6月といえば、多くの企業は夏のボーナスシーズンですね。新入社員にとっては初めてのボーナスですが、そもそも今春入社の新入社員はボーナスがもらえるのでしょうか。新入社員が知っておきたいボーナスの仕組みとボーナスの上手な使い方をお伝えします。
勤務先のボーナス制度を「就業規則」で確認しよう
まずは、ボーナスの仕組みについて知っておきましょう。
日本では、毎月の給与とは別に、ボーナスが夏と冬の年2回支給されることが多いです。
一般的に、夏のボーナスは10月から3月の勤務の評価に応じて支払われます。また、冬のボーナスは4月から9月の勤務に対して支払われます。
通常、ボーナス支給額は、1カ月当たりの所定内給与に支給月数を乗じて算出される場合が多いです。
みずほ総合研究所による「2020年夏季ボーナス予測」によると、新型コロナウイルスの感染拡大による業績悪化により、所定内給与も支給月数ともに悪化が予想されています。
ボーナスは労働基準法で定められているものではなく、勤務先の就業規則で決められています。つまり、就業規則に「業績によってはボーナスを支給しない」というようなことが記載されている場合、会社側にボーナスを支給する義務はないのです。まずは、皆さんの勤務先の就業規則を確認しておきましょう。
平均額は大卒で8万7,636円
先ほど、夏のボーナスは、10月から3月の勤務の評価に応じて支払われるとお伝えしました。
ということは、今年4月に入社した社員は夏のボーナスは支給されないのでしょうか? これは、勤務先によって変わってきます。
産労総合研究所の「2019年度決定初任給調査」によると、88.1%の企業が「何らかの夏季賞与を支給しています。支払方法で最も多いのは、64.5%が「寸志」です。
気になる平均支給額は、大学卒が8万7,636円、高校卒が6万9,064円です。
新入社員の人は「もらえたらラッキー」と考えておくといいのではないでしょうか。
ボーナスを使うのは「計画を立ててから」
たとえ「寸志」だったとしても、新入社員にとって初めて、毎月の給与以外で自由に使えるお金です。どのように使おうか考えるだけでワクワクするでしょう。
でも、計画を立てずに使ってしまい、気が付けばなくなっていた、というのは避けたいですね。
最初にしてほしいのは「計画を立てること」です。
買いたいものや、夏休みの帰省など、どのくらいお金が必要かを書き出してみてください。
そして、もしクレジットカードのリボルビング払いなどの借金が残っていたら、まずは借金を返済してしまいましょう。
次に、毎月の給与と並行して、ボーナスでも貯蓄をしていきたいですね。この夏はたとえ少額でも、「支給額の●割を貯蓄する」と言うように、自分でルールを決めて先取貯蓄をするクセをつけていきましょう。
借金を返済して先取貯蓄をしたら、残ったお金は自由に使えるお金です。頑張って働いた自分へのご褒美として罪悪感なく使えるのはうれしいですね。
「まとまったお金が入ったから」と気が大きくなって散財してしまっては困りますし、かといって、「全額貯蓄」となると楽しみがなくなります。
新入社員の皆さんは、今年の夏のボーナスから上手なお金の使い方を実践していってくださいね。
安部智香
女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」認定ライター
安部智香ファイナンシャルプランニングオフィス代表、
ファイナンシャルプランニング技能士2級、AFP(日本FP協会認定)、一種外務員資格
短大卒業後、証券会社に勤務。在職中は資産運用のアドバイスを担当。結婚退職後は、証券会社在職中に得た知識を活かし投資による資産形成を行っていたが、周りの主婦の大半は投資の方法を知らないことに気付く。そのため、「もっとお金のこと、家計のこと、資産運用のことを伝えたい」という思いで個人事務所を立ち上げる。個別相談、執筆業務、マネーセミナー講師として活動中。著書は「幸せなお金持ちになるマネーレッスン♪」(パブラボ)
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