角換わりの将棋で快勝し、決勝トーナメント進出まであと1勝

第34期竜王戦2組ランキング戦(主催:読売新聞社)の2回戦、▲渡辺明名人-△郷田真隆九段戦が1月19日に東京・将棋会館で行われました。本局含め、あと3勝で優勝、2勝で決勝トーナメント進出という対局です。結果は91手で渡辺名人が勝利。次戦で屋敷伸之九段-八代弥七段戦の勝者と対戦します。

振り駒で先手になったのは渡辺名人。戦型は角換わりとなり、腰掛け銀模様に進みます。しかし、両者が銀を腰掛ける前に郷田九段が仕掛けて戦いが勃発しました。

持ち時間を序・中盤からじっくりと使う印象のある郷田九段ですが、この日は決断良く指し進めていきました。研究手順なのでしょう、仕掛けた後もほとんど時間を使いません。昼休に入った段階で、消費時間はわずか19分でした。一方の渡辺名人は小刻みに時間を使っていきます。

しかし、渡辺名人が昼休明けに着手した▲2六桂で様子が一変します。この手を見た郷田九段は長考に沈みました。そして考えることなんと3時間、ついに次の手を指しました。

実はこの▲2六桂が好手。渡辺名人がリードを奪うことに成功していたのです。郷田九段渾身の長考もこれを覆すには至りませんでした。渡辺名人は▲2六桂以降も郷田九段の攻めに手厚く対処し、差を詰めさせません。そして激しく反撃に出ました。▲6四桂と2枚目の桂を打って郷田玉を不安定にさせたあと、今まで働きがイマイチだった自陣の飛車を活用したのが決め手。以下郷田九段に粘りを与えることなく寄せ切りました。

この勝利で渡辺名人は2組ランキング戦の準決勝に進出です。あと1勝で決勝トーナメント進出となります。竜王を11期獲得し、永世竜王の資格を保持している渡辺名人。今期はどのような活躍を見せてくれるでしょうか。

16日の朝日杯ではベスト4に進出するなど、今年も好調な渡辺名人(提供:日本将棋連盟)
16日の朝日杯ではベスト4に進出するなど、今年も好調な渡辺名人(提供:日本将棋連盟)