幕末という同じ時代を描いた『花燃ゆ』では、長州藩の尊王攘夷の志士、高杉晋作を演じた高良。「高杉を演じたので長州側の気持ちもわかるし、今回は喜作側の気持ちもわかる。両方の気持ちがわかるということに役立っています」と言う。

そして幕末という時代について、「幕末に命を落とした人間を演じたことがあるから、また、喜作を演じていても思うのですが、自分の信念を最後まで信じて行動することの美学やかっこよさがあり、幕末は命を若くして落とす人が多かった」とし、そんな時代の中で「栄一は先の先を見て、どうすればこの国が良くなるのか考えていた」と言い、「その先の先を見る才能に惹かれました」と語った。

栄一の魅力についてさらに、「真ん中にあるものを大切にしながらも状況に応じて変わり、でも変わったことが裏切りではなく、裏切りと思われたとしても、その先にある栄一が信じるものを最後まで信じられる強さに惹かれました」と述べ、「栄一の近くにいたからこそ喜作は生き延びたと思います」と話した。

また、「栄一も喜作も、血洗島にいる渋沢一族は全員、とにかく真っすぐで国を思う力が強い。そこが魅力だと思います」と語る高良。そして、栄一や喜作のような若者たちが国のためと思って行動した幕末を描いたこのドラマは、多くの人たちの励みになるのではないかと期待している。

「コロナ禍というのもありますし、世の中に対して多くの人たちが実は思っていることや、我慢していることがあると思います。自分が行動しても何も変わらないと思うことも多いと思いますが、このドラマに出てくる人たちは、今ほど情報がなく、情報交換もできない中で、国を変えようと思って行動を起こした。多くの命が亡くなったり、いろんな過激なことが起こりますが、変わっていくさまを描いていくこのドラマは、コロナ禍で我慢している人たちにとって何か励みになるのではないかと思っています」

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