フリーランスライターである筆者の手順を公開
筆者自身、前職を退職した後、4年の時間をかけてフリーランスのライターとして少しずつ収入を伸ばしてきました。4年ほど前のからの体験談になるため、現状とはずれがあるかもしれませんが、ひとつの参考例としてご一読ください。
文字単価0.5円の案件からスタート
筆者は、20年以上勤めていた会社を退職した後、一度同じ業界で派遣社員として1年近く働いていました。クラウドソーシングサイトにも登録していましたが、そのころはいくら応募しても案件を獲得することができないでいました。
初めてのライティング案件は、インターネット上で募集されていた占い鑑定文の作成案件です。取引先は3社ありましたが、当時の文字単価は0.5円、0.7円、0.9円固定でした。
量をこなして執筆スピードを上げる訓練
文字単価が低い仕事をしている時代は、文字数を多くこなすことで、毎月10万円の収入を得るまでになりました。
自分の執筆スピードは大体1時間1,000字でしたが、しばらく訓練を続けているうちに、1時間2,000文字程度までは書けるように。占いの知識があったため、占い鑑定文作成の仕事を続けていました。インターネットであまり検索しなくても、持ち前の知識で文章が書けるので、それだけ執筆スピードも高めることが可能でした。
収入を増やす転機はある人との出会い
ひたすら占い鑑定文作成の仕事を続けている私ですが、収入の上限も見えてきて、将来性に疑問を抱くようになりました。そのころ、ライターとして自立するきっかけとなった、大きな出会いが訪れます。占い鑑定文の仕事をしてから半年ほど経過したころのことです。
その方は、クラウドソーシングサイトで公式に近い案件を担当している人でした。その方から定期的に仕事を受けることができるように。占い鑑定文以外の文章を書く楽しさを知った私は、精力的にその方の仕事を続けます。回ってくる案件は必ず文字単価1.0円以上はあったため、収入も安定感を増しました。
このころの仕事は、旅行関連・グルメ関連・医療関連・美容関連と、とにかく多種多様。どの案件も私にとっては勉強の連続です。
しばらくクラウドソーシングサイトの仕事を続けた私は、ある時点で占い鑑定文の仕事を辞めました。文字単価0.5円の仕事で稼ぐためには多くの執筆をこなす必要がありますが、その分単価の高い仕事ができずに困ることが増えたためです。
占い鑑定文の仕事だけで10万円ほどの収入があったため、その仕事を整理する決断にはかなりの恐怖がありました。しかし、今思うとこの決断は重要で、以降は収入が増えていくことになります。
校正作業で他ライターの文章から学習
その後、仕事を回してくれていた方から「ライティングだけでなく校正作業もやらないか」と声をかけて頂きました。
校正の仕事では、他のライターさんの文章を多く読むことになります。低単価の案件は初心者が多いため、記事の品質は非常にばらつきがありました。しかし、記事をチェックする立場になったことで、どういう点に注意するといいかが見えるようにもなり、自分のライティングに活かす上で非常に勉強となる経験でした。
案件数も多くこなして自然と実績が増えていったため、このころから、クラウドソーシングサイトの案件受注も増えていきました。それまで続けていた派遣の仕事も辞め、フリーランスのライター1本でやっていく決意をします。
構成作成の工程を経験して構成力を培う
公式の案件が回ってくるようになってから、横展開で公式案件を紹介してもらうようになりました。中には、記事の作成だけでなく、記事の構成案を作成する仕事も頂けるように。記事の構成案作成では、SEO対策やWeb媒体特有の基本構成などさまざまなことを学びました。
最初のころは何度も修正依頼が入り、案件から外されることもあって非常に苦労しました。苦しい時期でしたが、ひたすら構成案を作る仕事を続けていくことで、少しずつ構成力が培われたと感じています。
ここで構成力とSEOの基礎知識を学んだことで、より高単価の案件を継続的に受注できるように。文字単価1.5円から2円の仕事も少しずつですが獲得できるようになりました。Webライティングに自信が持てるようになったのはこのころです。
気が付けば、占い鑑定文の仕事を始めてから2年ほど経過していました。このとき売上高は、約400万円に。実際には、そこにクラウドソーシングサイトのシステム手数料が加わるため、300万円程度の売上高ではありましたが。このころから、「ライティング1本でやっていけそうかな」と思うようになりました。
文字単価1円台の案件を卒業して高単価案件に挑戦
仕事が非常に増えて来た3年目は、多いときには20案件以上を抱え、広く浅く仕事を続けている状態でした。
ここから、文字単価1円台の仕事から、文字単価2円以上の仕事にシフト。ただし、これまでお世話になってきた方々からの仕事は受けるようにして、信頼関係を損なわないように注意しました。収入は月ごとに上下しながらも、さらに増えていきます。3年目の売上高は額面上577万円に達しました。
年収アップのきっかけは人脈から
仕事が軌道に乗り始めたころ、クラウドソーシングサイトから紹介されたフリーランスの交流会に参加しました。このとき知り合った同業の方の1人は、今重要な取引先のひとつです。
この方とクラウドソーシングサイトからの収入で、1カ月に手がける案件数も落ち着いてきて、10件程度で十分に生活できる収入が得られるようになりました。
私はどちらかと言えばあまり積極的に人脈を広げるタイプではありません。それでも、やはり人脈は重要であり、他人と交流する機会は大切にしないといけないと感じています。
足かけ4年で会社員時代の収入超え
フリーランスのWebライターとしてやってきた4年目、売上高は700万円を超えました。これはラッキーな要素もあったため、自分の実力としては3年目の売上高ぐらいが妥当かもしれません。それでも、売上高が会社員自体の年収を超えたことは私にとって喜ばしいことでした。
現在、私が受ける仕事の平均文字単価は平均2.5円。決して高い方ではありません。それでも、十分に生活していくだけの収入は得られるようになりました。
未経験からでもフリーランスのライターになれる!
紙媒体主体の時代は、フリーランスのライターになるには出版社や新聞社、編集プロダクションなどでの勤務経験が必要でした。
しかしWebメディア増加中の今、常にWebコンテンツ作成の需要がある状況です。今後もWebライターは求められるため、地道に仕事をつづけることで収入を増やしていくことは十分に可能です。
これからフリーランスのライターを目指す方は、できることから始めてみてはいかがでしょうか。