毎日を健康的に過ごすために大切なのが睡眠の質です。「布団に入ってから眠るまでに時間がかかる」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きたときから体が重い」「日中に眠くなる」といったお悩みがある方は、質の良い眠りを妨げる原因があるかもしれません。

この記事では、睡眠を阻害する原因と、眠りの質をよくするための「入眠儀式」のアイデアをご紹介します。

  • 睡眠にお悩みの方は、今回紹介する「入眠儀式」を試してみては?

    睡眠にお悩みの方は、今回紹介する「入眠儀式」を試してみては?

睡眠が阻害される原因

睡眠が阻害されたり睡眠の質が悪くなったりする原因は、身体的なものや心理的なもの、環境などさまざまです。

睡眠環境の光や温度の刺激が強い

寝室の環境は睡眠の質に影響を及ぼします。明るい、騒音がする、湿度・温度などが不快などの環境は脳への刺激が強いため、入眠を妨げて睡眠の質を低下させます。暗くて静かで、ほどよい室温・湿度を保った寝室に整えましょう。

また、就寝前にテレビやスマホ、パソコンを見ることも脳への刺激となります。スマホやパソコンの画面から発するブルーライトは、睡眠リズムに関係しているメラトニンの分泌を抑えてしまいます。

質の良い睡眠のために、寝る前にテレビやスマホ、パソコンなどはなるべく見ないように気をつけましょう。

ストレス過多になっている

睡眠を阻害する原因として過度なストレスがあります。

睡眠には、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類があります。簡単にいうと、ノンレム睡眠は「脳が眠っている睡眠」、レム睡眠は「脳が起きている睡眠」です。

脳の疲れを回復するにはノンレム睡眠が必要ですが、過度なストレスによって脳の緊張状態が続くとノンレム睡眠の時間が少なくなります。結果、寝ている間に脳が十分に休めず、朝の目覚めがスッキリせず、朝から体が重いような状態になります。 日々の習慣や生活スタイルを見直し、ストレスをため込まない工夫をしましょう。

よく眠れるようになるための簡単な対処法

よく眠れるように、寝る前に行う習慣のことを「入眠儀式」といいます。入眠儀式にはさまざまな方法があり、毎日決まった行動を繰り返すことで、体を眠るモードに切り替えるためのスイッチになります。

先ほど解説したように、ストレスは睡眠の質を悪くする大きな原因です。よく眠れるようになるための対処法として、緊張やストレスを緩和し、リラックスできる入眠儀式をご紹介します。

寝やすいパジャマに着替える

寝るときは、ジャージやスウェットではなく、パジャマに着替えましょう。 パジャマは就寝用につくられているので、吸湿・吸水性や保温性などの機能が優れています。

夏場は特に、寝ている間に大量の汗をかくことが睡眠の質を低下させる原因となります。暑い時季は、吸湿・吸水性が高い綿や麻のパジャマがおすすめです。

寒い時季は、体温を外に逃がさない保温性も重視しましょう。厚みのある冬用のパジャマなら、寝冷えを防いでくれます。

寝る前に、季節に合わせたお気に入りのパジャマに着替えることで、脳が睡眠モードに切り替わり、リラックスした状態で眠りにつくことができます。

お気に入りのアロマを嗅ぐ

自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があます。副交感神経は、落ちついてリラックスしているときに優位に働き、ゆったりとした眠りにつながります。反対に、交感神経は脳や体が活発なときに優位に働き、就寝時に交感神経が優位だと、心身がなかなか休まりません。

良質な眠りのためには、就寝前にリラックスして副交感神経を優位にさせることが大切です。寝る前にアロマテラピーを使うと、心地よい香りによって心身がリラックスして、副交感神経が優位になりやすくなります。

アロマディフューザーやアロマキャンドル、アロマストーンなど、アロマオイル専用のグッズを使うほか、アロマオイルをコットンやティッシュに染み込ませて、枕元に置いておくだけでも香りの効果があります。ただし、オイルはシミになりやすいため、寝具に直接原液が付かないように気をつけましょう。

