書くことが好きで、ライターという仕事に興味を持つ人は少なくありません。インターネット上では有名ライターの活躍を目にすることも多いでしょう。でも、具体的にライターの仕事内容について聞かれると、文章を書く以外にイメージが湧きにくいかもしれません。
今回は、ライターの仕事について解説します。ライターの仕事内容、ライターに求められる能力、ライターという仕事の魅力と大変さなどについて整理しました。ライティングスキルを身につける方法や、ライターに向いている人、未経験からライターになる方法についても説明します。
ライターってどんな仕事?
ライターとは、簡単に言えば文章を書く仕事です。では、どのような文章を書くことが求められるのでしょうか。ライターの仕事について、深く掘り下げて説明します。
ある事象についてわかりやすく読者に伝える文章を書く
ライターの書く文章は、ある事象について、読者にわかりやすく伝えるという役目があります。そのため、簡潔でわかりやすい表現、1つの文章は1つの意味に留めて論理的に物事を整理する力が必要です。逆に言えば、作家のように個性的、美的な文章は必要とされません。
読者に伝える情報はさまざまです。雑誌記事、読み物としての記事から、パソコンの操作マニュアルも、各分野のライターが文章を作成しています。映画やドラマ、アニメはシナリオライター(脚本家)、ポスターのキャッチコピーはコピーライターが執筆します。
ライターの収入源は、主に記事を書いて受け取る原稿料です。その他には、書籍を出版して印税を受け取る場合や、自分でWebメディアを立ち上げてアフィリエイトで稼ぐライターもいます。
クライアントがいる場合は要求に沿った記事を作成
原稿料を受け取るライターは、ほとんど例外なくクライアントから仕事を受注します。発注元へ納める記事を作成する場合は、クライアントの意向や目的に沿った記事を書かなければなりません。
記事を読むターゲット層や掲載する媒体は紙かWebかなど、発注側と密にコミュニケーションを取り、その記事が目指すゴールを共有して記事を制作します。
WebライティングではSEO対策の知識も必要
Webライティングでは、多くの場合、記事作成の際SEO対策を求められます。SEO(Search Engine Optimization)対策とは、検索エンジンで上位表示させるための方法です。
検索エンジンの上位10位以内に入ると、検索結果一覧で最初に表示されてアクセス数が大きく伸び、Webメディアの集客アップに貢献。SEO対策がしっかりできて、検索結果の上位に執筆記事が入る技術があるライターは、大きな需要があります。
紙媒体とWeb媒体の違い
ライターの作成する記事は、掲載媒体が紙かWebかで違いがあります。雑誌や新聞、ポスターなどの紙媒体は、原稿を作成してから公開までの間にタイムラグがあり、校正・校閲・編集などをしっかりと進めて出版する、という流れです。
紙媒体は、紙面の都合から文字数制限は絶対であり、文字単価は高めです。紙媒体なら、文字単価10円も珍しくありません。Web媒体と違いSEO対策は不要で、少ない文字数で必要な情報をいかにして伝えるかが重要となります。
一方、Web媒体の記事は、紙媒体に比べて印刷が必要ない分スピーディーです。また、紙媒体に比べて単価が安い傾向にあります。
ただ、文字単価は0.1円という超低単価から、紙媒体以上の単価までバラツキがあり、一概に安いとは言い切れません。SEO対策に長けたライターや、印象的なコピーを作成できるライター、専門分野にくわしいライターは、Webメディアでも十分な収入を得ています。
取材力が求められる場合も
ライターは、基本的に記事にする情報を集めるために取材をします。取材の過程では、人や会社に対して取材と記事掲載の許可を取り、記事にしたい内容をインタビューする、といった交渉力やコミュニケーション力も必要です。取材記事は高単価なので、取材力があると武器になります。
ライターとジャーナリストとの違い
ジャーナリストとは、ジャーナリズムに携わる人の総称です。ジャーナリズムとは、新聞・テレビなどの報道機関より、時事的な問題の報道・解説・批評などを伝達する活動」全般を指します。
つまり、ジャーナリストの仕事は主にニュースや時事問題に関する記事を作成することです。ジャーナリストにも専門分野があり、スポーツ、社会問題、医療、科学などさまざまな分野のジャーナリストが存在します。
一方、ライターは、ニュースに限らず幅広い内容で原稿を書きますが、そのほとんどはクライアントの意向に沿うことを目的とします。そのため、多くの場合主観的な文章は好まれません。客観的な立場で、クライアントの求めるテイストの記事を制作するのがライターの仕事です。