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NiziU誕生
そして、本格的なオーディション番組であった理由には、番組の演出面も注目すべきだろう。オーディション番組は勝ち残りバトル戦でもあるわけで、参加者同士の嫉妬心を露わに見せたり、争いごともバズるネタのひとつと捉えられることもある。
だが、『Nizi Project』にそうした演出は皆無。時に緊張感や不安な表情を見せることがあっても、常にポジティブな方向に持っていった。ほんわかムードのBGMもよく流れ、テロップに至ってはカラフルなものや丸文字風の書体が使われたりもした。アイドル番組らしいと言えばそれまでだが、デビュー前から将来の大事なスターを守る体制を作っている、そんな意図も感じさせるものだった。そして、見ている側にも「デビュー前から大事に見守っていこう」と思わせた。
NiziUメンバーの姿勢も、ファンに安心感を与えていた。そう思ったのは、番組でデビューメンバーを決める最後の楽曲として挑戦した曲でもあった「Make you happy」を巡った場面。どのように歌うべきかと、マヤチームが話し合っていた時のことだ。
マヤが「この曲は私たち1人1人に対する応援歌でもあるけれど、聴いてくれる方に対して元気を与える歌でもあって、その気持ちをお届けしよう」と切り出した。それはガールズグループのNiziUが目指すコンセプトそのもの。誕生前から番組全体を通じて伝えるそんな徹底ぶりも、本格的なオーディション番組だと言わせる所以だった。
結果は冒頭の通り。プレデビューを記念して6月30日に公開されたNiziU初のミュージックビデオ「Make you happy」はYouTube配信初日で1,000万回再生(現在4,000万回再生を突破)に上り、MV公開と同日に配信されたDigital Mini Album『Make you happy』はiTunes総合トップアルバム・ランキングをはじめ各音楽配信サイトで1位に。7月8日発表の「オリコン週間デジタルアルバムランキング(7/13付)」では、歴代1位の週間8万1,525DLを記録したことも分かった。ストリーミングと単曲ランキング部門でも1位を記録し、オリコンによると、初登場での3部門1位は史上初の記録という。
また、ファンクラブ名の「WithU」が発表されると、Twitterのトレンドにランクイン。7月1日から始まったグローバル配信でも、香港や台湾、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシアなど世界各国のiTunes J-POPトップアルバム・ランキング1位を獲得し、海外からも反響を集めている。
幸先の良いスタートは番組からじっくり作られた結果なのである。
(C)Sony Music Entertainment (Japan) Inc.／JYP Entertainment.
『NiziU 9 Nizi Stories』
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