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リラックスできる音楽を聴く

香りと同様に音楽にもリラックス効果があります。リラックスできる音楽のジャンルは、クラシックや落ち着いたジャズ、川のせせらぎや波の音といった自然の音などです。

反対に、ロックやヘビーメタルなどの激しい音楽は覚醒してしまうので寝る前に聞くことは控えましょう。

悩みを紙に書き出す

悩みごとを抱えていると交感神経が優位に働き、興奮状態になって寝つきが悪くなることがあります。

そこで、悩みごとや不安が多い方は、眠る前にそれらをすべて紙に書き出すことがおすすめです。何に悩んでいるのか、何が不安なのか、どうしたら解決するのかなど、思いつくままに書き出してみましょう。

眠る前に悩みごとを整理しておくことで、スッキリとした気持ちで就寝できます。

瞑想をして頭をクリアにする

疲れているはずなのに眠れないときは、さまざまな考えが次々と浮かんでいるからかもしれません。

寝る前に瞑想をすることで、雑念を取り払うことができます。眠れないときはもちろん、就寝前の瞑想を日課にすることで、落ち着いた心で眠りにつくことができます。

瞑想には複数の方法がありますが、シンプルな方法をご紹介します。ベッドや布団に寝転がった状態で体を楽にして、呼吸に集中する、これだけです。瞑想中は、過去や未来ではなく「今、この瞬間」に意識を向けるようにしましょう。

1分程度の瞑想でも効果が期待できるといわれています。慣れてきたら、徐々に瞑想の時間を増やしてみましょう。

寝つきを良くする生活習慣

寝つきを良くするには毎日の生活習慣も重要です。ちょっとした習慣の積み重ねが寝つきの良さや睡眠の質に影響を及ぼします。次にご紹介する習慣を、できるものから取り入れてみましょう。

就寝の3時間前には食事を済ませる

食事の内容だけでなくタイミングも大切です。朝食は簡単なものでも必ず摂るようにしましょう。朝に十分なエネルギーを補給できていないと、夜の就寝にも影響することがあります。また、夕食は就寝時間の3時間前に食べるようにします。就寝直前の食事は寝つきの悪さにつながってしまうため、寝る3時間前を目安に食事を摂り、就寝前までに体内の消化活動を終えられるようにしましょう。

就寝の1時間前にはお風呂に入る

体温が下がると寝つきやすくなり、眠りも深くなります。そこで、寝る前に体温を少し上げておくことがポイントです。就寝の2~3時間前にお風呂に入っておき、寝る前の体温を調整しましょう。

40度以下のぬるめのお湯に15分程度ゆっくり浸かることで、体温の上昇だけでなくリラックス効果も得られます。

起床と就寝の時間を定期化する

寝る時間と起きる時間が毎日違うと、体内時計(概日リズム)が狂ってしまいます。つい、休日前に夜更かししてしまったり休日に普段より遅くに起きたりしてしますが、1日でも起床や就寝の時間が変わると、概日リズムが変わり睡眠の質を悪くしてしまいます。 休日も含めて、毎日なるべく同じ時間に寝起きしましょう。起床・就寝時間の誤差は30分以内に留めるのが理想です。

寝つきを良くするための対処法を実践しよう

なかなか寝つけないときに「早く寝ないと」と焦ると、緊張して頭が冴え、ますます眠れなくなるという悪循環に陥ってしまいます。寝つきを良くするためには、リラックスをすることが大切です。うまく寝つけないときには、睡眠儀式を行ってみたり、一度ベッドや布団から出て温かい飲み物を飲んだりして、気持ちを落ち着かせましょう。

不眠や夜中に目が覚めてしまう中途覚醒などの症状が続く場合は睡眠障害の可能性があるため、早めに専門科を受診しましょう。