俳優の谷原章介が主演を務める松本清張ドラマ『黒い画集~証言~』が、きょう9日(21:00~22:29)にNHK BSプレミアムで放送される。

  • 石野貞一郎役の谷原章介(左)と不倫相手・梅沢智久役の浅香航大

松本清張の小説『証言』の舞台を現代に置き換え、主人公の不倫相手を女性から男性に変更。大胆な設定と斬新な解釈でリメイクした。

一見幸せな家庭生活を営む男が足を踏み入れてしまった、若い相手との甘美な不倫関係。男はそれを家族に隠し通すため、ある事件について「偽証」せざるを得なくなる。そこから巻き起こる男の悲喜劇と恐ろしい不倫の代償を描いた原作のエッセンスはそのままに、バイセクシャルや偽装結婚という現代的な要素を取り入れながら、さらには耐える妻の思いもよらない逆襲をビビッドに描く。

主人公・石野貞一郎を谷原章介、妻・幸子は西田尚美、貞一郎の不倫相手・梅沢智久を浅香航大が演じる。

谷原は「罪を犯したことがないような善良な市民が、ふとしたきっかけで別の一面をあらわにしていく。そんな心の奥底を描く人間描写が魅力でしょうか。同性愛の設定が加わったことで、原作よりさらに複雑で挑戦的な内容になったと思います」と話し、不倫相手役の浅香について「浅香さんと以前に共演したときはここまで近しい関係の役柄ではなかったので、楽しみにしていました。実際に役で相対してみて、改めてとても色気がある役者さんだと感じました」とコメント。

浅香も「僕が谷原さんの不倫相手役という設定変更には驚きましたが、グッと作品の求心力が強まった気がします。僕自身、役者としてもチャレンジングな作品となりました」と語り、谷原とのラブシーンについて「なんとロケの初日でした。それも冬の金沢の夜の野外で! 撮影場所が燃え盛る陶芸窯のそばだったのが救いでした。ラブシーンは、谷原さんがとても上手にリードしてくださって、円滑に進みました…今思い返すと少し照れくさいですね」と明かした。

西田は「夫の男性との不倫を知って、ものすごい屈辱感と絶望感に苛まれます。でも、その感情を表に出せないプライド、妻としての矜持が幸子にはあると思います。撮影現場でのお2人はとても美しくて純粋で、嫉妬してしまうほどでした」とコメント。「幸子の天真爛漫さの奥に潜むしたたかさ、それがとても怖くて物語に引き込まれます。幸子の心理にご注目下さい。それと、ラストが原作とは違っているので、そこも楽しみに見ていただけたら」と呼びかけている。

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