面接で自己PRをするのに適切な時間は1分といわれています。1分間で伝えられることが限られているため、効率のいい伝え方を検討しなければなりません。

本記事では、面接で1分の自己PRを成功させるためにできることを紹介します。自己PR文の組み立て方や取り上げたいエピソード、1分面接に適した長さの例文をまとめていますので、面接での自己PR対策の検討にご活用ください。

【ポイント6選】自己PRを1分にまとめるポイント

自己PRを1分にまとめるポイントは以下の6点です。

  1. 1分の自己PRに適した文字数は300字程度
  2. 自己PR文におすすめの構成で文章をまとめる
  3. アピールポイントは1つに絞る
  4. アピールポイントの具体例となるエピソードが重要
  5. できた文章を見て要点が伝わるよう推敲
  6. 実際に練習して最終的な文字数を調整

いずれも難しいことではなく、ひとつひとつ着実に実行することで、だれでも効果的な自己PR文が作成できます。それでは、具体的にどうするのかを解説します。

  • 自己PRを1分にまとめるポイント

    自己PRを1分にまとめるポイント

1.1分の自己PRに適した文字数は300字程度

1分間の自己PRに適した文字数は、200字から400字と諸説あります。履歴書の自己PR文と比較するとちょうど2倍程度の文章量です。

まず、300字ぐらいをベースに自己PR文を作成しましょう。できた自己PR文を使って何度か面接の練習をし、ちょうどいいスピードと文字数になるよう調整するという流れで文章量を決めていきましょう。

2.自己PR文におすすめの構成で文章をまとめる

自己PR文の構成方法にはさまざまな手法があります。中でも自己PRしやすい構成を2パターン紹介しますので、利用しやすい方を選んでください。

I.結論と経験を説明した後、最後のPRを説明

1つめは、最初に自分の長所を説明し、その長所を活かした過去の経験で課題をどうやって解決したかを伝え、最後に長所を活かしてどう活躍するかを説明する構成です。以下の枠組みで検討してください。

1 結論 自分の長所を1つの文で端的に伝える
2 経験(課題) 過去の経験から解決すべき課題を抽出
3 経験(解決) 解決すべき課題を、自分の長所を生かしてどうやって解決したか、その方法を説明
4 経験(成果) 解決した結果得た成果(数字で示すよう工夫)
5 最後のPR ここまで述べた長所を仕事でどう活かすかを具体的に説明

冒頭で、自分の長所を端的に表現して覚えてもらい、その長所を活かす過去の体験を具体例として説明します。ここで選択する過去の体験は、何か課題があり、その課題を長所によって解決し、どういう成果を出したかが説明できるものを選んでください。

最後のPRでは、ここまで説明した長所を仕事でどう活かして会社に貢献できるかを説明して自分を売り込みます。いわば、この部分こそ、自己PRの肝となる部分です。最後のPRを活かすためにそれまでの説明をするという意識で文章を作るよう意識しましょう。

II.PREP法による自己PR文の構成

自己PR文のまとめ方に適した手法としてPREP法があります。PREP法の場合は、以下のように結論を説明した後、理由、具体例、結論という順番で構成するのが特徴です。

1 結論(Point) 自分の長所を1つの文で端的に伝える
2 理由(Reason) なぜその長所なのかという理由を説明する
3 具体例(Example) その長所がよくわかる過去の体験を提示
4 結論(Point) ここまで述べた長所を仕事でどう活かすかを具体的に説明

ひとつめの構成と大きく違う点は、自分の長所を端的に伝えた後、「なぜその長所なのか」という理由を述べる点です。この「理由」に当たる部分は、経験から得た成果を説明することになります。

どちらの構成でも全体として伝える内容は同じなので、文章を作りやすいほうを活用してください。

3.アピールする長所は1つに絞る

300字程度の情報量では、あまり多くの長所は詰め込めません。アピールする長所は1つに絞り、その長所が再現性のあることを示すエピソードを1つか2つ選択するとちょうどいい長さになります。

どうしても長所を2つ入れたい場合は、相互に補完し合う関連性の高い長所を組み合わせましょう。エピソードで、両方の長所を説明できるとまとまりがよくなります。

4.アピールする長所の具体例となるエピソードが重要

自己PRに取り上げる長所が決まったら、次にその長所の具体例となる過去の経験から、使えそうなものをいくつかピックアップします。自己PRするためには経験の中に課題があり、その課題を解決したという流れが必要です。できれば課題を解決した成果を数字で説明できるエピソードを探しましょう。

もうひとつ重要なポイントは、そのエピソードで自分の「人となり」を伝えられるかという点です。面接官は、あなたがどういう人間で、物事に対してどのように取り組む人なのかを知りたいと考えています。また、自分のことを客観的に説明できるかも見ています。

自分らしいエピソードを選ぶと同時に、長所が会社でも活かせることを客観的な数字も入れて説明できれば、より「伝わる」自己PR文を作れます。

5.できた文章を見て要点が伝わるよう推敲

自己PR文を作成したら、要点がまとまっているかを確認しましょう。自分の長所を端的に表現できているか、経験で困っていたこと(課題)と解決方法は説明できているか、と順番にチェックします。

6.実際に練習して最終的な文字数を調整

文章が完成したら、実際に読み上げてみて、1分以内に収まる長さかどうかを確認します。面接を意識した練習をするときは、必ず録音して聞き返し、早口になっていなか、遅すぎないかも確認します。

話すスピードも確認しつつ文字数の調整を何度か繰り返すと、自分にとってベストの文字数が決まるでしょう。