大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で主人公・渋沢栄一(吉沢亮)の従兄・渋沢喜作を演じている俳優の高良健吾にインタビュー。『花燃ゆ』(2015)に続き、2回目の出演となる大河ドラマの醍醐味や、本作の魅力について話を聞いた。

  • 『青天を衝け』渋沢喜作役の高良健吾 (C)NHK

大河ドラマ第60作となる本作は、新一万円札の顔としても注目される渋沢栄一の生涯を描く物語。幕末から明治へ、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように未来を切り開き、約500の企業を育て約600の社会公共事業に関わった“日本資本主義の父”で、晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれている。

高良が演じる喜作は、栄一より2歳上の従兄で、幼なじみとして育ち、生涯の相棒となる人物。直情的だが情に厚く、弁が立つ知性派の栄一とは正反対の性格で、幕末の混乱の中で彰義隊を結成し、栄一とは異なる道を歩む。

高良は、大河ドラマの面白さについて「長丁場で一つの役を演じられるということが本当に楽しい」と言い、「『花燃ゆ』では高杉晋作を演じ、『青天を衝け』では喜作を演じていますが、登場した瞬間からそのものではなく、だんだんみんなが知っているそのものになっていくというのを大河ドラマは楽しめる。その演じ分け、成長の仕方に対しては、自分に期待しています」と語った。

そして、「長丁場で一つの役を演じていると、自分の中で役が成長していく感覚があり、そうなっていくと『喜作はたぶんこういうことは言わない、こういうことはやらない』と思うようになる自分がいる。そういう状況になっていくのが面白いです」とうれしそうに話し、「ただ、そう思っても言わないこともあります。自分が全部正しいわけではないので」と加えた。

撮影は、1話ずつ順番に進めるのではなく、複数の回を行ったり来たりしながら撮影しているという。「7話くらい同時に撮っていて、15歳からいきなり23歳になったり、24歳になったり、しかもその間に、血洗島を出て攘夷を決意したり、幕府側についたり、いろんなことがある。シーンの幅がすごく大きくて、大変だなと思いながらも面白いなと思っています」と充実した表情を見せた。

切り替えが大変そうだが、「難しく考えたら難しくなってしまうし、シーンが変わるだけだと思って演じています」とのこと。この経験がほかの作品でも生かされそうか尋ねると、「ほかの現場でも順番通りの撮影ではないことがありますが、ここまでやりづらいことはないなと。そう思えると思います」と笑った。