニュアンスです。

■多目的

「多目的」とは、「同時に複数の目的を持つこと」の意味で使われます。「この商品は汎用的に使える」は「この商品は多目的に使える」と言い換えが可能で、同義となる場合もあります。

しかし、汎用は複数の目的を定めているわけではなく、「複数の目的に合うこともある」といったニュアンスになるため、「多目的」と完全な同義にはなりません。

■広範囲

「広範囲」は、「範囲が広いこと」を意味します。汎用が「一つのことに特化していない」という意味であることを考えると、「広範囲」を使うと同義に近い表現が可能となります。

「この商品は汎用品だ」は、「この商品は広範囲に適用できる」と言い換えられます。「広範囲」には連続性を感じさせる意味合いが含まれるため、汎用とニュアンスが異なる場合もあるでしょう。

■応用が利く

「応用が利(き)く」は、「すでにある知識や道具を、場合に応じてほかに適用が可能なこと」という意味で使われます。

「応用が利く」を汎用の言い換え表現として使う場合、単純に置き換えに近い形で使えます。「あの商品は汎用的に使える」は「あの商品はいろいろな場面に応用が利く」と言い換えられるでしょう。「応用できる」とも言い換えが可能です。

汎用の対義語

類語とあわせて対義語も覚えましょう。対義語を覚えておけば、汎用と対比する文章を組み立てられるため、日本語の幅が広がります。対義語と使い方の例文を参考に、正しく使い分けましょう。

独自

「独自」とは、「ほかと異なり、そのものだけにあること」を意味します。「業務に依存しない汎用的な機能」といえば、複数の業務で使える機能を指しますが、「業務独自の機能」といえば、特定の業務でしか使えない機能を指します。

【ビジネスにおける例文】

「最近の傾向として、独自性よりも汎用性が重視される」

限定

「限定」は「範囲や数量を限ること」の意味で使われます。

【ビジネスにおける例文】

「A商品は汎用的に使えますが、B商品の使用範囲は限定されています」

特化

「特化」は「とっか」と読み、「特定の部分に重点を置く」「専門化する」という意味を持ちます。「あの商品は利用者に特化したつくりになっているため、汎用的に使うのは不可能だ」のように表現できます。

【ビジネスにおける表現】

「業務に特化した」

「金融に特化した」

「生産者に特化した」

制限

「制限」は「ものごとに限界を設けること」の意味で使われます。「汎用的に機能を使えるようにする」に対し、「機能に制限を加える」とすると対義的な文章になります。

【ビジネスにおける例文】

「汎用的な使い方が可能だが、安全性を考慮して機能を制限することにした」

汎用と凡庸の違い

汎用と似たような響きをする漢字に「凡庸」(ぼんよう)があります。汎用と凡庸を取り違えて、「ぼんよう」と読んでしまう人は決して少なくありません。

凡庸は、「平凡でとりえがないこと」を意味します。汎用と凡庸を混乱してしまうと文章の意味として成り立たなくなるため、熟語と読み方・意味をセットで覚える必要があります。

【例文】

  • 「この資料は凡庸すぎる」

  • 「凡庸な日々」

このような使い方をします。

汎用の英語表現

汎用が使われている日本語の文章を英訳する際に、「general purpose」が一般的に使われます。ほかに「a wide use」や「all purpose」なども使用可能です。

例文としては、「general purpose management tool」などがあります。

汎用を正しく使えるようになろう

汎用はビジネス活動の中で使われる機会の多い言葉です。意味を把握して誤った解釈や読み方をしないよう、しっかりと覚えておきましょう。