俳優の吉沢亮が日本資本主義の父・渋沢栄一を演じる大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)。14日に放送された第1回は、世帯平均視聴率20.0%を記録し、好スタートを切った(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。21日放送の第2回では、栄一の子供時代が描かれた後、いよいよ吉沢が本格登場する。吉沢にインタビューし、大河ドラマ初出演の感想を聞いた。

  • 大河ドラマ『青天を衝け』で主人公・渋沢栄一を演じる吉沢亮

大河ドラマ第60作となる本作は、新一万円札の顔としても注目される渋沢栄一の生涯を描く物語。幕末から明治へ、時代の大渦に翻弄され挫折を繰り返しながらも、青天を衝くかのように未来を切り開き、約500の企業を育て約600の社会公共事業に関わった“日本資本主義の父”で、晩年は民間外交にも力を注ぎ、ノーベル平和賞の候補に2度選ばれている。

吉沢は本作が大河ドラマ初出演。「これだけ時間をかけて丁寧に1人の人物の一生を描くというのは大河ドラマの醍醐味だと思うし、これからの役者人生に生きることがたくさんあるなと感じながらやっています」と、俳優としての成長に期待している。

現場では、大河ドラマの贅沢な環境に驚いたという。「まずオープンセットを見たときに、あまりの規模の大きさにびっくりしました。セットもそうですし、キャストさんもスタッフさんも素晴らしい方々ばかりで、完璧に整えられた状況でお芝居ができるので、すごく贅沢な環境です」と興奮気味に語った。

ロケのシーンは特に印象深いそうで、「ひたすら走っていて、体力的に大変でしたが、ものすごく広い土地でのびのびお芝居させていただいるので、どのシーンも印象に残っています」と話し、また、「血洗島村の道場で剣術をやるシーンが多いんですけど、殺陣というよりアクションに近いくらい激しい動きがあり、やっていて楽しかったです」と振り返った。

そして、共演者全員から「影響を受けている」という吉沢。栄一の父・渋沢市郎右衛門を演じる小林薫について「一緒にお芝居をしていて、思った以上に柔らかさがありました。台本を読んでいる段階では、もう少しいかついお父さんなのかなと思っていましたが、すごく柔らかくて、『栄一のお父さんってこういう人なんだ』と、いい意味で予想と違い、お芝居を一緒にしていてもすごく新鮮な気分に毎回なりますし、家族の空気感はお父さんが作ってくださっているので、引っ張ってもらっているなと思います」と語った。

第1回では、街道を馬に乗って走る徳川慶喜(草なぎ)を、栄一(吉沢)といとこの渋沢喜作(高良健吾)が懸命に追いかけ、栄一が仕官の意志や自身が抱えている思いを慶喜に伝える、栄一と慶喜の初対面シーンが登場。

吉沢は、草なぎから刺激を受けていると言い、「そのシーンだけでも存在感というか、声を発したときの強さがビシビシと伝わってくるものがありました。栄一が草なぎさん演じる慶喜に一方的にいろいろ言うシーンでしたが、それでも草なぎさんのパワーに負けられないなと、こっちも熱量が上がりましたし、いいシーンだったなと思います」と初共演の感想を語った。物語が進むと増えていくという栄一と慶喜のシーンは大きな見どころになりそうだ。

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