民放キー5局の4月改編情報が12日、出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大が番組制作に大きく影響する中、今回はその状況を反映する番組改編も行われることになった。

  • ダウンタウン(左)とマツコ・デラックス

■スタジオ企画に移行も新番組へ

象徴的なのは、ロケ企画がメインの番組の終了だ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ、金曜21:55~)は、街のお店でダウンタウン&坂上忍らとゲストがお酒を飲みながらトークを繰り広げる「本音でハシゴ酒」がコロナ禍で困難となり、スタジオ収録に移行。最近は、複数のゲストで円卓を囲み、お酒の席が盛り上がる話を披露する特別編「人志松本の酒のツマミになる話」を放送しており、後番組はこれをレギュラー化させ、そのまま番組タイトルに。放送時間を3分繰り下げ、21時58分スタートとなる。

また、『夜の巷を徘徊しない』(テレビ朝日、木曜24:15~)も終了。この番組は『夜の巷を徘徊する』として2015年にスタートし、その名の通りマツコ・デラックスが夜の街を練り歩き、人々と交流していく内容だった。しかし、ロケが困難となり、昨年10月に『夜の巷を徘徊しない』に改題、スタジオ企画を展開してきた。

いずれの番組も、コロナが終了の一因であることを認めているが、『火曜サプライズ』を終了させる日本テレビは「特段そのことで判断しているというより総合的に判断させていただいた」(田中宏史編成部長)と説明。金曜23時台から木曜25時台に移行する『アナザースカイ』についても、同様としている。

一方、23時台からゴールデンタイムに進出するテレ朝『家事ヤロウ!!!』(火曜18:45~ ※一部地域除く)は、家事素人のバカリズム、カズレーザー、中丸雄一が、簡単レシピなど家事テクニックを学んでいく内容で、コロナ禍で増えた“おうち時間”のニーズに対応すべく編成された。

■TBS・フジ新番組、NHK・日テレ新キャスターの8時台帯番組

タイムテーブルが大きく変わるのが、平日8時台の帯番組。フジは、小倉智昭キャスターの『とくダネ!』が22年の歴史に幕を下ろし、後番組は谷原章介&永島優美アナの『めざまし8』がスタート。早朝から放送される“めざましブランド”を打ち出したタイトルだが、「『とくダネ!』でもない『めざましテレビ』でもない番組を作りたいと思っております」(渡邊貴情報制作センター部長)と方針を語っている。

TBSは、立川志らく&田村淳の『グッとラック!』を終了し、川島明&田村真子アナの『ラヴィット!』を編成。『ジョブチューン』『櫻井・有吉 THE夜会』の小林弘典チーフプロデューサーが担当し、ニュースを扱わない“バラエティ番組”という位置づけだ。同局朝の帯番組では、かつて放送されていた『はなまるマーケット』もニュースを扱わない生活情報番組だったが、今回の新番組は「事件事故を扱わないという意味では、同じ時間帯で放送していたものでいうと『はなまるマーケット』に近いかもしれませんが、あえて例を出すなら弊社でいうと『王様のブランチ』的なニュアンスを目指しています。若干もう少し若めのイメージです」(編成部企画統括・三島圭太氏)と説明した。

  • 谷原章介(左)と川島明

さらに、日本テレビ『スッキリ』は、MCの水卜麻美アナと近藤春菜が卒業し、この春で入社4年目となる岩田絵里奈アナが加入。NHK『あさイチ』は、近江友里恵アナが退局にともない卒業し、『おはよう日本』『ニュース7』『ニュースウオッチ9』と看板番組を歴任してきた鈴木奈穂子アナが加入する。

受けて立つテレ朝『羽鳥慎一モーニングショー』は、2020年の年間で個人全体・世帯視聴率横並びトップを走っているが、「羽鳥慎一キャスターが、硬軟どのような話題にも分かりやすく伝える力、また専門家・コメンテーターたちの闊達な議論を視聴者目線でまとめ上げる安定感が視聴者の皆様のご支持につながっていると思いますので、それを引き続き強化していきたいと思います」(榊原誠志総合編成部長)という姿勢だ。

朝帯では他にも、『ZIP!』が総合司会を初回から務めてきた桝太一アナから水卜麻美アナに交代。『めざましテレビ』も、メインキャスターを永島優美アナから井上清華アナにバトンタッチし、この時間帯の民放2強が新たな顔で対決することになる。