きんだーてれび「きん☆モニ」や音楽バトルプロジェクト『IDOL舞SHOW』などを務める女優・声優の堀内まり菜。声優・アーティストの道を目指し始めた彼女が、2021年3月10日に、アルバム『ナノ・ストーリー』を引っ提げてLantisレーベルよりアーティストデビューする。夢を掴んだ彼女はいま、どんな気持ちでいるのか。全曲の作詞・作曲に自ら関わったデビューアルバムのことや、成長期限定ユニット「さくら学院」での活動を含めたこれまでの音楽歴などについてのインタビューが到着した。

  • 堀内まり菜(ほりうちまりな)4月29日生まれ。東京都出身。Apollo Bay所属。2010年4月~2014年3月に成長期限定ユニット「さくら学院」のメンバーとして活動。同ユニットを卒業後、目標であった声優・アーティストの道を目指す。その後、きんだーてれび「きん☆モニ」や音楽バトルプロジェクト『IDOL舞SHOW』などに出演。2021年3月10日にアルバム『ナノ・ストーリー』を引っ提げてLantisレーベルよりアーティストデビュー。

●アーティストは子供の頃からの夢

――まずは、アーティストデビューの話をもらったときに感じた率直な気持ちを教えてください。

以前から歌をもっと多くの人に届けたいと思いながら芸能活動をしていたので、「嬉しい!」の一言でした。

――アーティスト活動をすることが夢だった。

はい。子供の頃から歌が好きで、音楽活動をすることは夢のひとつでした。

――子供の頃から歌が好きということですが、何か習い事などはされていましたか?

2歳のときからヤマハ音楽教室に通い始め、エレクトーンを習っていました。発表会で『ピーター・パン』の「You Can Fly!」という曲を演奏したことがすごく思い出に残っています。また、小学校高学年の頃からピアノも習い始めて、クラシック音楽にも触れるようになりました。同じくらいの時期から、歌のレッスンにも通っていましたね。高校生くらいからはロックが好きになってギターを習い始め、今も引き続き音楽の勉強をしている最中です。

――色々な楽器や音楽に触れてきたんですね。それだけ音楽に引き込まれた理由は?

すべての意味が音楽にあると感じたんですよね。もちろん、ドラマや舞台を見ることも好きですが、本音や本当のことを感じられたのは、メロディーからだったんです。

――そんな音楽を愛する堀内さん。ロックが好きというお話もありましたが、これまでどういう音楽を聞いてきましたか?

小さい頃はエレクトーンやピアノの習い事を通じて触れた、ディズニーの音楽やバイエル・ブルグミュラーなどのクラシック音楽をよく聞いていました。あとはアイドルソング! 特にハロー!プロジェクトさんやモー娘。(モーニング娘。)さんの曲をよく聞いていました。

――私はモー娘。のファンクラブに入っていて、昔はよくライブにも行っていました。

本当ですか!? あっ、私は久住小春さん推しです!

――私は矢口真里さん推しです。

そうなんですね! 芸能界に入ろうと思ったのも、久住さんに憧れたのがきっかけだったんですよ。

――久住さんに憧れたのがきっかけで、『ちゃおガール2007オーディション』に応募して入賞し、その後、2010年には「さくら学院」のメンバーに選ばれ、アイドル活動をしていくこととなりました。

大好きなモー娘。さんや久住さんみたいにステージで歌って踊って、お客さんにも楽しんでもらいたいと思っていたので、「さくら学院」のメンバーになれたのは、本当に嬉しかったです。

●声優との出会い

――アイドル活動をされていた堀内さんですが、現在は女優・声優として活動をされています。歌を多くの人に届けるのが夢だったというお話でしたが、女優や声優も以前からやりたいことのひとつだった?

そうですね。特に声優を意識するようになったのは、中学2年生の頃。当時は「さくら学院」にまだ所属をしていました。その時のマネージャーさんが、たくさんのアニメソングが収録されたCDを私にプレゼントしてくれたんです。そこで、水樹奈々さんの「You have a dream」を聞いて、今までにない輝きを感じました。そこから、水樹さんのことが気になってどんな人なのか調べていったら、声優さんであることを知って。そうして、アニメも見るようになり、現実じゃ起きないような世界観にとても惹かれて、声優を意識するようにもなりました。

――声優の仕事に興味を持ち始めた頃に触れたアニメは?

