就活や転職での面接では、ほとんどの場合に面接官からの質問で自分の長所や短所を聞かれます。想定質問のひとつとして回答を準備しておきやすい質問ですが、短所の答え方には少し注意が必要です。

本記事では、面接官が短所を質問する理由と自己PRで短所をアピールするときのコツや履歴書への書き方についてまとめました。短所を長所に言い換える表現や、短所をフォローする表現方法についても紹介していますので、面接の準備や履歴書・職務経歴書をこれから作成する方はぜひ参考にしてください。

短所を自己PRに活かすコツと履歴書への書き方

自己PRで短所を取り上げる場合は、最終的な話の流れを「御社で活躍できる人材」としてアピールする方向でまとめなければなりません。短所を長所としてアピールするコツと、履歴書への書き方について解説します。

  • 短所を自己PRに活かすコツと履歴書への書き方

    短所を自己PRに活かすコツと履歴書への書き方

短所を長所に言い換える

自己PRや面接の質問で短所を答える場合、そのまま短所を説明するだけで終わると、悪印象だけが残ります。

面接官が確認したいことは、短所を正直に伝えて適切に自己フォローできるかという点であると考えてください。短所を長所で言い換えるか、自分で短所を自覚してフォローしていることを伝えましょう。具体的な話の流れは以下の通りです。

1. 私にはこんな短所があります、と結論を提示
2. 短所を長所としてとらえ役立てた具体例を過去の体験から説明
3. 言い換えた長所を御社の仕事でこのように役立てますと締めくくる

最終的には、言い換えた長所を活かして御社に貢献しますという自己PRにつなげるように意識しましょう。

短所のまま伝える場合はフォローもセットで

短所をそのまま説明する場合は、その短所をどのようにフォローしているかを説明します。締めくくりは、御社でもこのカバー方法を実践して仕事を問題なくやり遂げます、と説明しましょう。話の流れは以下の通りです。

1. 私にはこんな短所があります、と結論を提示
2. 短所をどうカバーしてきたかという具体例を過去の体験から説明
3. 短所をカバーする方法で、御社の仕事も支障なく進められる、と締めくくる

短所を長所に言い換えるか、フォロー方法を説明するかは、その内容を証明できる過去のエピソードが見つかるかどうかで決めるといいでしょう。

短所、および短所に対して対策を講じた結果には「客観性」を

説明する短所を選んだ理由、または短所に対して対策を講じた結果を説明する部分には、客観性を持たせるよう工夫しましょう。

短所について誰かから指摘された、あるいは短所のせいで失敗した事実があれば、短所の選択に客観性が出ます。短所に対して対策を講じて成果が出た場合は、具体的に数字で示すか、他人からの評価を提示することで客観性を説明しましょう。

短所、解決行動、仕事への活かし方の順番で履歴書に書く

履歴書の自己PR文の書き方も、ここまで説明してきた組み立て方とほとんど同じです。履歴書の自己PR欄に記載できる文字数は200字と少ないため、一度書き出した自己PR文を削りこんで200字に納めるよう工夫しましょう。

自己PRに取り上げるべきではない短所

さまざまな短所を長所に言い換える、あるいはフォローする方法を紹介してきましたが、実は自己PRに取り上げるべきではない短所も存在します。その短所とは何かについても確認しましょう。

  • 自己PRに取り上げるべきではない短所

    自己PRに取り上げるべきではない短所

誠実に仕事ができなさそうに聞こえる短所

短所のなかでも、「この人は仕事を誠実に遂行できないのではないか」と採用担当者に不安を抱かせるような短所は避けるほうが無難です。具体的には、以下の短所が当てはまります。

  • 時間にルーズ
  • 約束を守れない
  • 嘘をつく

社会で仕事をするには、時間厳守・納期厳守は必要最低限求められることです。仕事の基本ルールさえ守れない可能性がある人材を採用したいと考える企業はほとんどないでしょう。嘘をつく人は、進捗確認ができない、報告があてにできないなど、基本的な信頼関係の構築が困難です。

これらの短所だけは、自己PRとして選ばないようにしましょう。

仕事に関係のない短所

仕事をするためにまったく関係のない短所も、自己PRで取り上げるべきではない短所です。自己PR文を作ってみて、会社へのPRで締めくくることができなければ、仕事に関係のない短所を語っていることになります。

いろいろな短所で自己PR文を作ってみて、こじつけや無理やり感なくスムーズに説明できるか確認しましょう。

例えば、「私の短所は歩くのが遅いことです」と説明したとしましょう。歩くのが遅いという短所を、仕事に役立つ長所として言い換えるのは難しいのではないでしょうか。

もちろん、仕事によってはゆっくり歩くことがプラスに働く場合もあるかもしれません。自身が希望している職種が、選んだ短所にマッチしていて説明ができるならその選択で大丈夫です。