政府のマイナス金利政策の影響で、現在は各種金利が低く抑えられており、住宅ローンも例外ではない。その意味では、まさに今がマイホームの買い時、なのかもしれない。

だが一方で、折からのコロナ禍で先行きが見通せず、果たして多額のローンを組んでもいいものか悩んでいる人もいることだろう。マイナビニュース会員801人に「住宅ローンにまつわるアンケート」を行い、その結果を4回に分けご紹介。2回目の今回は、「住宅ローンを選んだポイント」などについて聞いてみた。

  • どの金融機関の住宅ローンが人気?

Q.あなたは現在、住宅ローンを利用していますか?

「はい」(41.2%)
「いいえ」(58.8%)

Q.現在、どちらの金融機関の住宅ローンを利用していますか?

  • 利用している住宅ローン、トップは「地方銀行」で4分の1強に

1位「地方銀行」(25.2%)
2位「三井住友銀行」(8.8%)
3位「信用金庫」(7.9%)
4位「みずほ銀行」(6.4%)
4位「りそな銀行」(6.4%)
6位「労働金庫」(4.2%)
7位「三井住友信託銀行」(3.3%)
7位「信用組合」(3.3%)
9位「イオン銀行」(3.0%)
10位「楽天銀行」(2.4%)
10位「信農連」(2.4%)

Q.その金融機関を選んだ理由を教えてください(自由回答)

■「地方銀行」

・「地域密着サービスが気に入っているからです」(35歳男性/化粧品・医薬品/その他・専業主婦等)
・「ハウスメーカーから提案された銀行の中で、身近に存在する銀行だったから」(38歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)
・「給与振り込み、電気代、ガス代、電気代などをその銀行で引き落とししていたから」(49歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「義理の両親の知り合いがいた関係でお願いした。地方の最大手では駄目だった、ということもある」(49歳男性/広告・出版・印刷/その他・専業主婦等)
・「知人に相談できて有利だったから」(43歳男性/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「会社でのメインバンクでもあり、給料振込もこの銀行だったため。また、多少の利率が良くなった」(48歳男性/建設・土木/建築・土木関連技術職)
・「最初から金融機関を限定されていたため」(38歳男性/放送・新聞/営業関連)
・「地元で、安心感がありますからね!」(48歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)

■「三井住友銀行」

・「メインで利用している銀行であり、ネットで残高等も確認できるから」(40歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「金額が大きくなかったので金利があまり気にならなかったため、手堅く付き合いのある銀行にした」(46歳女性/サービス/販売・サービス関連)
・「大手で安心だと思った」(34歳女性/その他電気・電子関連/IT関連技術職)

■「信用金庫」

・「知り合いのすすめもあり、安心して信頼できるから」(44歳男性/その他/その他・専業主婦等)
・「家から近いし、もとから取引があった」(46歳女性/コンピューター機器/IT関連技術職)
・「昔から取り引きのある金融機関で信用できることと、担当者の対応や条件も納得できたから」(36歳男性/その他/その他・専業主婦等)

■「みずほ銀行」

・「仕事のメインバンクで優遇されるから」(40歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)
・「会社と提携していて、少し金利を安くしてくれた」(49歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「不動産会社からの紹介」(47歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

■「りそな銀行」

・「普段使っている銀行なので」(42歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「初めはゆうちょを使っていたが、金利が変わってしまったのでそちらに乗り換えた」(25歳女性/官公庁/その他・専業主婦等)
・「建設業者から、優遇があると言われたから」(47歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)

■「6位〜10位」

・「労働金庫: 会社での取引があったから」(48歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)
・「三井住友信託銀行: いろいろ比較して、金利が一番良かった」(46歳男性/その他/専門職関連)
・「信用組合: 口座があり、良く利用しているから」(46歳男性/農林・水産/技能工・運輸・設備関連)
・「イオン銀行: 労働金庫からの借り換えなのですが、ちょうど労働金庫の固定金利期間が終了の時で、利息が上がるタイミングにイオン銀行が低金利だった」(41歳男性/その他/その他技術職)
・「楽天銀行: フラット35を使ったので、金利ではなくポイントなどの付加価値の高さで選んだ」(49歳女性/人材派遣・人材紹介/その他・専業主婦等)
・「信農連: 自分が兼業農家なので選びました」(35歳男性/その他/その他・専業主婦等)