『魔法少女まどか☆マギカ』です。あの何とも言えない世界観にハマりました。好きすぎて、高校生の頃には現代と過去の魔法少女作品を比較してみたこともあります。いつかは魔法少女役を演じたいですね。

――その他、どのようなアニメをよく見ますか?

『エヴァンゲリオン』や『ソードアート・オンライン』など、世界感強めの作品を好んで見ます。『エヴァンゲリオン』に至っては、綾波レイの名言を生徒手帳の裏に書いて、「いつも綾波と一緒だ」という気持ちでいるくらい作品にのめり込んでいました(笑)。

――夢のひとつとなった声優。これまで様々なアニメにご出演されていたほか、『ライブレボルト』『IDOL舞SHOW』といったメディアミックスプロジェクトにも出演され、キャラクターボイスを務めています。各メディアミックスプロジェクトではキャラクターとして歌う機会もありましたが、音楽に対する意識に何か変化はありましたか?

そもそも声優としての演技経験が豊富にあったわけではなかったので、まずはセリフをいかにナチュラルに言えるのかなどの勉強をたくさんしました。今も学んでいる最中です。キャラクターとして歌うときも同じように、いかに自然に歌えるのかを追求していますね。そのキャラクターがなぜその曲を歌うのかという心情やシチュエーションを考えています。こういった経験から、音楽には色々な表現方法があることを改めて知りました。

●等身大の気持ちを伝えられた「さくら学院」のライブ

――さまざまな活動を経て、2021年3月にデビューアルバム『ナノ・ストーリー』をリリースされます。

まずはひとつの物語を作りたいと思ったんです。最初に思い描いたのは、1本の虹を渡っていく冒険。今の自分はちっぽけな存在かもしれないけども、その虹を渡り切った先に見える景色はきっと変わっている。そのワクワクや変わりたい気持ちを投影したいというお話をしました。

――物語を作りたいという発想があったから、タイトルに「ストーリー」が入っている。

結果的にはそうなりましたが、タイトルを決めたのは全曲作り終わった後だったんですよ。出来上がった曲を並べたときに、ちゃんと物語になっていると確信できたので、「ストーリー」を入れました。

――「ナノ」にはどのような意味が込められていますか?

アーティストとして活動がスタートしたばかりの自分が書いた曲の大きさって、まだまだ小さいと思ったんです。だから私の名前の一部が入っている「ナノ」という小さな単位の言葉をタイトルに付けました。

――「堀内まり菜の物語(ストーリー)」の始まりでもある本アルバム。収録される全曲の作詞・作曲は新津由衣さんと堀内さんの共作となります。すべての曲を手掛けることは最初から決めていましたか?

できることならやりたいと思っていました。高校卒業前後から歌詞を書き溜めていたんです。それに、小さい頃から音楽にずっと触れてきていたので、デビューアルバムではありますが、挑戦したいという気持ちが強くて。それをスタッフさんが理解してくださっていて、「自由に作ってみようか」と言ってくれました。

――作詞・作曲をやろうと思ったきっかけは?

中学卒業のタイミングで「さくら学院」からも卒業しました。「さくら学院」の頃はライブなどを通じてお客さんに、等身大の気持ちを伝えられていたんです。でも卒業をしたら、自分の心のなかにある想いをどう発信していいのか分からなくなって……。それで、もやもやしているときに、「もういっそ、自分で曲を作っちゃおう」と思ったんですよ。その時はアーティストデビューできるとは夢にも思っていませんでしたが、とりあえず何かをしておきたくって。

――「さくら学院」の頃の思い出が、堀内さんの心を突き動かしたんですね。

「さくら学院」の頃のライブがすごく楽しかったんです。気持ちを交換し合えているような感じがして。もう一度、あの感覚を味わいたいと思っていて、気が付いたら詞を書いていました。

――作詞・作曲ともに新津由衣さんとの共作ですが、どのように制作を進めていきましたか?

まずは天気や温度、色など曲のイメージや歌詞の方向性を由衣さんに伝えて、それを音源にしてもらう、というスタイルで制作しました。イメージに関しては、歌の中で見えた景色をイラストなどにして送ったこともあります。中学生ぶりに絵の具を引っ張り出して書いたので、なんだか楽しかったですね(笑)。