Q.住宅ローンを選ぶ際に重視したポイントは何ですか?(複数選択可)

  • 住宅ローンを選ぶ際に重視したポイント、7割近くが「金利」と回答

1位「金利」(68.2%)
2位「金融機関の信用度や対応」(40.6%)
3位「手数料」(34.2%)
3位「返済プランの内容」(34.2%)
5位「手続きの簡便さ」(22.4%)
6位「団体信用生命保険の保障内容」(20.0%)
7位「周囲やネット上での評判」(13.0%)
8位「付帯サービス」(11.8%)
9位「その他(自由回答)」(2.1%)

■総評

調査の結果、マイナビニュース会員のうち、現在、住宅ローンを利用しているという人は全体の41.2%で、全体の4割以上が住宅ローンの返済中であることがわかった。

現在、どの金融機関の住宅ローンを利用しているかを聞いたところ、1位は「地方銀行」(25.2%)となり、おそよ4人に一人の割合で利用している、ということになる。2位「三井住友銀行」(8.8%)、3位「信用金庫」(7.9%)、4位「みずほ銀行」「りそな銀行」(各6.4%)と続くが、いずれも10%に満たない数字であり、相対的に地銀の強さが際立っている。

ここで、トップ10に入った各金融機関を大別してみよう。1位「地方銀行」、3位「信用金庫」、6位「労働金庫」、7位「信用組合」、10位「信農連」はそれぞれタイプは異なるものの、大まかに地域密着型の金融機関といっていいだろう。2位「三井住友銀行」、4位「みずほ銀行」「りそな銀行」、7位「三井住友信託銀行」はメガバンクや都市銀行などの大手銀行。9位「イオン銀行」、10位「楽天銀行」(2.4%)は、いわゆる「新たな形態の銀行」に属する銀行で、インターネット専業であったり、商業施設との連携を主体にしていたりといった特色を持っている。

次に、その金融機関を選んだ理由を聞いた。1位「地方銀行」では、「身近」「地元」「知人の紹介」などのワードが散見された。これは、3位「信用金庫」でも共通している。2位「三井住友銀行」、4位「みずほ銀行」「りそな銀行」ではそれらに加わえ、大手ならではの「信頼感」や「安心感」が評価されている。

また、いずれの金融機関でも、「メインバンクとして使っている」「仕事の付き合いがある」「金利が安い」「ハウスメーカーや不動産会社から勧められた」などが共通した選択理由として見られた。

この流れで、住宅ローンを選ぶ際に重視したポイントを聞くと(複数選択可)、1位は7割近くの人が挙げた「金利」(68.2%)となった。以下、2位「金融機関の信用度や対応」(40.6%)、3位「手数料」「返済プランの内容」(各34.2%)、5位「手続きの簡便さ」(22.4%)と続く。

やはり住宅は大きな買い物であるだけに、トータルの支払い額に大きな違いをもたらす「金利」を重視している人が多いというのは、当然の結果かもしれない。ただし、先に聞いた「その金融機関を選んだ理由」では、「金利の安さ」を挙げる人はそこまでは目立ってはいない。

多くの場合、住宅は購入後は数十年単位でその場所に定住することが前提となる。住宅ローンを組む際には、もちろん「金利」は意識しつつも、長く付き合える、信頼感や安心感を持ちやすい地場の金融機関を選ぶ、ということだろうか。いまや、ネットの比較サイトなどでいくらでも低金利の商品を検索できる時代だが、実際に住宅ローンを選びに際してはかなり、"地に足をつけた"選び方をしている人が多い、という印象だ。

調査時期: 2020年10月13日~2020年10月14日
調査対象: マイナビニュース男女会員
調査数: 801人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません